乾徳山 旗立岩中央稜 頂上岩壁第一岩稜

2021-04-25

01_無雪期 08_アルパインクライミング e_奥秩父・奥武蔵

Date : 2021/4/25
Member : まり、フジ、ワタ、ヤマ
Timeline : 6:15太平牧場〜道満登山道~7:30扇平〜8:00旗立岩下降点~10:00取り付き~中央陵~12:00稜線~登山道〜鳳岩基部〜12:45頂上岩壁第一岩稜取り付き〜第一岩稜〜14:00乾徳山頂上〜道満登山道〜16:00太平牧場
Author : ヤマ

山に元気をもらった1日でした!


昨今の状況下で、家で仕事、お酒は控えめ、そして、ジムでプラスチックのホールドを触る日々。他にもあるが、いろんな意味で混沌とした毎日を過ごす中、まりが気を遣って山に行けてない私を誘ってくれた。さらに、しばらくアルパインから遠ざかっているフジに声をかけてみると「行きたい!」との一言。仕事が忙しいワタも日帰りならということで、4人で行ってきた乾徳山旗立岩中央稜。
天狗山ダイレクト以来、まりとワタと私は半年ぶりのマルチピッチクライミング。フジにとってはなんと2年ぶり。そして、まりは肩の手術の影響でリハビリを兼ねている。そんな状況の中で比較的簡単な初級ルートを選択しました。

天気が怪しくギリギリまで中止も覚悟していたが、日頃の行いと晴れ男の幸運か!?奇跡的に好転。前日の午後に急いで準備をし、始発前に東京を出発。
なるべく早く取付きまで行きたいので、登山口の太平牧場までノンストップで2時間半。牧場の先に駐車スペースがあるみたいだが、トイレもあるので、管理しているおばあちゃんに素直に800円を支払い駐車。トイレは大事(笑)

6:15カムなどのギアを整理し、出発。
旗立岩下降点まではひたすら素敵な登山道をトレッキング、晴れたり曇ったりのちょうどいい天気で、富士山を背景にした雲海、春を迎える前の山容や野生の鹿を目にし、普段話せなかった会話を皆と楽しみながら足を進める。これだけでも楽しい!

いざ、出発


牧場と言いながらも、
実際はソーラーパネルの敷地になっていた、時代だ

牧場の間を抜ける


遠くには富士山が見える 天気も持ち堪えた

ここからが正式な登山開始


所々林道を挟む

フジは今日のために
BLUE ICEのアタックザックを調達

標高上がってきた

鹿にも遭遇

扇平に到着

いつものサービスカット

こちらもサービスカット

手洗石

髭剃岩

カミナリ岩

鎖場を進む

胎内



8:00旗立岩下降点に到着。目印のケルンは無くなっているので見落とさないように注意が必要。前に1パーティーが懸垂下降の準備をしていたので気付いた。
ちょっとだけ待って下降開始。ここの懸垂下降は25mが2回あるのだが、我々は60mシングルロープが2本あったため、繋げて1回で降りた。懸垂下降の支点は非常に頼りない。いつのものか分からないカラビナにロープを通し、念のため、ヌンチャクで支点をバックアップ。岩が脆いと聞いていたので、最初のヤマは、念のためバックアップシステムの懸垂下降で降りる。最初の25mは狭いルンゼ。体の左側が岩にぶつかり降りづらい。そして、下降途中で下ろしたロープも絡まっていて、それをほどくのに時間がかかってしまった。両手が自由になるバックアップシステムにしておいて良かったと改めて思う。一度テラスに降りてその後の25mの下降は、岩は脆いがロープなしでもクライムダウンできるレベルかも。安全を取ってそのままロープで下降。
それより、私は気づかなかったが、支点の上部に大きなぐらつく岩があり、まりが体重を乗せると動いたらしく、それがかなり危なかったらしい。
その後、岩を背にして右側にトラバースしながら、広めのルンゼが見えたらそこが取付き点。なんだかんだで時間がかかってしまった。

懸垂下降点のテラス

ロープを連結して準備

ここが懸垂ポイント、ちょっと頼りない

ここのルンゼの間を下降

まりが降りる

ルンゼを通過した後の下部は
かなりガレていて落石注意


下部まできたら右へトラバース

かなり古い缶ジュースが
あちらこちらに捨ててある

中央陵取付きに到着

後続もいなかったので落ち着いて休憩と準備をし、事前にジャンケンで決めた、まり&ヤマチーム、フジ&ナベチームでザイルを繋ぐ。
10:00クライムオン。中央陵は全部で3ピッチ。核心は初めの1P目である。
1P目、先行はまり&ヤマチームで、ヤマがリード。フジ&ナベチームはフジがリード。
とりあえず、直登で登るが、トポに書いてある5.6よりは難しい。5.7か8くらいはあるようにも感じる。どうもハーケンなどに影響されてルートを間違えたようだ。本来のルートはリッジを右上の方に登攀していくらしい。いずれにしても登り方は自由だ!フジもいるし直登の方が相応しい。気分も最高。快適なクライミングで雄叫びをあげる。
カムと、残置のプロテクションを利用しながら登り、適切な場所にピナクルで支点を作り1P目終了。フジ&ナベも続く。なんだかんだで、4人とも順調に登れた。ちなみに尾根下部はスラブで幅広の逆層なっており、中間部のフェイスにさしかかると若干難しくなる。そして、我々はハング下のかぶり気味のフェースのところで右へトラバース。そのままハングの右側を越えて登りきったところに左右スパッと切れ落ちたリッジがあり、我々は右側の壁にピナクルをうまく使い支点を構築した。支点場所はいろいろありそうで、カムを使って支点構築も出来る。

