湯檜曽川本谷

2013-09-28

06_沢登り d_上信越

Date : 2013/09/28-29
Member : テトラオドン、ちえ蔵、組長
Timeline :28日土合橋P0818~0918JR見張り小屋~0953武能沢1031~1036湯檜曽川入渓~1126うなぎ淵~1157十字峡~1307七つ小屋沢出合~1502大滝~1555二俣幕営地
29日二俣幕営地0726~0938朝日岳直下登山道~1138笠が岳~1228白毛門~1442土合橋P


今年の沢登りの集大成として、谷川の沢の代表、湯檜曽川本谷を遡行してきました。少し寒かったですが、今までの沢人生の中で最も美しい沢でした。



今年のシーズン初めから狙っていた沢の一つがこの湯檜曽川本谷。いや今年のというよりも、沢登りを始めた頃からやっぱり一度は行ってみたい超メジャー沢。沢のガイド本で絶対といっていいほど、巻頭グラビアを飾るルート。行っちゃいました、ついに。

前日は道の駅水上で車中泊。今年水上に来たのは何回目だろう。何となく手帳をめくったら、なんと7回目。1月谷川雪訓に始まった水上詣では素晴らしい思い出ばかり。まだまだ年内に何回かきそうですが・・・。

それよりも今回行く前に気になったのが、この前の連休の台風の影響。たまたまテレビニュースの台風中継で水上の湯檜曽川に中継が飛んで、絶叫系のリポーターが旅館のおやじと濁流の湯檜曽川を覗き込んで何やら必死で叫んでいた。旅館のおやじによると、こんな濁流はワシがここにきてから初めて、、とかなんとか。おやじの人生なんて自然の長い歩みに比べたらほんのちっぽけな時間にすぎないけど、まあそんなことはいいとして、だいぶ沢が荒れていやしないかと心配だった。

翌日、白毛門の駐車場に車を停め、土合橋を渡ってすぐ右の林道を歩きだす。林道終点までは車で行けるがそこそこ悪路なので、普通車は厳しめ。林道終点駐車スペースは広い。

本谷の音を聞きながら、右岸の登山道をしばらく歩く。各沢の道標を見送り、JR見張り小屋を過ぎ、武能沢の道標まで。道はしっかりしているが、少々長く感じる。
入渓は武能沢の下降点から。2,3分で本谷に合流できる。
最近のガイド本には、武能沢を渡って5分ほどの踏み跡をたどり、魚留め滝を過ぎた河原から入渓することを勧めているようだが、遡行してみての感想としては、魚留めの滝とその先に続くゴルジュ帯の渓相は素晴らしく、特に困難な所もないため、よほど時間が切羽詰まっていない限り、魚留め滝から入渓した方が絶対楽しいと思う。
魚留の滝手前の右岸スダレ状滝

魚留め滝とその先のゴルジュは、右岸を時折ボルダリングしながら越えていく。ちえ蔵さんは今回もフェルトソール。湯檜曽川もまたフェルトは分が悪い。注文したアクアステルスが今回の遡行に間に合わなかったらしい。御苦労さんです。

入渓してまずびっくりするのは水の青さ。水が青すぎるのだ。そして、空の青さ。空もまた青すぎるのだ。岩の白さとのコントラストで目がチカチカする。
魚留め滝
スローパーばかり・・・何級???

右岸を快適に歩く

魚留め滝とその先の美しいゴルジュ帯を越えると、広い河原に出る。右岸にはテープのついた木がある。たぶん、巻き道から来た場合の入渓点だろう。ここから入った人は、目の前の穏やかな水流がこの先に遭遇する険しくも美しい渓相を知らない。

やがて青い水流をひヒタヒタたたえるナメを過ぎると、深く青い釜を持った2m滝。何となく泳ぐ気でいた僕は、左から壁をへつりながら泳ぐ。いかんせん、死ぬほど寒い。全身がしびれるほど寒い。吠えながら泳ぎ渡ると、皆さん、左岸の岩伝いに上手く巻いてました。なんだよ、おれだけかよ。。ちょっとムカついた。泳いでる時に急に噴出したアドレナリンも、濡れた体を容赦なく冷やす風とともに急激に失われ、上がった後はテンションがガタ落ち。今日はもう濡れまい!!と心に誓う。
週始めに本州をかすめた台風のあと、東京でも急激に気温が下がった。ここ上越でも然り。こんな寒い日に沢登りなんてよく行くね、沢をやっていない人はそういうはずだ。
本物の沢ヤはこんな寒さなんてへっちゃらさ!!!
・・・なんてのはウソ。超寒いです。天気はもう最高にいいのですが、いかんせん気温が低く、なぜか少々風がある。浸かる系の沢はもうお終いですかね・・・。冬にも丹沢あたりを遡行している人もいるそうですが・・・ないな、自分は。。
深い釜の2m
寒すぎ・・・そして泳ぎ損。。

