Member :いぬあるき、じょーじ (+1/2会外K君)
Timeline :12/28夜新潟発、29日夕苫小牧着→旭川移動、30日旭岳スキーコースサイドカントリー、31日三段山、1/1大雪山(旭岳)→札幌移動、1/2札幌国際ゲレンデ滑走→夜小樽発、1/3朝新潟着
Author :じょーじ
POWDER!
【Prologue】
ラニーニャ傾向で今年は雪が期待できると山スキー屋界隈が盛り上がりつつあった2024年晩秋11月19日、総会の打ち上げにて頂の山スキー屋さん達の年末年始動向を探っていた私。海外トレッキング…?まだ岩のシーズン…?などなど年末年始休暇どのように過ごすのかを思い思いの計画を酒の肴に聞きつつ、いぬあるきさんに年末年始北海道遠征なんてどうですか?と聞いてみたところ、「お、いいね!」と二つ返事!
なにか計画を考えていたようだったが、突拍子もない私の提案に乗ってくれてありがたいばかり。
【DAY0】移動日(12/28)
今回の遠征は9連休の恩恵を生かす6泊5日(7日)フェリーの旅。
往路は年の瀬の12月28日夜に新潟港を出発し、翌29日夕方に苫小牧に着く航路。
9連休といいつつ追加で休みをくっつけ28日の昼まで既に数日奥只見丸山で胸パウを浴びて完全に冬休みモードになっていた私はだいぶ高めのテンションで新潟港近くでいぬあるきさんの車へ乗り換えた。二人なのにスキーは7組14本ある。
平成を感じる豪華な船内を探索したり、車輌甲板にある車に置き忘れた荷物を取りに行ったりしているうちにフェリーはいつの間にか出港。ゆうかり号のロビー
予報だと昼過ぎまで3〜4mの波浪予報。前日よりは落ち着いていると予報は言うが、ドゴーンと時々船首が波を叩く音と振動が響きかなり揺れる。そんな中どこでも寝れる私は即寝落ちた。
【DAY1】移動日(12/29)
6時40分頃に僚船とすれ違い
翌早朝6時半頃に船内放送で僚船とのすれ違いのアナウンスされ起こされる。波は相変わらず荒れていて船酔い気味。
7時頃に食堂で朝ごはんを食べるも到着は17時頃なのであと10時間以上は船内。日本海を航行するといっても沿岸の電波をキャッチする程度の距離なので、大雪エリアの天気を見たりSNSながめたり、惰眠を貪ったりとひたすら時間を潰す。
苫小牧港についてからは旭川の宿までは3時間弱。
前を走る車が舞い上げるドライパウダーが北の大地を感じさせてくれる。
途中岩見沢のとっぴ〜で北海道成分を摂取。やっぱり美味しいとっぴ〜。
宿近くのセコマで翌日の買い出しして北海道1日目終了。
【DAY2】旭岳スキーコース/サイドカントリー(12/30)
スキー1日目は旭岳ロープウェイでサイドカントリーで脚鳴らし。天気は微妙なものの積雪は十分。北海道のドパウにワクワクが止まらない。
北海道らしい気温−15.7℃。風があまりなかったので寒さはそんなに感じない。
ロープウェイでのぼり、ひたすら面ツル斜面を狙って落とす。夕方まで6本回してもパウダーが残りっていて滑り甲斐があって満足。ボーダーが落とさない少しツリーが濃いエリアを攻めていたのがよかった。(最後の一本ボーダーが多く滑っていたオープンバーンの方行くと、荒れ荒れで面白みがなかった)とはいえ膝上ふとももあたりまでのパウダーを1日で大体3000m滑走して大満足。なかなかこの滑走距離のパウダーを滑る機会はないので、パウダーに慣れる特訓としてはとても良いと思う。いぬあるきさんは、「旭岳にしては重めのパウダーだねっ」とクールな対応。確かに少し重かったけども上越のこの時期のパウダーと比べれば軽い。やはり名だたるスキーヤーが好む&ホームにしているゲレンデなだけある。
ハイクアップなくツリーランを楽しめる
翌日に向けて旭川でサウナと美味いものを摂取して1日目は終わり。札幌に比べると旭川は小さい街だけれども白馬上越のゲレンデエリアよりは栄えているので夜も楽しめて良い。
サウナ甲子園出場の熱波師?がいるらしいサウナ
【DAY3】十勝連峰/三段山(12/31)
スキー2日目はBCでハイクアップ。あまり条件が良くない予報のものの、ピークを目指さず樹林帯を何本か滑れれば良いかな、くらいの気持ちで入山。
スタートが遅めだったので、入山時に下山してきた人からコンディションを聞くと、そこまで悪くないとの情報で 尾根の方はガスかかっているもののハイクアップする気持ちになってくる。
視界は十分あるのでひとまず吹上温泉を出発
