ロープワーク講習(5日間)

2018-05-19

08_アルパインクライミング h_箱根・富士

Date : 2018年2月から5月
Member : ヤマ、バード、ワタ、マリ
Timeline :
Author :マリ

アルパインクライマーを目指して、頂メンバー4人がガイドさんから5日間の講習を受けました。もちろん、有料。でもその価値以上のものを得られました。今回はそんな5日間講習の記録です。

とある冬の日、ワタから一本のラインが。「ガイドさんからロープワークの集中講習を一緒に受けませんか?」 と。「受ける!!受けたい!」と即答した私。

気が付けば頂に入会していろんな山に行くこと●年。この間、ちょこちょこロープワークについて学ぶものの、主体的に学んだり、自分がリードするまでには至っておらず、行きたいところがあっても人頼み。結局人頼みでは行きたいところに行けるとは限らず。そう、そんな山の象徴が”前穂北尾根”。数年前から何度も計画に名を連ねるも、いまだ実現せず。そう、行きたいなら、人の後ろをついていくのではなく、自分で行けるようにならないと。

というわけで、ワタからの誘いは渡りに舟!乗らないわけがないのでした。人が多いほうが講習料が少し安くなる。ということで結局集まったのは、ヤマ、バード、ワタ、まりの4人。うん、これで少しは財布にやさしくなりました。メンバー集めの次に難しかったのが、日程調整。先生を含め、みんないろいろと予定があります。結局、5回の講習は2月から5月にかけて実施することになりました。

重要なガイドの先生は佐藤勇介さん。ワタが仕事を通じて知り合った信頼できる方です。みなあるトラウマがあり、会う前までは怖い先生ではないかとびくびくしていましたが、そんな心配は無用な気さくな方でした。

■先生:佐藤勇介さん
■5日間のメニュー
 1日目(2/17):机上講習(道具の話)、トップロークのロープワーク @ジム
 2日目(3/25):リードクライミング講習 @ジム
 3日目(4/1):リード&フォロー・懸垂下降 @天覧山
 4・5日目(5/12-13):マルチピッチクライミング実践講習 @三つ峠
■使用した参考書 「大人の山岳部

■1日目(2/17):机上講習(道具の話)、トップロークのロープワーク @ジム
この日の大半は道具に対する理解を深めることに時間は割かれました。

まずは、ロープ、カラビナ、スリングの種類。それぞれの種類の特徴、長所、短所、使い分け方。。。。深かったぁぁ。とくにカラビナの種類は知っているようで、知らなかった。みな、必死にメモです。

次は、ハーネスとロープワークの基礎、基本の結び。ロープの基本の結びは呼び名がわからん。しかも、私の中途半端な知識だと、呼び名が古いらしい。。いやーん。そんなことはさておき、先生からは中途半端にいろいろな結び方を知ろうとせずに、確実に覚えておくべき結び方を徹底的に体で覚えること、という格言を頂く。ロープの束ね方もいくつかパターンを教えてもらいます。ふむふむ。奥が深い。

最後は、トップロープクライミングについて。システムからビレイデバイス、コール、ダブルチェック等々。ついでに、各自の登り方についてもアドバイスをもらう。ありがたい。。
そんな感じでもりだくさんで1日目終了。もちろん、その後皆家で必死に復習&特訓です。



■2日目(3/25):リードクライミング講習 @ジム
この日はリードクラインミングに関することをジムで学びます。
システム、クリップの方法、落下係数について、リードのビレイ、結び変え、アンカー構築、フリクションノット、仮固定。。盛りだくさんです。

特に私が手こずったのが、ダイナミックビレイ。フォールした時にクライマーの衝撃を和らげるための方法なのですが、何度やってもなかなかコツがわからず、ヤマさんには何度も登り返してもらって落ちてもらいました。感謝


ちなみに、結び替え等はジムの外にあるホールドで実践したのですが、折しも花粉がすごい時期。花粉症ではなかったはずの私もついにここで花粉症が発症したらしく、ずーとくしゃみしっぱなしでした。つらかった。桜が咲いててきれいだったのに。