左岸から歩いて突破できます。舌打ちしながら見る僕。

急激に落ち込んだテンションのまま有名な観光スポットのうなぎ淵へ。綺麗な廊下に水がとうとうと流れている。盛夏なら100%泳ぎ・・・。ただ今日は・・・。
それでもここを泳いで突破したいという思いもあったため、何度か気持ちに喝をいれようとしたが、身体の方がよしましょうよ、といってくる。うん、よしましょう、巻きましょう。。
巻くと言っても、すぐ右の左岸をとことこ歩くだけ。
うなぎ淵
左岸を巻く

淵を過ぎると、沢は直角に左に曲がる。屈曲部の5m滝を左の簡単な所から登ると、正面に3段30mの大ナメ滝。そして、その先には抱き返り沢の50m大滝が垣間見える。いよいよハイライトの十字峡だ。大ナメ滝は左右どちらからでもテキトーに登れる。上段が少しひょんぐっていて、水流が空中に投げだされている。
3段30m大ナメ滝
ヒョングリ~

そして、正面にスダレ状の抱き返り沢の大滝を仰ぎ、右手に大倉沢の6m滝を見ると、そこが有名な十字峡。本谷は直角に左に屈曲し、3本の沢が十字に交差している。沢本で必ずと言っていいほど紹介される景色。うーん、ついに来たねえ。。感慨深い。白い岩の上でしばし日向ぼっこ。憎たらしい風が相変わらず濡れた体に追い打ちをかける。
正面に抱き返り沢大滝50m

抱き返り沢50m大滝。登りたい!!

この先の本谷はまたゴルジュ。しばしで、またまた腰まではつかりそうな8m滝。意を決して水に入ると、右岸のツルツル側壁をうまいことへつれ、あまり濡れずに突破できた。

濡れたくないよぅ

再び沢が右に屈曲する地点で、抱き返り滝2段20mが豪快な水流を落とす。
抜けるように青い空と真珠のような飛沫のコントラストがたまらなく美しい。
下段は左壁を簡単に登れる。上段は、最初少し傾斜があるものの、ガバガバで問題ない。上部はスラブで少々スリッピーだが、それほど難しくはない。ただ、高さがあるので初心者がいる時は要ロープかな。フェルトのちえ蔵さんは少々滑っていた。
抱き返り滝

抱き返り滝

上部スラブ

抱き返り滝を越えた後の渓相はまさに天国。自然の仕掛けた完璧な造形は、どこの著名演出家でも真似できない。

なぜそうなった・・・笑

空は相変わらずどこまでも青く、水もまたどこまでも青く、僕らの唇はいつまでも青いのだった・・・。

こう思った。空はもはや「青」という抽象概念ではなく、まさに「空の色」なのだ。イデアとしての「青」なのだ。水もまた「エメラルドグリーン」ではなくて・・・・って自分が何言ってるかだんだん分からなくなってきた笑。芸術の秋ですな・・・。
ゴキゲンの僕の頭の中には、なぜかアリシア・キーズの「ノーワン」が流れつづけていた。この前の北岳バットレスではなぜか「AKBフェスティバル」が流れつづけ、全くもって参ってしまった。別にアリシア・キーズが好きなわけじゃないけど、AKBよりはまだましだった・・・。山を楽しく登っている時って、いやむしろ、楽しくなくてキツイときなんか特に、思ってもみなかった音楽が頭の中で流れたりしませんかー???僕だけ???何かこの手の話は「運命を分けたザイル」っていう映画でもあったな。。ま、状況が違いすぎるけどね。

