Member :オビワン、フジ、とも、ヤマ、バード、ワタ、よっしー、ミゾ、まほ、たまき、こぐ、ごぼう、くま
Author :くま
山岳会として年に一度は受けて知識の再確認をしましょう、ということでハイカーレスキュー講習です。場所は青梅永山公園にて(広くていい公園でした)
講師は、例によってオビワンのご紹介で、都岳連の遭対の方お二人にきていただきました。
内容は盛り沢山だったため、全部網羅はできませんが、以下、私が「!」と思った備忘録を中心に記載していきます。
【ファーストエイドの定義と携行品について】
●携行品として追加すべき and/or あったらいいなと思ったもの
・穴をあけたボトルキャップ(傷口の洗浄用)
・三角巾
・サムスプリント(捻挫や骨折時に便利)
・ビニール手袋。感染症対策
サムスプリントだと靴の上から固定もできる |
●携行品の見直し
・山行の内容によって、見直すべき
・「Q. 一番使うもの、最低でもこれだけはといったら?」「A. テーピングテープ(38ミリ幅が使いやすい)。死に至るのは、呼吸困難か大出血。前者は道具不要。後者に有効なのがこれ。」
●個人装備?共同装備?
・答えはない。考え方次第。共同装備で軽量化か、全員がいざという時のために持っておく。どちらにも一理ある。
【アクシデントに遭遇したら】
ここで、実際にアクシデントに遭遇した、と想定したロールプレイ。
・まず状況確認。自分たちに危険はないか。自分たちで救助できるか。時間や天気も含めた確認を行う
・要救助者への声かけは、できるだけ正面から。動かさないように行う。そして、相手も不安なので、こちらも名乗る。手助けしていいですか、と同意を得る
・一次評価。命に関わるケガがあるか。大きな出血はすぐに止血処置を行う。
・二次評価。その他のケガがあるか。パット見わからないときもあるので、足から全身をさわって確認していく。
【出血コントロール】
・血液は2リットル流れると失血死すると言われる。100ccでも素人目には大量に見えるので、慌てない
・洗浄と圧迫。手袋をつけ、滅菌ガーゼ等で傷口を抑え圧迫して止血。心臓より上にする。5-7分程度が目安
【捻挫・骨折の処置】
・三角巾の使い方。八つ折りはよく使うので、すぐにできると便利
・骨折の場合は、動かないように固定、が基本。サムスプリントがあればいいが、なければポールや木の枝など、あるものをなんでも使う
・捻挫か骨折かわからない場合は、重症な方=骨折と判断して処置する
空気を封入するタイプのマットも使える |
三角巾で捻挫した足首の固定。後にシュミレーションで実践することに。 |
テーピングで固定。以前一度聞いたはずだったが、やはり記憶が曖昧だった。要反復練習 |
腕の固定には、三角巾がない場合、服の裾(正面)や、レジ袋(左側)を使ってもできる |
【搬送法】
・ドラック法。1人ないし2人で、要救助者を動かす
脇の下から手を差し込み、腕を握って引っ張る。足を組ませて、地面との摩擦をへらす |
・ヒューマンチェーン。4人くらいいると意外に楽にできる。小回りはきかせづらく、短距離・平坦路に限りそう
こうやって手をつないだ上に要救助者を乗せる |
ショルダーストラップを伸ばしでザックの背面側でポールを通し、そのポールに座ってもらう |
【ツェルト設営】
・意外にみんなやったことがない。暇があるときにやってみましょう
さながらツェルトの見本市で楽しかった |
【救助要請の方法】
・110 or 119か。まずは110と思って良い。所轄警察署がわかるならそれでも
・要請時にまず伝えることは、「山岳」遭難であること。
・連絡する=救助要請をする、ということ。アクシデントに遭遇した際は、相談したくなってしまうが、意味がない(ということを、後のシュミュレーションで痛感)
【シュミレーション】
・メンバーを2つにチームに分割。一方のチームに遭難者に遭遇した状況が与えられ、ここまでの知識を総動員しての対処を求められる。もう一方のチームは観察して、対応完了後にフィードバック
・講師の方が遭難者を装い迫真の演技!で、なかなかにリアル
・まずはやっぱり、判断が難しい。必ずこれ、といえるものがない。マニュアル的な対応ができないことを痛感
・それでも状況をすばやく・効率的に動かすためには、リーダーの指示が重要。各チーム2回、合計4回のシュミレーションの中で、リーダーが全員に役割を割り振っていくことで、的確で素早い対応ができるようになっていきました
要救助者の話を聞きながら、対処を判断するよっしーリーダー。ともさんの声がけが自然で光ってました |
まる1日でしたが、盛りだくさんの内容で途中でダレることもなく、非常に考えさせられたり、実際に体を動かすことで体に覚えさせられたりと、とても有効な講習だったと感じています。
特にシュミレーションでは、現場での判断の難しさ、を考えさせられました。また実際に人を担いだりもしたことで、現場での救助がいかに難しいか、を痛感。
事故現場で遭遇することはなかなかありませんが、いざ遭遇した時に、練習無しでは絶対に対処できないな、と思い。定期的に講習参加が必要だな、と感じさせられた1日でした。
そして、講師を務めてくださったお二人に、改めて御礼申し上げます。ありがとうございました!