Date : 2014/10/30
Member : ちえ蔵、組長
Timeline :中央稜取付き0930頃~1430頃終了点


素晴らしい天気の中、快適なマルチピッチクライミングを楽しんできました。


今日は貴重な平日休み。
沢も一段落ついたし、自分の中ではクライミングのシーズンイン。
随分下手くそになったから(もとから下手か・・・)、まずは簡単なところからペースをつかんでいこう。しかもせっかくの平日なんで、なるべく土日に行きたくない人気ルートへ・・・。

ってことで、ここ二子山中央稜。秋の週末は順番待ち必至の人気ルートです。
二子山西岳。一番高ところに右上するリッジが中央稜。

今日もいつも変わらずの睡眠不足。
みんなが会社に向かう中、僕らは大きな岩に向かいます。
ちょっと前までは、平日休みがざらにあって、特に変哲もなかったけど、こうやって平日休みが普通じゃなくなると、平日休みの素晴らしさが身にしみる。
この時間いつもはぎゅうぎゅうの満員電車の中・・・。お疲れさん、サラリーマン!

二子山は2回目だけど相変わらず結構遠い。関越下りてからが結構長い。
秩父の田舎道をくねくね行って、民宿脇から股峠に向かう道路に入る。

駐車場には、既に3台の車が・・・。早いなーみんな。
まあこの早さは山ヤでしょう。フリークライマーはこんな早く活動開始しません。たぶん・・・。
山ヤってことは中央稜かな・・・。
おはよう、二子

股峠から中央稜の取り付きに向かう。
祠エリアを仰ぎ、斜面をトラバースしていくと、ローソク岩の道標がでできた。ここまで行くとどうやら行きすぎらしい。途中で右に上がる踏み跡をたどるのが正解らしいが、まあ適当なところから右にいけば、着く。

取り付きには、有名な防火用の赤いドラム缶がある。
そして、石のプレートと花束が。。
つい最近、7月の終わり頃に、中央稜で死亡事故が起きた。下降中の事故らしい。下降中の事故は本当に多い。昨年の小川山のセレクションの事故も下降中の事故だった。原因はさまざまだけど、本当に注意しないと。

ミスして落ちたら死ぬ。そんなこと常識で考えればわかる。でもそういうことが本当に腹落ちしているか。肌感覚として感じられているか。それが大事なことだと思う。


取付きから上を見上げると、先行Pがいる。
大宮の山岳会で2P5人。初めてのマルチの人やリード練習の人がいたりして、のんびり(いや、初めての人にとっては超真剣に)やっています。
まあいい、今日はこれ一本を楽しむつもりでこちらものんびりやろう。
平日という心のゆとりと快晴無風、爽やかな気候にすっかり上機嫌の僕は、少しもイライラしません。

1P目 Ⅳ+
久しぶりの紐を二つつけてテイクオフ!
カムもジャラジャラといっぱい付けているので、なんだか鬱陶しい。
石灰岩の岩場は初めてなのと、朝一なので、さすがに少し緊張します。といっても、Ⅳ程度なのでガバばかりです。見たこともないようなぶっといピトンがぶっ刺さっています。でも基本的にその子らは使わずにカム決めて登ります。こっちのほうが安全だもんね。
クラックやポッケは多く、プロテクションは取りやすいです。
最後のフレークで豪快に右トラバースしてピナクルテラスへ。
僕んちくらい広さのある快適なテラスです。私ごとですが、最近引越し先を探してます。
日当たり良好、展望良しの角部屋。なかなかいいね。
でも毎朝出勤時に懸垂下降しなくちゃいけないのと、帰宅時にⅣ級のクライミングをしなくちゃいけないのは、ちょっと面倒だな。
1P目
 ちえ蔵さんも初めての石灰岩に少し戸惑いながら、難なく登ってきます。さすがしっかりジムで登り込んでいるだけあります。
ピナクルテラスにはまだ先行パーティーがいました。おばさんがちょっと苦戦しているようです。
それにしても気持ちがいい。目の前には両神山の荒々しい岩稜が広がっています。天気もいい、暑くもなく寒くもなく、風もなく。とりとめもない話をしながら、のんびり過ごします。

2P目 Ⅴ-
ボルトの打ってある、左のリッジを登ります。
一見ホールドは乏しそうですが、行ってみるとしっかりとガバがあります。
しかもボルト間隔も近い。最後は右に抜けるほうが簡単だったそうですが、直上気味に登りました。ホールドは乏しく少し厳しめです。
ちえ蔵さんも少し迷ってましたが、すぐに右にトラバースしてクリア。
高度感も出てきて、大きな岩を攀じる醍醐味が味わえます。
終了点は先ほどよりは狭く、2人か3人でいっぱいになります。ビレイ点は二つありました。
2P目を行く先行Pのおじさん

2P目。下がピナクルテラス。
3P目 Ⅴ+
少し広めのクラックを登っていきます。二つのクラックの合流点付近がいわゆる核心になります。
目の前のおばさんがダイナミックにフォールしていました。ガンバ、おばさん。おばさん、泣きそうになりながら這い上がっていきました。