それはさておき、ここらで右岸に雪のブロック。しかし、沢にかかっているわけではなく、全く問題なし。雪渓の影響がないという意味では今の季節が遡行適期だろう。

次に現れる3条10m滝は、滝の左のチムニーを登る。簡単。
3条10m滝

行く手には、七つ小屋沢の出合い。ぱっと見では少々分かりづらい地形。本谷の方が沢床が高く、何も考えずに歩いていると七つ小屋沢の方に入ってしまう。ただ、当然4m滝を落としている本谷の方が水量が多い。この二つの沢は増水時に分岐の少し先で合流するみたいだった。地形的に面白い。
七つ小屋沢出合い。右が本谷。

相変わらず美しい釜をもった美しい小滝をいくつか越すと、8m直瀑。水流直登は無理なので、左の三角のカンテを登って最後は灌木帯を抜ける。灌木帯には踏み跡もある。
左の三角のカンテから

やがて現れる2段の滝。前衛3mを簡単に登ると、10m幅広滝だ。
ガイドブックでは、水流右から取り付き、水流をもろに浴びながら左上するバンドを上がって、最後は左壁を登るのが最も簡単とある。まあそうだろう。でももろに水を浴びる。今の季節、今日の寒さでこのずぶぬれ必至の夏休み向けルートはさすがに気が引ける。登っている最中はともかく、登った後にもう帰りたくなるほど寒くなるのは目に見えている。今日の僕は、もう濡れまいと心に誓ったのだ。。
10m幅広滝

左壁に目をやる。ここも下部は難しそう。何より取り付きまでは泳ぎだ。左岸に目をやる。巻くなら、急な泥ルンゼを上がり、上部の急な草付き斜面を左にトラバースするのだろうか。ただかなり危険。
ということで、ガイドブックに「きわどい登攀を強いられる」とか「手強い」と書かれている右壁を登ることにする。
途中に残置スリングが3つ垂れている。ぬめりもあるが、見た感じ難しそうには見えない。
ここは一応ロープを出す。残置でランニングは取れるが、どれも年代物ばかりで落ちたら当然抜けるだろうし、A0さえも心配な感じだ。ともかくも慎重に登り、フリーで突破した。ひどく悪いわけではない。上部は少しシャワーを浴びるが斜上バンドでずぶぬれになるよりはマシ。Ⅳくらい。
滝上には、これまた年代物のビレイに耐えられないビレイ点、笑。ピトンにかかる残置スリングをひっぱったら、ピトンがあえなく抜けた。
新たにピトンを打ち(回収済み)、ナッツを決めてビレイ点を作った。効き方向は悪いがリスはある。ちえ蔵さんはA0混じり。それでいいんです。落ちないことが一番。水しぶきを浴びながらのビレイで冷えまくっていたテトラオドンさんも難なくフリーで突破。ビレイ、御苦労様でした。
翌日、稜線で会った後続Pのおっさんは、ここの左岸を高巻いたらしいが、やっぱり相当デンジャラスだったらしい。右壁に自信がないパーティーはずぶぬれ覚悟で雨具着て斜上バンドを登った方がいい。斜上バンドを上がる「一般」ルートの上に残置ビレイ点があるかは確認しなかったが、最近は多くの人がこっちから登るだろうから、なんかしらあるはずです。

上部はシャワーを浴びる

続いて現れる2段12m滝は、これまでの岩質・渓相とまた違った趣。丸い釜に落ちる水流は羽衣のように美しい。天国に近い場所。みたいな。書いたそばから恥ずかしくなったけど、とにかく綺麗ってこと。
2段12m滝

下段は左壁を濡れないようにへつって越す。上段は、右壁を登る。少々細かく脆いため、少し緊張するが難しくはない。Ⅲ+。一応お助けロープを垂らしたが、そんなものは使わずに皆さん難なく突破。

上段右壁。デリケートな岩を攀じる。

溺れている人を見て楽しむ人

続く小滝でちえ蔵さんのドボンをはさみながらも、ついに2段40m大滝の登場。
荒々しくせり出す岩壁を優しく撫でるような水流が飛沫をあげる。
ここの登り方??も何となく頭の隅にあるが、そんな情報は抜きにして、とりあえずどこを登ろうかと考えてみる。ひとまず下段は水流の中を簡単に登れる。そうすると、左のスダレ状の水流に残置スリングがいくつか見える。ガイドブックではここを登り、上部草付きの踏み跡を落ち口までトラバースするらしい。ちえ蔵さんはそこから登った。踏み跡明瞭で難しくないそうだ。
自分は何となく水流に寄ったラインに目がいく癖がある。水流すぐ左のスラブを直登し、濡れた岩と乾いた岩の境界ラインを落ち口までトラバースしていくことにした。
最初のスラブ直登部分が結構悪い。アクアステルスのフリクションを最大限に活かしてのスメアリングとわずかなエッジにカチって、最後はマントルを返す。2,3歩だけだけど、ちょっと難しいです。Ⅴ-。落ち口までのトラバースはⅢ+くらいで簡単。
40m大滝