■3日目(4/1):リード&フォロー・懸垂下降 @天覧山
ついに、外岩。場所は飯能にある天覧山。折しも、桜祭りをやっていますが、我々はそんなことはお構いなく、岩のふもとに。

まずは、リード&フォローの手順を教えてもらい、2組に分かれて山道で実践。2-3Pを経た後ゴールが天覧山。登山?観光客がわいわいしている中、さして急でもない斜面からロープをつけて登場せねばならず、少し恥ずかしい。

次は懸垂下降の練習。最も事故が多いシステムということで、先生の説明も気合が入ります。で、今回習ったシステムは、これまで私が実施していたものと少し違う。バックアップとしてプルージックコードを使うのです。なんと!たしかに、これがあれば両手を離せる!!素敵!!ビレイデバイス装着にそらにひと手間かかりますが、特に最初に懸垂下降するときは絶対このシステムが有用!特に星穴岳の懸垂下降でひやっとしたことのある身としては、なおさらその重要性を実感。この正式なシステムを知ったうえで、自己判断でバックアップを省略することはありかと思いますが、まずは正式なシステムを覚えることが重要と認識しました。

懸垂下降の後は登り返しの練習。尺取虫のように登っていくのですが、思った以上につかれました。登り返しは使わないようにしたいものです。

それにしても、ここも花粉がすごかった。先生以外、私たち4人は花粉症だったため、本当にひどかった。くしゃみはとまらないし、鼻水でるし。。。桜祭りを楽しむ気にもなれない。。家に帰って速攻お風呂入りました。

■4・5日目(5/12-13):マルチピッチクライミング実践講習 @三つ峠
さて、講習もいよいよ最後!実践編です。場所は三つ峠。さわやかな陽気の下、1時間近く登って、岩場に到着。実際の大きな岩場を目の前にテンションあがりまくりです。しかもこの日はすごぶる天気が良く、暑い。

まずは、復習がてらに簡単なルートでリード&フォロー&懸垂下降を2人1組で実施。
が。。。。。。。
全員なにかを間違えている。間違ているポイントは人それぞれだけど、誰一人完璧でない。。はい、多くのことを忘れていました。
先生、さすがに呆れています。すみません、としか言いようがなく。。
先生が行ったり来たりしながら、みんなの手際を確認。ようやく思い出します。
が、、、さらに重要なことに私たちは気づきます。遅い、、、私たち。
気が付けば復習だけで昼過ぎ。ピンチ!


昼休憩の後には、リムーバルプロテクション、カム、ナッツ、ハーケンの使い方を学びます。買ったばかりのカムやナッツを早速岩の隙間につっこみ、効かせるポイントを確認します。私にとってはナッツが特に難しかったです。自分が決めたナッツに自分の命を預けられるのか、と問われたならば、、まだまだ不安です。



その後は、中央カンテをみんなで登ることにしました。一番難しいところは先生がリードして、プロテクションを作成してもらいました。うん、安心。
ぎゃーぎゃーいいながらなんとか登り、最後の1Pを残したことろで時間切れで懸垂下降で降りることに。とても面白いルートでした。





で、この日は四季楽園に宿泊。ワタが作ってくれた豚キムチをおなか一杯。さらに、ワタの顔見知りのガイドさんも合流して、飲む飲む。みんながもってきた酒(ワイン、日本酒、焼酎、ウィスキー)がなくなるなくなる。ちなみに、佐藤先生はお椀でごはんもお酒もこなしていました。

しかも、部屋にはこたつがあり、快適。、飲み続けると、だんだん佐藤さんのブラックな発言がちょいちょい出ててきます。おもろい。バードの声がでかい、と皆で注意しながらも飲み続けます。佐藤さんは10時に就寝しましたが、飲み足りない頂メンバー(ちなみに、私以外は全員酒飲み)私は日ごろの睡眠不足をこの日に解消しようと思っていたので、いかにこの3人を寝かせるかが、私の課題。電気を消すものの、3人は元気。しかも、意外とまじめな話をする。まじか。。寝れない。だらだらと引きずられること11時。ようやく、寝ようよーと言って寝ることに。一番元気なバードは最後までごねていたものの、「いい夢みろよ」的なくさいセリフを言った後、速攻寝息たてて寝てました。逆に私が寝れない。。こいつーーー。