途中一段目登ったところで大学生が整地していた。年越しイグルーすき焼き泊らしい。それは絶対楽しい。
三段山の四段目あたりでハイマツが出てきたのでハイクアップはここまで。
上富良野岳側の隣尾根をハイクしている地元スキーヤーと思われる方もいた。
そちらの方がスティープな斜面。
過去雪崩事故発生エリアは気をつけて通過しつつ地形を遊びながら下山
白銀荘にたまたま知り合いがいたので情報交換&タイミング合えば一緒に滑る約束しつつ、途中青い池のライトアップを観光してから宿に帰り滑走2日目&大晦日は終了。
夜ご飯はセコマ飯。毎食セコマのホットシェフでも私はいい(むしろ喜ぶ)。
【DAY4】大雪山BC(元旦)
前日白銀荘で十勝岳の雪付きが微妙そう・・・と情報をもらい、2025年1発目は北海道最高峰大雪山に行き先を変更。昼前からガス&強風の予報のものの、大雪山に向かう時間は期待大な天気。山麓に着く頃には、大雪山の姿が見えもうお腹いっぱいになりかけていた。
本州ナンバーの車多数
2日前と打って変わり、旭岳ロープウェイから富良野の方まで見渡せた
天気やコンディションが良ければ北面や地獄谷を落としたいと狙っていたものの、ニセ金庫岩手前に着く頃にはガス&爆風でシートラに切り替えてピークを踏むことをゴールに切り替え、とにかく突き進む。2025年6番目7番目と思われるピークハンターとなるものの、カムイミンタラはガスの中で何も見えず・・・頂の今年1発目の登頂とできたので「ヨシ!」として下山。
山頂。何も見えないし爆風
滑走は暴風でカチカチに叩かれたハードバーンで、エッジがすっぽ抜けないように慎重に滑る。余裕がなかったので写真とってなかった。
旭岳石室で休憩
あとは旭平の方を経由してロープウェイ駅まで。連日の疲れで太ももが悲鳴を上げていたり、間違えて狙っていた隣の筋に入りかけて少し登り返す羽目になったりぼろぼろではあったが、標高1500mあたりからパウダーとなって、やはり滑るのが楽しくなってくる。最後に楽しみを残してくれてるのが憎ったらしくまた来たくなってしまう。
ロープウェイ駅でいももちを食べて、2日夜小樽港から新潟に帰るため、札幌まで移動。
最近本州でも見る気がするいももち
【DAY5】札幌国際ゲレンデスキー(1/2)
雪のコンディションが良ければ手稲や朝里エリアの裏山BCも考えていたものの札幌近郊はまだやぶやぶらしかったので、大晦日に白銀荘でばったり出くわしたK君とゲレンデスキー。3人で楽しく滑りながら今シーズン何したいどこ行きたいなど山スキー談義がよく弾んだ。夕方にスキーを切り上げて帰路へ。
ローカルゲレンデではあるがコースのバリエーションも多く好きなゲレンデ。
【DAY6】移動日(1/3)
新潟港には9時半入港。朝8時頃?に船内のカフェが数量限定販売するあんこクロワッサンが美味しいのでおすすめ。
帰りは海が凪いでた
【Epilogue】
移動日を含め7日かけて実滑走は4日、となると「タイムパフォーマンスは如何なの・・・?」と思うのか、「7日間の遠征を楽しめる・・・!」と思うのかは人それぞれだと思うものの、私は移動を含めて冬シーズンの山スキーが好きなのでこの山行スタイルが楽しいしこれからも続けていきたい。
あまりブログを書いていなかった私がブログを書き始めるきっかけになったのも最近バックナンバーから読更けているFall Lineに掲載記事のような山スキー旅をしてみたいと思ったから。掲載記事にあるようなラインを落とすことも、スキーバグのように海外のかっこいい山に行くことも叶わないけれども、一端の山スキー屋として書くことでちょっと憧れに近づけたらいいなとか。
今回の遠征に話をもどすと、遠征自体は天候に恵まれてサイドカントリーもピークハントもゲレンデもどれも楽しめてとてもツイていたのは間違いないと思う。ここまで膝上のパウダーを連日満喫できたのは、シーズンアウト後の今振り返ってもレアと言っていいはず。
旭岳スキーコースは(コンディションが良ければ)パウダーお代わりし放題なので、パウダージャンキーは言うまでもなくだが、山スキービギナーのパウダー滑走トレーニングにもピッタシだとおもう。関東からだと来るハードルは低くないけど、とてもおすすめしたいサイドカントリーができるゲレンデ。なので私は来シーズンの飛行機をすでに手配済み(笑)。時間がなく飛行機だけれども来シーズンも楽しい遠征になるといいなと、梅雨前線が天気図から消えた、梅雨とは思えない記録的な猛暑日の今日も祈っている。
おわり
2025/06/17記