青がガイドブックのルート、赤が登ったルート。ま、どこでも好きなとこ登っちゃって。右壁は手ごわいぞー
2,3歩が難しい

大滝上部。先にちえ蔵さん。

大滝を過ぎると、送電線巡視路のトラロープが沢を横切る。ここからのエスケープも可能だ。
ここから先の連瀑帯の渓相もまた素晴らしい。美しいナメと滝が続く。10mほどの滝も続き、丹沢やら奥多摩なら名瀑として名前がつくほどの滝が惜しげもなく登場する。幅広10m滝は、右の踏み跡を小さく巻く。
10m滝。左の壁も検討したが、完全に岩登りの世界。

ナメが続く

連瀑帯を過ぎ、しばらく平凡な流れを歩くと、幕営適地の二俣。結構前から煙の臭いがしていたが、先客の大学生3人組が焚き火を囲んでハイテンションのひと時を過ごしていた。「幸せってこういうことを言うのかなー」と大学生は言っていた。なんか羨ましいかった。
二俣

二俣は、思っていたよりも広い河原ではなかったが、右岸にテント3~4張り、手前の左岸に2張りほどの広さのしっかり整地されたスペースがある。薪には事欠かない。

ここに着いた時点で16時前。もう少しゆっくりできる時間に着きたかった。濡れた薪にはなかなか点火しない。まあ取りあえずビール、と、やってしまった後は、なんかもうすっかり面倒くさくなってしまい、さらにちえ蔵さんが作ってくれた酒のつまみと夕食が登場してしまって、もうすっかりゴキゲンで、ピンク色に輝く空を愛でながら、ただの酔っ払いとなる。。

相変わらず沢筋には風が通り、ちえ蔵さんは寒くて震えていた。頑張って焚き火つけてあげればよかったと、今になって後悔している。

日もすっかり落ち、寒くなってきたので、暖かいテント内で焼酎を飲む。酔っ払いは、ちえ蔵さんに抱きつきひんしゅくを買う。言いたいこといっぱい言った無礼講の秋の夜長だった・・・。
空を見上げれば満点の星空。オリオンも輝いていた。オリオンには個人的にロマンチックな思い出がある。それが何かは言うつもりはない。キャラが崩れるからね笑。


翌朝。
朝靄が立ち込めている。空気は相変わらずひんやりと冷たい。泊り沢の朝一の核心は濡れた沢装備に身を包むこと。ひんやり冷たいネオプレンはなんとも不快だ・・・。
先に出発した陽気な大学生たちは左俣に入った。我々は右俣。朝に生み出されたばかりの新鮮な空気をたっぷり吸いこんで、しばらく緩やかな流れを遡行する。次第に簡単な小滝がいくつか現れ、眩しい朝日を真正面に受けるようになると、目指す稜線が見えた。少々遠く感じる。やがて左手に岩峰群が現れ、朝靄はすっかりとれて、また抜けるような青い空が広がった。
簡単なトイ状の滝がいくつか現れる。次第に両岸が急な草付き斜面となり、顕著なV字渓となる。源頭の雰囲気も出てきて、何だか気分がいい。眼下には馬蹄形の稜線と湯沢の町並みが広がる。
途中、顕著な二俣が2つ。沢形に忠実に。基本的に水流の多い方or右俣だ。迷うことはないだろう。
稜線

まぶしー

藪こぎあります。。

水流が小さくなる地点でしっかり水を飲む。ここから稜線登山道までは藪こぎ。あまりひどい藪こぎはないと思っていたが、多少の藪こぎはあった。時折背丈を越える。沢形というか踏み跡は明瞭だが、上部で少し朝日岳の頂上よりに近づきすぎたかもしれない。思ったよりも右側、宝川への登山道よりも20mほど頂上よりの登山道に出た。のどかなところだった。遠くに越後や尾瀬の山々が見渡せる。
日本アルプスでは普段偉そうにあの山は何だとかぬかしている僕も、ここら辺の山はあまり詳しくない。地図を見て一生懸命山座同定。どれも奥深く魅力的な山ばかりだった。4,5分で朝日岳頂上。ここに来たのは初めて。眺めが非常に良く、素晴らしい山だと思った。ハイカーも多い。一人で静かに縦走するのもいいなと思った。もっとジジイになってからね。
もう少しで登山道


