阿弥陀北稜

2010-11-29

03_積雪期 i_八ヶ岳

Date : 2010/11/27-28
Member : すぐりん、もとき(記録)
Timeline : Day1 美濃戸口(10:20)—南沢ルート—行者小屋(13:20)
Day2 行者小屋(6:10)—北稜—阿弥陀岳(10:10)—行者小屋—美濃戸口(14:00)

冬期アルパインの第一弾として、すぐりんと阿弥陀北稜に行ってきました。話しに聞いた通りの初心者ルートで、楽しめました。





Day 1
初日はぽかぽか陽気のハイキング日和です。歩きの山行は2ヶ月ぶりなので、20キロのザックがめちゃめちゃ応えます。すぐりんは先週も雪山を歩いているので、元気いっぱいです。

行者小屋周辺の積雪は、5センチほど。テントを設営し、早速偵察に向かいました。中岳のコルへと続く、樹林帯の夏道を登ります。「たぶんこの辺かね」と北稜への乗り換え点の見当を付け、戻りました。

<行者小屋 大同心、小同心が見える>


<阿弥陀岳>

テント周辺では、ビーコン探査の練習です。すぐりんは、新調したピープスのトリプルアンテナの威力を確認し、ご満悦です。シングルとトリプルでは探索のスピードが全然違います。

すぐりんにビーコンを隠してもらい、僕も探索の練習をします。しかし、なかなか見つかりません。なんかいつもと違う、おかしい、とウロウロしていると、ビーコンは雪の下ではなく、樹の上に置いてありました。確かに、そういうこともあるのかもしれません…。

お次ぎは、アンザイレンの確認です。すぐりんが、どこかから仕入れた知識を教えてくれました。コンテの時、ロープ中間の余りを3巻きほどでピッケルに通し、ピッケルを持つ手でまとめて持つのだそうです。そうすると、パートナーが滑落した時にピッケルを雪面に刺せば、ロープがピッケルに絡んで、止めることができます。いわゆる東京コンテですが、とっさの時に、ピッケルを別の手で持っているループに通すのは難しいので、最初から通しておく、という方法です。若干ピッケルを持ちにくいのが難点ですが、慣れそうです。雪訓の時など、斜面で練習してみようと思います。

<こんな感じ>


Day 2
起床は4時半。のんびりして、6時に出発しました。この日はガスが濃く、暗~い雰囲気です。予報では上空は相当風が強く、風速15~20mはあるかも、とのことでした(けっこう楽しみ)。未明には降雪もあり、コンディションが良いとは言えません。

多小迷って上り下りしましたが、なんとか北稜に乗ることができました。

<夏道に別れを告げ、北稜へ>


<ヤブっていて歩きにくい>


<ジャンクションピーク?>

ヤブ尾根のラッセルを経て、稜線を進むと、核心部の岩場に到着です。「岳樺アルパインクラブ」のパーティが取り付こうとしています。一番手前のクラック沿いのみ、ペツルが打ってあるようです。岳樺さんのお気遣いで、岳樺隊は少し奥のルンゼ状、我々は手前クラックをいただくことになりました。

<核心部 最初の岩場>


<手前クラックから登る>

1P目は、もときがリードです。階段状の岩場を快適に登りますが、薄手の手袋一枚だと岩の冷たさに耐えられず、途中でオーバー手袋を付けました。2月の小同心ではオーバー手で掴めるホールドはほぼ皆無でしたが、今回は積もった雪を手で掻いてホールドを探す必要もあり、薄手の手袋だけではキツいようです。

そのまま、つるべですぐりんがリード。2度目の岩場手前でピッチを切ると思っていましたが、岩場を越え、ナイフリッジも過ぎたところまで行ったようです。ビレイヤーからは見えず、声も聞こえないので、ロープいっぱいで登り始めます。途中の岩尾根は簡単なので、ほとんどダッシュで登りました。

<2度目の岩場 フェース>

最後のフェースは、残置が少ないほかは、最初の岩場と変わらず簡単です(残置も、雪を掻いて探せばあるのかも知れません)。ナイフリッジは、リードで、もっと雪があったら恐いかも知れませんが、今回は普通に歩いて渡りました。その後は一般道と合流し、10分ほどで阿弥陀山頂に到着です。山頂は微風でした。

<ナイフリッジ>


<もっと面白い写真もありますが、載せられません>

下りは、中岳沢にしました。雪が少ないので雪崩にやられる心配はありませんが、シリセードをするとお尻が岩に当たり痛かったです。

<中岳沢 下降>

まとめ:北稜までのルートファインディングが、意外と分かりにくい(どこを登ってもいい)。夏道のトレースがなかったら、けっこう難しいと思います。今回は天気も悪かったので、例えばどこがジャンクションピークなのか、よく分かりませんでした。登攀自体は簡単でした。今度は雪がたっぷりある晴れた日に来たいです。

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