準備完了

右側の岸壁をクライムオン



本当は右上へ登るらしいのだが、
我々は直登した

普通に登れるまり

フジも続いてクライムオン

リッジに出て高度感も出てきた

ガンバ!


残置のハーケンとカムを使って
1P目の支点構築(フジ&ナベチーム)

2P目、痩せたリッジを進むと尾根は広くなりフェース手前のコルでピッチを切る。それぞれ、まりとナベがリード、ここのグレードはⅢくらいで、カムなどをうまく使えば快適に登れる。快適さゆえに登っていて楽しい。支点はカムで構築。

2P目



3P目、写真で見ると高度感はあるが、実際はそんなに感じなくグレードはこちらもⅢくらいで2P目と同様に快適なクライミングができるが、登山道から丸見えなので視線をものすごく感じる。プロテクションは残置のハーケンで取れる。登りきったところに唯一しっかりしたボルトの支点が構築されているが、その先も左右が切れ落ちているので、念のためさらに先のテラスにあるピナクルで支点をとる。
ちなみに3P目はかなりのフォトスポット。動画を見ればわかるが、2パーティーなら先行のパーティーが左のテラスに移動し、後続のリードアンドフォローの全体像を横から撮影できる。

3P目を登り終えたまり

2P目を終えたフジ&ワタ

3P目を横から撮影できる
かっこいい!

ワタもいい感じ!





しばらくテラスで休憩し、最後のおまけ。頂上岩壁第一岩稜へ。
ここは中央陵最終地点のすぐ隣、鳳岩手前から左についた踏み跡を辿って岩根に沿って行けば、取付きがある。
5.8だと思っていたが、ここのグレードもⅢくらい。先行のパーティーが終了し帰り際に教えてくれたが、下に5.8の壁があるらしい。後でトポを見返したらそうなってた。
ここは、ワタとまりがそれぞれリード。マリはリハビリと言いつつ問題なく登れているように見える。今度行こうとしている一ノ倉沢も大丈夫だろうと思った。
この岩も残置のプロテクションを使って登る。テラス正面の凹に取り付き途中から右上しリッジに乗ったところで左上、最後に階段状に入った横クラックをハイステップで乗っこす。
岩の間を先に進むと乾徳山山頂に到着!

鳳岩基部から頂上岩壁第一岩稜へトラバース

ここから旗立岩中央陵の全容が見える

クライムオン

ここの左側をハイステップで通過する

まり&ヤマも続く



登頂!

なんだかんだで、トレッキングとクライミングを楽しめ、満足感いっぱいであった。
そういえば、フジが中央陵でぼそっと言っていた、「みんな山を登らないのがもったいない」的な一言。同感だ。いろんな人に勧めたくなる。

帰りは登山道をそのまま下山、途中の鎖場の鎖が滑りロープより怖く感じる。今や岩を掴んで降りた方が安全だ。
フジが懸垂下降支点の上にぐらつく大きな危ない岩があったのを思い出し、今後事故がないようにと帰り際に落としていった。さすができる男である。他のブログでも危険だとを書かれていたが、これでもう大丈夫。
途中休憩しながらボルダリングごっこ!
そして、また鹿の家族に会う。仲が良さそうで何よりだ。手本にしたい。
16:00太平牧場に下山。
時間もないので、丸亀製麺で美味しいうどんを食べ、急遽車内で乾杯。
ノンアルで運転してくれた、フジ、まりにものすごく感謝。


フジが足元のぐらつく大きな岩を落とす

ボルダリングごっこ 休憩になってないw

下山!

今回3P+1Pと短いながらも、山を満喫できた。
山がもたらしてくれる登ることの楽しさ、癒される景色、仲間との触れ合い。
ずっと曇り気味の気分で、そこから抜け出せないでいたが、今回の山行でだいぶ晴れた気がする。やはり山は裏切らない、そして、人を元気にさせてくれる癒し薬だ。
芸人の東野幸治も登山で自分が変わったと言っていた。すごくわかるような気がする。
適度に山は行くべきだと実感した。

また山へ行きましょう!そして呑みましょう!!

お疲れ様でした!

P.S.
ナベは3P目をクライミング中にフジの「大胆に行こう!」という言葉が印象に残っているらしい。私も下山途中のフジとの会話で、「思い切って大きなムーブでいくと意外と行ける」という言葉が印象に残っている。経験から生まれる言葉には説得力がある。今後のクライミングに活かしていこうと思った。

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