朝日連峰

2017-05-11

02_残雪期 b_東北

Date : 2017/05/05-07
Member :ちえ蔵、akko、みの、のぶ
Timeline :5/5 古寺鉱泉8:10-15:10大朝日小屋
5/6 大朝日小屋6:30-9:00竜門小屋
5/7 竜門小屋7:50-11:30日暮沢小屋-13:00駐車場
Author :みの

今年のGWは立山劔を本命として準備していたが、直前の事故などから総合的に判断して、ちえ蔵さん、akkoさんの朝日連峰縦走に便乗することに。(今年はその後も事故が多発している模様。亡くなった方々のご冥福をお祈りいたします。)



急な変更の為、メンバー4人のバスを合わせられず、現地集合での山行となった。

山形駅で新人さんのぶと合流し、タクシーを使って寒河江へ。途中、車窓から雪を被った月山が見え、テンションが上がる。蔵王はすっかり雪がないように見えた。さらに、 寒河江営業所でちえ蔵さん、akkoさんと合流し、4人となって、小寺鉱泉へ。ここから、小朝日岳を経由して大朝日岳へ向かう。

登山口からすでに雪がある状態だが、半袖でも暖かいほどの陽気で、登山道脇にはショウジョウバカマ、イワウチワが咲いている。花レコになりそうな勢いで写真を撮っていったが、しばらく登っていくと雪に覆われて花たちとはしばしお別れ。雪のルートでは大朝日岳避難小屋方面から下山してくる人が何組もいて、トレースも多かったので、道はわかりやすかった。




花貫で小休憩を入れ、古寺山に向けて傾斜を登る。ちえ蔵さんが先頭でしっかりステップを切ってくれるので、楽々登らせてもらう。雪の斜面を登っていくうちに背後(特に右後方)に展望が開けてきて、月山をはじめとした周囲の絶景に思わず足を止めてしまう。関東にいると国土の三分の一が山地なんて実感は湧かないが、アルプスや谷川に同じく、ここでも如何に山が広大なのかが感じられる。


雪庇の脇から小寺の山頂手前に乗り込むと、前方の展望が開ける。雪庇やクラックが目につくようになり、ルートを誤ると危険な雰囲気も出てくる。ただ、この日は視界も良好で、危険は難なく回避して進むことができた。

小朝日からは一度下って大朝日岳避難小屋へ向かう。岩場から見えた小屋からは、こちらを見ている人影があり、後で確認したら、やはり管理人の阿部さんだった。また、途中には銀玉水を掘ろうとした形跡があり、覗いたものの、深い穴の奥に水の湧いている様子はなし。 先日阿部さんたちが挑戦したものの、水は出なかったらしい。最後の登りは終わりそうでなかなか終わらない斜面で、平らになったところで、眼前に小屋が見えた。
小屋に着いてからは、小屋前に荷物をデポし、(ビール等を雪に埋めて冷やし)、10分ほどで山頂へ。1時間くらい前から怪しい雲が出始めていたが、山頂に着いたときにはすっかりいなくなっていた。風も柔らかく、雪山とは思えない陽気で、山頂でもまた長々と景観を愉しむ。ここまで登ってきた尾根や、朝日連峰の北側の主稜線、祝瓶山方面、遠くにも山々が見えるが、春霞のせいか佐渡は見えそうにない。
 山頂を満喫し、16時頃に小屋に入ると、先客は登頂前に小屋の表で会った2人組のみで空いていた。2階の半分をゆったり使ってスペースを作り、早速雪から水を作りながら夕食の用意。そうしているうちに、疲れ果てた顔で倒れ込むように上がってきた若者がいて、聞いてみると日帰りの予定で県外から来た登山初心者の人だった。両パーティーからの差し入れや、阿部さんの厚意で食料を確保し、夕食も一緒に食べた。無謀であることには変わりはないが、羨ましいほどの思い切りの良さ。明るいうちに小屋までたどり着いたのは運が良かった。

