阿弥陀岳

2014-02-15

03_積雪期 i_八ヶ岳

Date : 2014/2/1
Member : まり
Timeline :美濃戸口5:30~8:40行者小屋10:00~11:00文三郎分岐~11:40中岳~12:45阿弥陀岳13:00~(中岳沢)~14:00行者小屋

八ヶ岳集中(会山行)の初日、阿弥陀岳に行ってきました。
もともとは、ちえ蔵さんと阿弥陀岳北稜から行く予定だったのですが、ちえ蔵さんの体調が芳しくないということで急遽中止。しかし、2月1日は天気がよい予報だったので、ここは一人でノーマルルートで行くことに。実はこれまで私はあえて一人で山に行くことはしておらず、途中でさみしくて泣いちゃうかも、と思っていましたが、そんなことは全くなく、気持ちのよい、楽しい時間となりました

前日、ちえ蔵さんやゆんに見送られながら、中山尾根組の組長、A子さんとともに東京を出発し、美濃戸山荘で仮眠。2千円出せば、お布団、暖房付きの部屋に泊まれるんですね。快適そのもの。熟睡でした。
朝、そそくさと準備をし、暗い中美濃戸口から林道を歩きます。途中通る車にヒッチハイクをしてみるものの、誰も止まってくれない。つれないです。何度この道を通ればいいんだろう、と思いながら、とぼとぼ歩きます。気がづけば日が出て、行者小屋。大同心、赤岳、すべてが見える絶好の天気です!!
大同心ばっちり
今日の寝床となるテントを設営。本日午後到着予定の後発隊への目印としてテントにピンクテープをつけます。
準備をし、いよいよ出発。中山尾根組を見送り、私は文三郎に向かいます。
A子さんの笑顔がまぶしい
さすが、赤岳に向かう道。トレースばっちり。いい天気に笑顔で歩きます。阿弥陀への分岐では、北稜に行く場合の道を確認。いつかのために。ずんずん高度を上げていきます。ふと、目の前に赤岳主稜のとりつきの大渋滞が現れました。他の友人と来ているあ~りさんが並んでいるのも見えます。すごい人気・・・山で渋滞って、なんなんだろう、って思いつつ、文三郎の分岐に到着

 
文三郎に向かう道。急は急だけど。
赤岳主稜のとりつき。渋滞

阿弥陀(奥)、中岳(手前)
文三郎の分岐
私は迷わず阿弥陀方面に足をすすめます。しかし、びっくりするくらい、だれも阿弥陀方面に向きを変えない。みんな赤岳に行くようです。ただ、本日のものと思われるトレース(1-2名位?)があり、安心感を得ます。途中風のないところで、休憩。雄大な景色を堪能。中山尾根方面もみますが、さすがにどこにいるのかよくわからない。。二人ともシェルの色が地味だったしなーとおもいつつ、中岳を越えます。
中山尾根組がどこかにいるはず

中岳から赤岳を振り返る
中岳沢コルまではすこし雪稜チック。こんな絶景のところに、私一人しかいない贅沢。楽しいな~と思いながら、コルに到着。
中岳からコルに下る道
コルから中岳を振り返る
 下りは中岳沢を使いたいのですが、何もトレースがない。。なぬっ。。下りはどうしようかな、と思いつつ、下りの時に考えることにして、いよいよピークに向かう急登に。遠くからみても急だったけど、近くでみても急。

阿弥陀岳への登り



近景

はしごは、半分出てましたが、鎖部分は雪に埋まっている。手掛かりにピッケルを使いながら慎重に登ります。そして、私はようやく気付くのです。ピッケルの柄は曲がっている方が絶対便利じゃないか!なぜ私はまっすぐな柄のピッケルを買っちゃったんだろうと後悔しつつ、トレースを使わせていただきながら、手足を使って登ります。あまりの急斜に途中で振りかえりながら、一体どうやって下るんだろう?!って思うものの、再び下るときに考えることにしてとりあえず登ります。ちなみに、途中でトレースを外れてみると埋まる埋まる。これはトレース様様です

この時期としてはめずらしい暑さ(たぶん0度前後)と風のない天気に、「あついー」と思いながら、
ふと視線を下に向けると阿弥陀北稜にもとりついているパーティが 2つほど見えました。
北稜にとりつくパーティ
そして、ついにピークに到着。
360度の絶景。権現方面のバックには南アルプスがうっすら見えます。
ちえ蔵さんから頂いたいちご大福を味わいます。いちごもあんこも美味い!そしてこの組み合わせを考えた人、天才です。差し入れてくれたちえ蔵さんにも感謝。

いちご大福と赤岳!
ピークで出会った人 画になるー
赤岳はやっぱり八ヶ岳の主稜というにふさわしい。でーん


権現方面。うしろにはうっすら南アルプス
ピークには、私のほかにもちょうど御小屋尾根から来たソロの2人の方もいらっしゃいました。しかも、なぜかみんな大きな一眼レフを持っている。阿弥陀ピークにいる3人全員が一眼レフをもっているというレアなシチュエーション。ちょっとした一眼レフあるある話をして盛り上がっりました。
この気持ちのよいピークを堪能したのち、いよいよ、下りです。みんなで下りましょう!という流れにはなったものの、なぜかなぜか「レディーファーストで」と言われます。。「え!!ここで使うフレーズじゃない」と思いつつも、素直に先頭を切る私。私がなにかここで起こしても目撃者がいるというのは、安心です。自分が怖いな、と思う斜面ではクライムダウンでゆっくり下ります。
レデイーファーストされる、、、

中岳沢のコルまでの下り
下の方に雪に埋まっている鎖と梯子が見える

 あっという間に中岳沢のコル。さて、分岐点です。沢を下るか、再度中岳を越えて文三郎の分岐まであがるか。
文三郎の方を見上げて、また登るのいやだなーと思っていたときに、一緒に下った中の一人(原村出身)が中岳沢から下ることに興味を持っていたので、ここは「一緒に行きましょう!」と巻きこみます。今日の雪の状況では雪崩も起きそうもないし、、ということで、最初の急斜面では尻すべり。速い!楽しい!さいこー!!

中岳沢を下る
 しかし、そんな楽しい時間は長くは続きません。斜度がゆるくなると、ひたすらラッセル。。しかも深い。腰までスポって埋まる。でも、私の魔のささやきで一緒に中岳沢を下ることになった原村出身の方がラッセルを引き受けてくださいました。ありがとうございます。ズボズボと埋まりながら作っていただいたトレースを私もなぜか埋まりながら追いかけ、ようやく通常のルートに復帰。「こんなことは普段しないから楽しかった」という社交辞令を頂き、あっという間に行者小屋に到着。

ラッセルをありがとうございました!!
しかし、あれ、あれ、、、
「仲間が待っているはずなんです~」という話をしていたのに、早朝にはったテント周辺には、頂のものと思われるテントが何もない。。え、もう14時なのに。。。AKKOさんからのメールをみてゆっくり到着する予定が分かり一安心。せっかくなので、原村の方と一緒に小屋でまったりとコーヒーを飲みながら待ちました。

説明を追加
初めての一人登山。出発時に中山尾根組に、阿弥陀方面から泣き声が聞こえたら”よしよし”って言ってね、と言ったことすら忘れて、天気と人に恵まれて楽しい時間になりました。
そして、バックパックを背負ってインドや東南アジアをふらふらしていた自分を思い出し、再びそんなことをしたくなってしまいました。

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