白峰三山

2009-06-26

01_無雪期 j_南アルプス

Date : 2009/06/26-28Member : のり(CL)、いちこ(SL)、ちえ蔵
Timeline :
6/26 広河原-二俣-北岳肩ノ小屋
6/27 北岳-吊尾根分岐-北岳山荘-間ノ岳-農鳥小屋
6/28 西農鳥岳-農鳥岳-大門沢下降点-奈良田


1日目:6/26
集合場所が行き違う確認不足で広河原までのバスを見送るものの、タクシーでバスを抜き予定より早く登山道に到着。広河原山荘で準備をし、北岳肩ノ小屋を目指す。目の前は新緑の森でも沢筋には残雪がしっかり見える。残雪多いって聞いたけど、稜線はどうなのだろう。登りながら見覚えのある方が降りて来た。なんと、天狗岳の帰りに茅野駅まで送ってくれた気のいいガイドさんだった。その節は、お世話になりました。滝のように汗をかきながら二俣まであがり、分岐は右股コースのため雪渓は通らないのですが、いきなり雪渓もどきを横断。ないって聞いてたのに(T_T)でも、2箇所ぐらいだけで安心。左股はかなりの雪渓。直進した踏跡が下からでもよく見える。後は、ひたすら登る登る登る。お花がいっぱい咲いていて、キタダケソウへの期待も膨らみました。

肩ノ小屋へは17:30前に到着。さすが3000m。汗で体が一気に冷えてしまった。受付を兼ね小屋の主人に挨拶したところ、挨拶の仕方を間違えたのか大変な誤解をさせてしまい、手厚いサービスを受けることに。疲労と冷えた体に染み入るココアをいただきました。本当にありがとうございました!!この日は30名ぐらいが泊まっていたみたいですね。

1日目夕飯は、筍入りキーマカレー。登りの最後にはこれしか頭になかったのですが、さすがちえ蔵、これも絶品。なんて贅沢な山行なのかしら。ちょっと多めとのことでしたが、あまりのおいしさに平らげてしまいました。食べながらそろそろ夕日がきれい?とテントから出ると空が夕日に染まっていて、もぉーーー、感動で圧巻で(涙)。沈んじゃったね・・・とテントに戻り、明日の予定を確認して20:30頃就寝。2日目は農鳥小屋か大門沢小屋にするか、時間次第だけれどのんびり行こう。誰も高山病の症状なし。

2日目:6/27
4:00起床。でものんびり起きて2日目朝食ベーグルサンド。お湯を沸かしたりしなくて準備はすぐできる優れたメニュー。朝焼けも素晴らしかったです。すでに上り始めているパーティもあります。私たちは6:00前に小屋を出発。もう一度小屋の主人に挨拶をする。大変お世話になりました。本当に。

稜線を歩きながら、北岳バットレスを見下ろすと足がすくんでクラクラする。1日目登りながら見た雪壁はこれか・・・。聞いていた通り幸いなことに登山道には雪はなく、天気もよくて農鳥岳までよーく見える。今日中にあの先までは厳しいかな。行き先まで見える安心感に救われるものがある。北岳山荘を眼下に見ながら北岳山頂へ到着。いっぱいいますよ、北岳は人気なんですね。標高を修正した標識も笑いを誘う。お地蔵様に手を合わし、写真撮影しながらしばしのんびり。携帯カメラのマクロ設定を解除できない親子の会話に、ちょっと和む。彼らは前日、左股の雪渓を登ってきたそう、なぬ?

北岳山荘を目指し下りながら吊尾根分岐点にザックを下ろし、キタダケソウの群生地へ。戻ってくる人たちがたくさん咲いていたと教えてくれて、ますます期待が膨らむ。見つけました!いやー可憐に咲いていて、風に揺られる姿にノックアウト。八本歯のコル周辺は群生地だそうで、環境省の調査員が生育地を調べていた。分岐まで戻って休憩していたら、ガイドさん(とツアー客)にまた会う。結局、間ノ岳まで何度も会うわけですが。山荘へ向けて下りながら群生地#2への道を間違え、後からガイドさんが教えてくれた。ハイマツを無情にも踏みつけ軌道修正、ハイマツさんごめんね。キタダケソウは本当に北岳周辺でしか見られなく、山荘への下りであっけなく終わり。この2日間の暖かさで一気に満開になったそう。