池塘の点在する朝日ヶ原。優しい場所だった。

ここから白毛門まで色づき始めた稜線を散歩する。渓中は寒かったが、さすがに強い日差しを浴びる稜線はまだまだ暑く、時折吹く涼しい秋風に癒される。昨日はあれほど憎たらしかった風だけど。。
今日はとにかく見通しが良かった。富士山まで見えた。
笠ヶ岳までの稜線。右奥が谷川岳。

途中の稜線上でウツボギ沢を詰めてきた沢ヤが現れた。稜線に上がった途端。プシュッと一杯やっていた。ウツボギは中止となったものの宴会山行で計画した沢。まだ長い下山を前に早速一杯やっているのはどうかと思うが、そんぐらいのテンションで臨むのにちょうどいい沢かもしれない。薄汚いおじさん達はたいそう楽しそうだった・・・笑。下山、気をつけてね。
どう見ても人の横顔!!!

笠ヶ岳や白毛門のピークでゆっくり休む。
白毛門から土合橋までは相変わらず少々だるい。ちえ蔵さんも少々お疲れなご様子。


無事、白毛門の駐車場まで下山し、最近定番となりつつある某温泉ホテルへへ。綺麗で人も少ないので超お気に入り。おまけにロビーにウェルカムスープが用意されており、僕らはロビーの椅子に堂々と座ってウェルカムスープをおいしく頂いてからサヨナラする。なんともシュール!!
風呂入った後は、これまた定番化しつつある育風堂のカツを食べる。頬がおちる。うますぎるぜ。

秋の行楽シーズンの関越は、見なかったことにしたいほどの渋滞の長さを掲示していたが、思ったよりはスムーズに帰れた。


今年の沢はこれで11本目。
今回は気温が少々低かったというのもあるが、さすがにどっぷり浸かる系の沢はこれからの季節厳しい。
そんなことはさておき、湯檜曽川本谷は今までの沢人生の中でベストの素晴らしい沢だった。
湯檜曽は誰もが素晴らしいというかもしれない。でもやっぱり自分もそう言ってしまう。今年の集大成の沢として、さらには丹沢の葛葉川本谷から始まった自分の沢ライフの一つの区切りとして、まさにふさわしい沢だった。期待度が高ければ高いほど、ハードルが上がって実際の満足感は低くなることが多い。だから、期待度を下げてことに臨むのが沢に限らず自分のやり方。
今回の湯檜曽は否応なく期待度が上がってしまってはいたが、上がったハードルをあっさり越えた。期待を裏切らない、いや期待以上。
あえていえば、水量豊富で綺麗な泳ぎたくなる釜が多いこの沢は、やはり飛び込みたくなるほど暑い時期に来るのがベストだろう。今回はちょっと寒かった。アングロサクソンの血が流れ、体温高めの僕にもちょっと寒かった。うそです。胴長短足一重まぶた、純血ニッポン人です。体温高いのは本当だけど。

一般的に湯檜曽は3級中級の沢といわれる。自分たちの実力は良く分からないが、さして困難な所はない。わざわざ好き好んで困難な所を登った感は多少あるが、一番簡単な所を登れば、ある程度沢をやった人なら十分に遡行を楽しめると思う。
心配していた台風の影響もほとんど気にならなかった。一部、草や灌木がなぎ倒され、増水時の凄まじさを想像したが、あの程度の台風は湯檜曽川には想定内なのだろう。

今年の沢も終わりかなぁ。今年は上越の素晴らしい沢にたくさん行けた。黄蓮谷は残念だったが、来年行こう。もっと難しい沢にも行きたい。危険は嫌いだが、困難は好きだ。もっと奥深い沢に行きたい。自然と溶け込む様な一体感を味わえる沢に。奥利根などの大渓谷にも行ってみたいな。
テトラオドンさん、ちえ蔵さん、また宜しくお願いします。

(組長)

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