少し待ってから登り始めます。最初は簡単なクラック。カムも決めやすい。核心と言われるところには目の前に立派なボルトが打ってあり、アルパイン的な厳しさはありません。
ただ、思っていたよりは難しく、少し時間をかけました。
人間が小さい僕は、落ちることの怖さよりも、落ちてしまったあと襲われるであろう敗北感のほうが怖い・・・。
まあ落ちないでしょうが、慎重にムーブを決めてから登ります。
目の前にカムをとってから縦ホールドにしっかりレイバックを決めて、2,3手行くとガバがありました。あとは快適なⅣのクライミングを経て、大テラスへ。「Go to Yosemite!!」と意味のわからないことを叫びながら、ハイテンションなクライミング。楽しいなぁ、気持ちいいなぁ。

3P目はロープスケールで40m弱。最大瞬間風速で5.8くらいでしょうか。
あるガイドさんが、二子山中央稜を紹介する中で、ここからが「岩登り」ではなく「クライミング」の始まり、体の「振り」を活かしてグイグイ登ろう、と、おっしゃってました。
なんだ、日本語を英語にしただけじゃないか?まあその通りなんですが、クライマーであればニュアンスは伝わるはずです。

岩登りは三点支持が基本といいます。これは全くその通りで、ホールドが剥がれたり、スタンスが崩壊してもなんとかすぐには落ちないような体勢を作りながら登るのが岩登りには必要です。僕も、沢では基本的にそういうことを意識しています。だから、ムーブ自体はカッコよくないことが多いです。
でもⅥ以上の岩をフリークライミングするには、そのムーブでは難しい。ダイナミックで立体的なムーブが必要になってきます。ここからが本当の「クライミング」。岩を乗りこなすことの楽しさ。
たぶん、前述のガイドさんはこういうニュアンスで言ったんではないか・・・と。多分ですが。

まあそんあことはどうでもいいや。
とにかくⅤ+のムーブで臨むと結構難しく、5.8のムーブで臨むと、それほど難しくはなく。同じルートやないかいってツッコミもその通りなんだけど、まあとにかくそんな感じだ笑。実際、沢でⅤ+が出てきたら結構ビビるもん。でもゲレンデで5.8があったら、アップだもん。

ちえ蔵さんも少し苦戦したようだった。リードは無理だって。って言ってもちゃんとフリーで登っているんだから、ムーブができないわけじゃない。次はリードでどーぞ。

3P目

Go to Yosemite

 大テラスは、本当に大!笑。
また前が詰まったので、のんびりとパンでもかじります。
目の前に、美しい石灰岩の壁が立ちふさがり、その先には抜けるような青空。
本当に気持ちがいい。
ピクニック気分で

おばさん、ガンバ!!
 4P目 Ⅳ+
最後が少し立っていますが、ガバばかりなので、簡単です。岩も非常に硬いので、背中に広大な空間を感じながらダイナミックにグイグイ登ります。
5P目 Ⅴ-
残置支点も豊富でカムも決めやすいこのピッチはちえ蔵さんにリードを託します。プロテクションも十分にとって、カムもしっかり決めて、ロープの流れもしっかり考えられていて。。。さすがっス。

5P目。

5P目終了点。

6P目へテイクオフ。はるか下の方に国道299が見えます。
6P目 Ⅱ~Ⅳ
快適なリッジ登り。頂上を間近に感じながらグイグイ登ります。
45mくらいロープを伸ばしていくと、目の前にはそれ以上高いところがありませんでした。これこそアルパインクライミングの醍醐味です。
6P目

お疲れ様でした。

背後に両神山。

中央稜全景。
 せっかくだから、少し先にある頂上標に行ってみました。

攀じってきたところを眺めるのも充実した瞬間ですね。
 たっぷり時間をかけ、お腹いっぱいなので、今日はこれで帰ることにしました。一応、弓状エリアに行きましたが、夢膨らませて眺めてただけ。平日だってのに、しっかりクライマーがいました。

帰りは花園IC近くの評価の高いラーメン屋「うさぎや」さんへ。見た目は本当に冴えませんが、素朴な醤油ベースのラーメンでした。

良い日に良いルートに登れました。
全体的にボルトがしっかりあり、アルパインマルチというよりはスポーツマルチといった印象。岩も硬くカムやナッツも決めやすい。残置無視のトラッドスタイルで行くのも一興でしょう。今回はほぼトラッドくらいでした。
アイゼンの後も散見されました。本格的に冬壁を目指すのなら、練習としては良い課題だと思います。自分の技術だと、3P目をアイゼン手袋で登るのは少し厳しそうです。ただ、バイルがあれば、上のガバまで届きそう・・・。
近いうちにアルパインクライマーの顔で再びここを訪れるかもしれません。

(組長)

[付記]
股峠からの帰り道、道路上にとうせんぼするかのように、ごろりと大きな伐採された木が転がっていました。少し待っていると、伐採していた人が重機でどけてくれました。その際、「あんたら岩登る人か?」「俺はこの辺の地権者だけど、あそこらへんもこれから伐採しなくちゃいけないから、これから入れなくなるから」っと言っていました。僕らは最初から丁重に接していましたが、先方は結構、威圧的な態度で、クライマーに対してあまりいい感情を持たれてないように感じました。二子山はあまり来ないので、アクセス問題についてはよく知りませんが、色々と複雑な問題があるのかなと思いました。少なくとも、これからのシーズンはひと悶着ありそうです。股峠までの道路も使えなくなるのかもしれません。二子山に行かれる方は、事前に情報収集をしたほうがいいと思います。

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