Member :マッキー、ひがし
Timeline :10:00ロープウェイ山頂駅〜11:20登攀装備に変えたところ〜12:4ルンゼ入り口〜12:51山頂〜14:30ロープウェイ山頂駅
Author :マッキー
「日光白根山西面ルンゼ」
個人的には思い入れが深い山・ルートだ。
中学生の頃麓の丸沼スキー場から見た、日光白根山を見て雪山にいきたいと思った。
さらにいうと、スキー場の山頂駅から見える山の真ん中にある谷のような所(ルンゼ)をいってみたいと中学生の自分は思った。
あれから約5年が経ちついにこの日がやってきた。
思った以上に時間はかかったが、この景色を見るとあの頃を思い出す。
今回は赤の西面ルンゼを登り、青の北西稜を下る。
一般ルートから登るまほと途中まで一緒に登る
血の池地獄からの急登
良さそうなポイントから一般ルートを外れて気合いを入れてラッセルをするもこのポイントは雪が深く、ラッセルで敗退になりそうなので別のルートを模索
気合いだけでどうにかなるものではなかった… |
結局ここからルンゼの入り口を目指した。
緩めの沢地形で雪崩のことを考えるとあまり気分は良くないが、他は雪が深過ぎるのでここを登る。
他のポイントよりは雪が少ないとは言え雪は多い。しかも、上越の雪と違いパウダースノーなので踏んでも固まらない。
すごく疲れた。
内蔵が出ちゃってるひがし |
沢地形を抜けてからもまだ気は抜けない。
この辺りでワカンから登攀装備に変えた
この後登って思ったが、写真中央奥の岩がポツポツ飛び出ている辺りまではワカンのほうがいいかもしれない。
アルパインクライマーっぽい一枚 |
徐々に急になってきた |
自分たちのトレースしかない |
ルンゼ核心部の入り口の辺りで休憩したが、急で座れないので休んでいるはずだが、ふくらはぎが疲れる
いざルンゼの中へ
かなり急で基本アックスはダガーポジションかグリップの部分を持って登る感じ。
あとルンゼ内は下から風が吹いてくるのと、日が当たらないので基本寒い
ロープを出したいところだが、この山は割と新しい火山の山なのでハーケンを打ったり、カムを決めたとしても岩が脆く意味がなさそうなのと、雪が薄くスノーバーも使えないし、所々凍ってはいるがアイススクリューが入る厚みも無いので、支点が取れない。
なのでフリーソロ的な感じでのぼる。
落ちたら、下の岩がポツポツ飛び出ているところまで落ちそう。
多分助からない |
この辺りから三十路と二十歳の男2人がハイになる。
「ガンバー!」 |
「アルパインクライマーっぽいよー!」 |
なんて叫びながら登る
ルンゼ内は人工物がなく手探りで登る感じが楽しい。
もうじきトップアウト
ついに到着。
このルートを見つけてから長かった。
とても面白いルートだった。
記念写真 |
男体山がよく見える。
時間がギリギリなので、少し休んだのち北西稜から下降開始
下りも楽しめそう。 |
途中、登って来たルンゼがよく見える。
急さがよくわかる。
中央の雪の繋がったルンゼを登った。
よく見ると自分達の足跡がある
ルンゼから溢れて吹いてくる風が強い。
雪が硬いのでアイゼンをよく効かせながらくだる。
樹林帯に入り少しは安心出来るが、下りなのにパウダースノー過ぎてラッセル地獄だった。
一般ルートに合流してからはサクサク下山しロープウェイに間に合った。
下りのロープウェイは二人とも疲労困憊だった。
しかし、ヤマップの記録を見ると行動時間4時間半、距離4.7km、登り610mと記録と疲労の度合いが全く一致しない。
年末に1泊2日で行った阿弥陀北稜の比ではないくらい疲れた。
短時間でこれだけの達成感、疲労感を味わえるとしたらお買い得ルートかもしれない。
ひがし曰く、このルートは「精神と時の部屋」らしい。
同感しかない。
先に下山したまほからは2人とも疲れ過ぎて老けたと言われるほどだった。
ずっと憧れていた日光白根山西面ルンゼがついに登れて良かった。
このルートは何かが特出して難しい訳ではないが、全体を通して見ると「厳しい」という印象を感じた。
下りも含め、とても面白いルートだった。
「このルートの評価・情報(主観)」
・難易度、危険性は阿弥陀北稜よりもだいぶ上であるように感じた。
理由、ロープが出せない
落ちたらまず助からない
ルンゼに入ったら敗退できない
(懸垂下降できない)
高度感がある。
・確実にトップアウトできる自信がないと行かない方がいい。
・ルンゼまでのラッセルがきつい
・何かが特出して難しいのではなく、全体として厳しい
・このルートは登りも下りも楽しめる。
(アルパイン初心者はいい勉強にもなる)
・登りはとくに、経験値が増える感じかする。(岩、雪、氷のミックス、且つ全部不安定なため。)