食後も阿部さんと一緒に飲みながら散々話し、朝日のことや朝日とは全く関係ないことも色々と教えてもらった。午後9時頃に寝たが、阿部さん曰く、「まだ9時だよ?」。逆はありそうなもんだけど。

翌朝は、予報から想像していたよりは展望が利いたが、やはり不穏な雲に覆われている。阿部さんに相談して、竜門や下と無線で交信して情報をもらい、結果、竜門まで行ってみることに。あわよくば寒江山まで行けるかもしれないし、ダメでも引き返すことはできる。ちなみに初心者の彼は、2人組の常連さんに連れて行ってもらうことになったので、一安心。

出発する前に小屋前で記念撮影をしていると、ポツリと冷たい感触。…雨。タイミングが悪いなぁと思うも、天気に文句を言っても何にもならないので、レインウェアを早々に出して出発。まぁ、逆を言えば万全の準備をして出発できたので幸運だったとも言えるか。

道中はCT2.5時間。比較的緩やかな稜線で、写真を見ての通り、夏道が出ているところも少なくない。ただし、無線での情報で雪庇が厭らしいところもあるらしいとの話。序盤はちえ蔵さんが先頭で進むが、途中レインウェアの下を履く為に入れ替わってからは自分が先頭でルートを選ぶ。雪の状態から言って、ちょっと滑落したくらいで止まらないような場所はなさそうなので、基本的に気を付けるのは東側の雪庇。大半の時間はルートを決めるのに十分なだけの視界が得られたので、少しペースを上げてパーティーより少し前でステップを切りながら進んだ。
核心は西朝日直下の斜面。それまでで最も視界が悪く、雪も硬めだったので、それまで空手だった新人さんがピッケルを出したほど。僅かに曝された夏道の部分でアイゼンを履いてみたが、何のことはない、実はそこから数十メートル進んだところでもう西朝日の山頂標識だった。

そこまで出れば、その後はほとんど雪がなく、アイゼンは出し損。視界不良で先が見えない中での判断としては賢明だったが。西朝日を越えたところで写真を撮っている間にまた先頭を交代。竜門岳は標識を見逃したのか、いつの間にか通り過ぎて分岐に出る。分岐からはあっという間に竜門小屋に着いた。
 竜門小屋では、阿部さんから話を聞いていた管理人の遠藤さんに会う。はじめ、2階を案内してもらって4人でぐだぐだしながら天候の回復を待っていたが、その後、我々4人と遠藤さんと常連さん2人、15時頃に食材を運んできた常連さん2人の9人で宴会開催。何故か大量にあったピーマンと運びたての米茄子、イカ等、豊富な食材と飲みきれないほどのアルコール類は過去に類を見ないほど。恐るべし山形。結局、この日も遠藤さんのエベレストやK2の話をはじめとした山の話を聞いて非常に充実した飲みか…山行になった。

3日目の朝。4時に起きてみて寒江山まで行けないか様子をみる。寝ながら気のせいだと思いながら聞き流していた暴風のような音は、起きて窓を開ければどう見ても現実。視界もかなり悪い。判断に時間は必要なかった。おやすみなさい。
 昨夜のうちに下山は8時(目標)からだと聞いていたので、5時に再度起きて朝食をとる。それでも早過ぎなのは気にしてはいけない。当初下山後はタクシーで山形まで戻る予定だったが、常連さんたちの車に同乗させてもらえるということになり、しかも遠藤さんのガイド付きで下山するという流れ。なんて有り難い。

おかげで、ゴロビツも安全に通過し、迷いやすい尾根も安心して下りることができた他、ユーフンや清太岩の由来、イヌワシを含む朝日の自然についても色々と話を聞きながら下山することができた。こごみやふきのとうのおまけ付きで。

下山後も一緒に温泉に行き、温泉で遠藤さんと別れてからは、8人で昼食もとり、と最後までたいへんお世話になった(ちなみに自分は本とDVDまで借りている)。まだ縦走が十分に出来ていないし、これはまた来るしかない。


大井川の辺りから見た月山。山形の自然は彩も鮮やか。

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