Member : カズ、組長、もとき(記録)
Timeline : 土樽駅(5:45) - 1230m付近雪壁(9:30) - 山頂(12:00) - 土樽駅(15:30)
2年前、時間切れで中退した足拍子岳南尾根に再チャレンジしてきました。前日から当日朝にかけて弱い雨が降り続くなどコンディションはよくありませんでしたが、なんとか登頂しました。
前夜のうちに土樽駅に入り、他の4人パーティとともに就寝。当日は4時起床。小雨が割としっかり降っていました。テンションはイマイチでしたが、雨が弱まるのを待って5時45分に出発。底雪崩や雪屁崩壊に厳重な警戒が必要と、気を引き締めます。4人パーティは遅れて出発するようでした。
取り付きは、橋を渡ってすぐ右手の尾根にしました。昨日のものと思われるトレースを辿ります。南尾根は下部で何本かに派生しているので、もう一本右からでも行けるようです。
【取り付き】 |
しばらくは樹林帯の急登です。雪屁に乗らないよう、注意しながら進みます。雪はベチャベチャで、手袋が濡れてしまい途中で代えました。8時過ぎには、雨は止みました。
9時半頃、問題の1230m付近雪壁に到着。右下の傾斜の急な部分が、全層雪崩を起こしています。二年前も前日に雨が降り、同じ箇所が雪崩れていました。当時は、雪崩跡すぐ左の傾斜が緩い部分を、ロープを出して登りました。
【右手下部に底雪崩の跡】 |
今回は、安全を考えて左手の樹林帯沿いを登る計画でしたが、雪面は大きく割れていて、かえって危険そうです。2年前登ったのと同じラインに付いたトレースを、一人ずつ辿ることにしました。最初にもときがそ~っと登ってみますが、斜面の傾斜は緩く、一応、安定している感じはありました。
さて、雪壁を越えてすぐ、要ロープの岩場のトラバースがある…はずだったんですが、今回は雪で埋まっていました。でも、雪??斜面は本来、すっぱり切れ落ちているはずです。よく見ると、雪は、岩にこびりついた雪屁でした。岩と雪の隙間から、空の光が見えています。そして、その雪屁の上にトレースが…。この時点で、トレースの主は初心者と分かりました。我々は、ロープを出して左手の谷に一旦下って、登り返しました。
ここからは傾斜のキツいヤセ尾根となり、右手の雪屁、左手への滑落に警戒しながら慎重に進みます。雪の状態が悪いので、雪屁が大きく崩壊する可能性などを考え、簡単な箇所でもロープを出し続けました。ビレイ用の支点は、しっかりした樹で取ることができます。ランナーは、灌木やスノーバーで取りました。
南峰で、女性2人パーティとすれ違いました。「足拍子に登ってきたんですね」と聞くと、「足拍子には行ってません。荒沢山です」との返事が。ここは足拍子です、と伝えると、二人は仰天。お口があんぐり空いていました。「なんか厳しいと思った〜」とのことでした。。
いよいよ本峰、ラストの雪壁です。手前の平坦な尾根でコンテに代えます。このとき、私の中では、「あのすっとぼけた女性たちが登れたんだから、当然行けるだろう」という安易な考えがあったことを認めざるをえません。行ってみると、ピークの雪は真ん中少し左で割れ、左手側が崩落していました。
右手に張り出した大きな雪屁と、左手に落ちた雪の間に、岩場と灌木が露出した道が見えています。「え゛え゛え゛~これすか~!?」と思いました。右手の雪面は、雪屁が崩壊する可能性を考えると登攀不可。左手の崩れた雪に負荷をかけないよう、露出した「道」を進むのは可、と思えました。灌木に支点を取りつつ、なんとかピークへ。写真だけ取って、即座に下山しました。
下山も、ロープを出し続けました。1月に行った安達太良山の小屋近くで、組長と真っ暗になるまで練習したスタンディングアックスビレイも活躍しました。やはり、パートナーと一緒に練習した技術は安心感があるし、使い甲斐がありますね(当たり前ですが)。
下山中は、そこら中の谷で全層雪崩の轟音が響いていました。
まとめ:
雪の状態が悪い中、リスクを最小限に抑えながら行動できたという点は、よかったと思います。ただ、山頂直下で引き返すという判断が正しかったのかもしれません。2年前は山岳ガイドさんによる「アルパイン講習」で、手取り足とりでしたが、当時と比べると成長したことは実感できました。いずれにせよ、来年2月に実施予定の荒沢〜足拍子縦走には、もう少し経験を積んで臨んだ方がよさそうです。
【左手樹林帯沿いの割れ目】 |
【二年前と同じラインで】 |
さて、雪壁を越えてすぐ、要ロープの岩場のトラバースがある…はずだったんですが、今回は雪で埋まっていました。でも、雪??斜面は本来、すっぱり切れ落ちているはずです。よく見ると、雪は、岩にこびりついた雪屁でした。岩と雪の隙間から、空の光が見えています。そして、その雪屁の上にトレースが…。この時点で、トレースの主は初心者と分かりました。我々は、ロープを出して左手の谷に一旦下って、登り返しました。
ここからは傾斜のキツいヤセ尾根となり、右手の雪屁、左手への滑落に警戒しながら慎重に進みます。雪の状態が悪いので、雪屁が大きく崩壊する可能性などを考え、簡単な箇所でもロープを出し続けました。ビレイ用の支点は、しっかりした樹で取ることができます。ランナーは、灌木やスノーバーで取りました。
南峰で、女性2人パーティとすれ違いました。「足拍子に登ってきたんですね」と聞くと、「足拍子には行ってません。荒沢山です」との返事が。ここは足拍子です、と伝えると、二人は仰天。お口があんぐり空いていました。「なんか厳しいと思った〜」とのことでした。。
【本峰へ】 |
いよいよ本峰、ラストの雪壁です。手前の平坦な尾根でコンテに代えます。このとき、私の中では、「あのすっとぼけた女性たちが登れたんだから、当然行けるだろう」という安易な考えがあったことを認めざるをえません。行ってみると、ピークの雪は真ん中少し左で割れ、左手側が崩落していました。
【ピークへの道!?】 |
【右手に張り出した雪屁】 |
右手に張り出した大きな雪屁と、左手に落ちた雪の間に、岩場と灌木が露出した道が見えています。「え゛え゛え゛~これすか~!?」と思いました。右手の雪面は、雪屁が崩壊する可能性を考えると登攀不可。左手の崩れた雪に負荷をかけないよう、露出した「道」を進むのは可、と思えました。灌木に支点を取りつつ、なんとかピークへ。写真だけ取って、即座に下山しました。
下山も、ロープを出し続けました。1月に行った安達太良山の小屋近くで、組長と真っ暗になるまで練習したスタンディングアックスビレイも活躍しました。やはり、パートナーと一緒に練習した技術は安心感があるし、使い甲斐がありますね(当たり前ですが)。
下山中は、そこら中の谷で全層雪崩の轟音が響いていました。
まとめ:
雪の状態が悪い中、リスクを最小限に抑えながら行動できたという点は、よかったと思います。ただ、山頂直下で引き返すという判断が正しかったのかもしれません。2年前は山岳ガイドさんによる「アルパイン講習」で、手取り足とりでしたが、当時と比べると成長したことは実感できました。いずれにせよ、来年2月に実施予定の荒沢〜足拍子縦走には、もう少し経験を積んで臨んだ方がよさそうです。