で、翌朝。はい、みなさんグロッキーな顔です。そんなグロッキーなみんなの前に、私が分量を間違えて作った大量の雑炊を有無を言わせず食べてもらいます。
今日は午後から雨予報のため、早めに出発。

今日の課題は、「岩の弱点を見つけて、そこをつかって三つ峠の山頂に行くこと」

まずは、岩場を目の前にトポをみずに弱点の議論です。が、、あれれ、なぜかみな難しそうなルートを推す。さすがに先生もまずいとおもったのか、トポを見てみよう、と。ルート修正をして、ようやく始動です。昨日教えてもらったカムも使いながら、でもそのカム途中でぷらーんって抜けてたりして、色々と勉強になります。システムを作るたびに先生にその設計思想を説明し、改良点を教えてもらいます。勉強になります。にしても、昨日と打って変わって寒い。寒いから、自分たちの手際の悪さによる時間の消費が身にこたえます。チムニーを通過しながら、また、途中でわざとコールが聞こえないふりをされて、そんな場合のロープワークを実践しながら、ついに、山頂に!ハイカーの中にこつぜんとロープを背負った私たち登場。時間かかりながらも、ここまで到着。あいにく富士山はみえなかったけど、感慨深い。




しかし、天気はだんだん悪くなっているので、そこそこにして下ります。はい、下りは懸垂下降。で準備している間にぽつぽつ。。。まじか。。まずは1P目の懸垂下降は私がトップでおります。2P目は懸垂下降はヤマさん。ロープは60m×2本なのでできれば50m使い切って一機に下まで降りてほしいところ。下まで降りれらた場合の合図を決めて、ヤマさんが出発。にしても、懸垂下降するメンバーが5人いるので、時間がかります。なぜかわたしがシンガリになったため、雨の中ずーと出番をまつ。。寒い。寒い!!ようやく自分の番!だけど、50mロープは重いのかなかなか懸垂下降がすすまない。そして岩がすべる。。こわー。。。しかも、ゴール見えた!とおもったのにみんな雨宿りしながらパンとか食べてて、だれもいない。。ストっとようやく地面にたどりつき、安堵。


で、ようやくロープ回収、と思ったら、さらに事件が。。。もうここでは長くなったので、その後のドラマについては先生のブログを見てください
http://essential-line.com/2018/05/15/final-dorama/

にしても、この時先生は格好良かった。アプローチシューズですたすた、と登って行ってさすがでした。感謝。

雨の中ずぶ濡れになって三つ峠を下山。温泉入って反省会&先生からはアドバイスをたくさん頂いたのでした。

■まとめ
個人的には、これまでバラバラと学んでいたことを体系的に学ぶことが出来、点と点が線になる大変有意義な時間でした。集中的に教えてもらうことで、身に付きやすくなったと思います。教えてもらったことを右から左に忘れるぽんこつ生徒4人を根気強く指導していただいた先生には心から感謝です。一方で、クライミングできないと話にならないので、クライミング能力の向上は自分でがんばらないと、です。

また、4人で同じことを学べたため、システムに対する共通認識もでき、安心して一緒に山に行くことが出来ると思いました。まあ、共通体験をすることで仲間意識も強まったのかもしれません。講習後は毎回飲んでたしね。


さて、最後に。私たちは先生にチーム名をゆだねました。
その結果・・・・”Team OneWAN”


●一歩ずつ一人ずつ着実に進んでいこうOne By Oneの心構え
●「お椀ひとつでなんでもこなす」という山屋精神
*別の説にはトレーニング場としていた三ツ峠・四季楽園で飼っていた「ジャック」という犬の名前からきているという説もある。

ロゴはヤマ、キャプションはバード。みんなすごい!!

さて、Team OneWAN。まずは前穂北尾根を目指します。
が、すでにみんなの予定を合わせるのが難しく、8月下旬~9月の見込みです。
その前にたくさん岩や沢に行って、もっともっとシステム作成時間を短縮化せねば。。

今後もTeamOneWANの活動に乞うご期待!!
そして、佐藤先生、本当にありがとうございました!!

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