立場川本谷

2025-07-05

06_沢登り i_八ヶ岳

Date : 2025/07/05-06
Member : けいた、りょう
Author :りょう

入会初年度、雪山の青年小屋から権現岳に向かう途中で北側の厳つい見た目の谷がふと気になった。調べてみると立場川の支流でノロシバ沢というらしい。沢登りで登られているとか。

その頃、沢は数回行っただけで、沢登りがどんなものなのかのイメージもあまりなかったがなんとなく行ってみたくなった。

その雪山登山で一緒だったけいたとまずは本流の立場川本谷に行ってみようと話して2年半くらい、ついに立場川本谷を遡行してきた。



立場川本谷 遡行

立場川本谷は阿弥陀岳南稜のすぐ南を流れていて、阿弥陀岳から赤岳の稜線あたりが源頭。
沢登りルートとして見たことあるかはさておき、このエリアに行ったことがある人ならきっと上から目にしたことはあるはず。

火成岩の独特な雰囲気の中に色んな景色が次々現れる自然観察が捗りすぎな沢であった。そして、思っていたより難しいところもあって、やりがいもある沢だった。

1日目 (2025/07/05)

スタートは舟山十字路。
...のつもりだったが倒木で、1.5kmくらい余分に歩いて、入渓点までは林道歩き。


なんだか自分の行く山行はアプローチが長くなりがち

草が茂りつつある良い雰囲気の林道であった

入渓するとこれまで行ったことのある沢とは違った雰囲気にテンションが上がる。

側面には八ヶ岳や妙義で見るようなぽこぽこした壁

水は火山由来のせいか青みがかっていて綺麗

最初に出てきた難所は滝... ではなく堰堤。泊まり装備を背負ったままでは登れず空身で登って荷揚げ。荷物背負って登れる範囲を広げたい...

今まで登った堰堤の中でたぶん最難。最後のマントリングが足を切ってのえいやでちょいこわ

直後にもう一つ、さらに進むとまた一つ堰堤が出てきたが、今度はそんなに難しくなくて安心。
人工物とおさらばすると当分小難しいところもなく色んな景色を楽しみつつ進んで行った。


不思議なくらい丸みをおびた岩

赤い岩に青い水のコントラストが綺麗

苔むした厳つい側壁も良き

遡行していくと洞窟っぽくなった場所に出くわす。探検心をくすぐられて中を進んでみることに。


こんなの出てきたらくぐるしかない

くぐったあと何段か登っていくと...

最後はハング越え。事前調べでスリングアブミで抜けている記録を見ていたのでアブミを持ってきていたのだが、がっつり活躍してくれた。

スリングアブミだとつらそう

アブミから移る右側の岩がヌメヌメでいやらしかった

一仕事終わったら少し休んで遡行を再開。変わらず色んな見所があって退屈しない。

チャレンジすると楽しそうな小滝があったり

澄んだ青い水に癒されたり

ここは支流のガマ滝沢との出合い。支流への入渓難度が高そう (そういやノロシバ沢の出合いを探すの忘れてた...!)

赤茶けたナメ。地質の変化も楽しい沢だった (地質図と岩の写真を比べてみると楽しいが長くなるので割愛)

ガマ滝沢出合いを過ぎて少しすると、大ゴルジュの入り口。

踏み入れる前から奥はどうなっているんだろうとわくわく

奥に進んでいくと側壁の高さが高くなり、右壁が迫り来るような地形に。奥には6mくらいの滝があり、側壁の隙間から空が見える。ここに来ないと見られない景色に何分かは目を奪われていた。

右壁の威圧感

景色に圧倒された

奥の滝を登っている人もいるらしいが、プロテクションも取れず難しそうなので今回はパス。少し戻って右岸から高巻きした。踏み跡皆無の急斜面を登って2P懸垂するちょっと微妙な高巻きだった。

高巻き途中に見たゴルジュ。上から見てもかっこいい

懸垂1P目、久々の空中懸垂

懸垂2P目、足元が脆くて少し気を使った

沢床まで降りたがゴルジュはまだ続いていて、すぐに次の滝。滝の直登は避けて、また高巻いて懸垂の流れ。

次に現れた滝。今思うと流木を使って登った方が楽だったかも。左岸のスラブから高巻いたがボロ壁&ヌメりで悪かった (また空身登攀からの荷揚げ...)

そろそろお腹いっぱいだが、懸垂で降りるとまた小滝。今度は巻かずに流木を使って登った。

ヌメった木にトラウマがあるので馬乗りで進んだ。けいたは普通に歩いて登ってきた

これでゴルジュ区間は終了。良い景色が見れて大満足だったが、短い中で2回も高巻きと懸垂して別の意味でもお腹いっぱいになった。

そろそろ横になりたいところだが、平らなところがないのでもう少し進む。1日目最後の滝を左から巻いて、さらに進んだところでようやく幕営。

1日目最後の滝。草を鷲づかみにしながら左から巻いた

ようやく幕営。今回はツェルトをタープっぽく使用

幕営地に着く少し前から小雨が降り始め、焚き火はできず... 泊まり沢では着替えない派の自分は湿った服のままシュラフに入る羽目になったがぐっすり眠れた。

しとしと降る雨を見上げながら眠った

2日目 (2025/07/06)

翌日は快晴。もう難しいところはなく左俣から中岳のコルまで詰め上がった。

朝日に照らされた沢が心地よい

奥に見えるピークは中岳。いつもと違うアングルからの景色が新鮮

特に登攀とかはなく歩きの詰めだった

最後は少し藪漕ぎして中岳のコル付近の登山道に合流。藪漕ぎしている我らを休憩中の人たちが不思議そうに見ていた。

中岳のコルまであと少し

と思ったがハイマツ漕ぎのせいで近いようで遠かった

中岳のコルで装備をといて、一息ついたら阿弥陀岳の山頂へ。

居合わせたガイドさんが撮ってくれたツーショット

もう何度目か分からない阿弥陀の山頂でいつもの景色を眺めてまた一息。長い長い御小屋尾根から下山した。

山で景色を眺めて、気になった場所へまた行ってみる。徐々に行ける範囲が広がってきて、これまで以上にそんな楽しみ方が出来るようになってきているのを実感できた沢だった。


ご一緒してくれたけいたさん、ありがとうございました。いつかノロシバ沢もよろしくです!






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