150人収容できるだけあって北岳山荘は、大変りっぱでした。営業はしているものの整備に忙しくされている中、登山道情報の収集にも尽力いただいたり、またまたここでもお世話になる。中白根岳を経て間ノ岳へ。登りは荷物もありややきついものの、三人とも快調にすすむ。間ノ岳に着いた途端、睡魔に襲われ、一人落ちる。これは高山病の一種かしらね。この先は夏山でもないと行く人少ないとの通り、ぱったり人に会わなくなった。砕けた岩やら石やら足元が急に危なくなる。「ノウトリ」との案内がやたらと増え、あー近いのね。農鳥小屋に到着したが、しーーーん。私たちだけぽつんと、人けなし。すぐ受付に来るように言われていたが、どうしましょう。14:00を過ぎていたのでこの先に行くのを止め、仕方がないので広々としたテント場(実は、ヘリポートだった)を占領して幕営。間ノ岳を振り向くとすっかり雲の中。

すっかりくつろいでいたら、目の前から下ってくる人がいる。しかも犬を2頭連れてるし、オレンジのヘルメットにヘッドライトまでつけて。んん?????なんと、農鳥小屋の主人でした!あわてて挨拶して小屋の説明を受けると、天気崩れる予報だから小屋使っていいよと、開けてくれた。悪いなーと思いつつも出発4:00だしここでもお世話になるかと、2日目夕飯のマーボー春雨を食べた後、テント撤収して(早っ!)小屋へ。何とオリジナルブレンドの紅茶をごちそうになり、蘇生させた時の話を伺いながらただものではない主人にあっぱれ。「自分の好きなことやって人に迷惑かけちゃいけないよ。」忘れられない一言になりました。

3日目:6/28
3:00起床、4:00のNHK時報のピッピッピッ、ポーンに合わせ、日の出も近くヘッドライトがいるかいらないかぐらいの明るさの中、小屋を出発。天気が崩れるのは午後からだそう。もっちーに教えてもらったように西農鳥岳付近でご来光。やはり昨日に比べて雲が多く、東側から山肌を吹き上げる風もいやらしい。農鳥岳山頂でも風が強すぎてしのげる岩陰まで逃げるように下る。聞いてた通りに登山道に残雪あり、シャーベットでは冬用アイゼンでも心もとなく滑る。いちこ先頭に3箇所ほど残雪をトラバース。雲海にぽっかり浮かんだ富士山と周辺の山々の景色に再びノックアウト。ちえ蔵が「富士山は登るより見る方が美しい」と、同感。ただ、二人はまだ登ったことはないんですけどね。



アイゼン脱着繰り返したらからか、予定より1H以上過ぎて大門沢下降点へ到着。立派な標識だが、慰霊碑でもあった。ここからがまた、長ーい下り。沢をよぎるためここでもアイゼン着けて登山道無視して沢筋を下り、ようやく森林の中へ。ここで気を抜いたら甘かった。心もとない丸太橋や四つん這いで渡る橋も登場。アドベンチャー気分満点。やっと大門沢小屋に到着。湧き水が冷たくておいしかった。
まだまだ続く下りだが、疲れも出てきてバランスを崩し、転んだ上、額を軸に一回転。何だか意地になってひたすら下ったと思う。3つ目のつり橋はしっかりしていて、建造物が見えてきた。やっと登山口に下りたが、バス停までまた下る。もういいってば・・・。最後には疲れで怒りに変わってしまった。予定のバスは見送ったけれど、次のバスまで時間があるのでいちこがお砂糖をたっぷりいれた紅茶を淹れてくれた。とてもおいしかったよ、ありがとう。

身延駅まで独占したバスの運転手さんが、新宿までの高速バスをすすめてくれてそれで帰ることに。ここでもまたまたバス会社さんにお世話になってしまいました。見送りつきで出たバスは高速道路の渋滞に残念ながらつかまり、新宿へ21:30頃到着。それぞれが帰宅の途へ。3日間、長い山行、お疲れ様でした!
(のり)

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