赤岳東稜諦め、赤岳真教寺尾根

2020-02-24

03_積雪期 08_アルパインクライミング i_八ヶ岳

Date : 2020/2/23-24
Member : まり(CL) 、バード(SL)、みの、ワタ、
Timeline : 
1日目 1040リフト山頂駅→1400 テン場(2330m)、1550偵察戻り
2日目 0605 テン場→0900赤岳 ピーク→1050 テン場・撤収1135 →0110 リフト山頂駅着
Author:まり

西穂西尾根のつもりだったけど、北アルプス天気悪いので→八ヶ岳赤岳東稜に変更!が、更に1日めの弱層テストの結果を見て→真教寺尾根に変更
と、行き先は紆余曲折したけど、雪崩回避の経験と八ヶ岳BLUEを堪能できた充実の山になりました。ちなみに、この4人は2年前に仙の倉北尾根に行ったメンバー。久しぶりのタッグ


23日早朝東京を出て、サンメドウズスキー場へ向かう。途中まで小川山と同じ道なので、小川山に行くのではないかと錯覚する

文明の利器の活用に躊躇ない私(達)は、スキー場からリフトで1900メートルまで一気に上がる作戦。が、スキー場はものすごい人達!どうも雪不足で人工スキー場に人が集中してるらしい。そのくせ、チケット売り場の受付が2つしかない。嘘でしょ、、当然長蛇のれつ。これが最初の核心。チケットゲットに1時間かかるかとヒヤヒヤしたが、30分もかからず。よかった〜

で、ビューンと高度を稼ぐ


スキー場リフト脇から夏道に合流
夏道と分かるほど雪がない。でも直前に積もったのか、ふかふか。トレースはなく、自分たちでミニラッセル

賽の河原辺りでズボスボ埋まるので、ワカンに変更
でも、途中木の根とか出てるので、あるきやすくはない。更にアブラ氷も出現。これはたまらん、とアイゼンに変える

みのるは久しぶりのラッセルが楽しいらしく、これがやりたかった!と積極的に道を作ってくれる。有り難い


この3連休なのに誰も入っていないのかぁと思ってたら、反対側から3人パーティが降りてくる。話を聞いたら、東稜目指し前日から入ってたが、この夜に40センチ近く積もったので、雪崩リスク高いと判断して、二度寝(ふて寝?)して降りてる、とのこと。なんと!この積雪量は一夜ものだったのか、と知り驚く。そして、その先に真教寺から降りてきたパーティが。話を聞くと、前夜の降雪で胸までラッセル。疲れてピークまでは行かず、降りてきた、とのこと。あれま。

その後我々は最初に出会ったパーティがテント場にしてた場所をありがたく活用し、そこにテント張る(2330M)

そして、偵察に向かう。赤岳東稜は真教寺尾根から大門沢をトラバースして隣の尾根になる。過去の記録では2500-2550mくらいから大門沢へ向かっているので、それに倣い2500m位から真教寺尾根を外れて沢に向かう。が、例年ほどの積雪量がないせいか、谷が埋まっていない。なので、沢へのトラバースしやすいルート取りができるように深雪をラッセルして高度を上げる。(結果的に2580mくらいから大門沢まで行き、大門沢のとりつきまで少し下がるルートがよさそうであった)
みのがまった雪穴からの景色(推測)




そして、沢へのトラバースにちょうどよさそうな場所に到着。
よし、ここで弱層テストだ。通り過ぎた人達のいうように厳しいのかな、と思いつつも、ここまでのラッセルで行けないことはないのでは、と甘い期待をしていていた私たち。
というか、東稜をみてかっこいいじゃん!あの尾根を登りたい!とワクワクしていたので、登りたい一心だった私たち。

バードが弱層テスト用に雪柱を2つ(保険で2つ)作る。
そして、以前の雪崩講習で教わったとおり、コンプレッションテストを実施する。
まずはレベル1からスコップで軽く手首を使って手のひらでぽたたく。
何もない。ふー
そして、レベル2に進む。今度は肘から先をつかって、ねんねんころり、と赤ちゃんのあやすようにスコップをたたく。
「あ・・・・」

人間って驚くと自然と「あ」って言うらしい
あっさり雪柱が動いたのだ。すーって。

もう笑うしかなかった。
一応念のため隣の雪柱でも同じことをしたが、結果は同じ。

弱層は表層から30cmくらいの箇所に1か所、さらに50cm深いところにももう1箇所あった。憎らしいくらいきれいな弱層だった。
ここまでのラッセルで、なぜか3人のトレースの後にもずぼずぼうまっていたみのは、その弱層が2か所あることを身をもって知っていたらしく、自慢げに”そうだよ”と語っている。

 

きれいな弱層!
笑うしかない!
とりえあえず、全員納得してテントに戻る。
しかも、弱層テストでのあの光景を目のあたりにした後なので、真教寺尾根に戻るまでが嫌に怖かった。

さて、明日は確実に天気がいい。みのは貴重な山に行ける日。
というわけで、我々は真教寺尾根に行き先を変えた。ここは私は4-5年前に一度組長、晶子さんと登っているのでルートは頭に入っている。

テントに戻っていつものごとく宴。みのの出会いから結婚までの話を根ほり葉ほり聞いて、満足して寝る

さて、翌朝。思ったほど寒く無く、快適な眠りだった。
がちゃを装備し、いざ、真教寺尾根に向かう。
昨日の人達のトレースをありがたく利用させてもらう。びっくりするくらいいい天気。風もなく暑い。
気が付けば、鎖場。鎖もばっちりでてている。5年まえとはだいぶ違う。
鎖を遠慮なく利用し、がしがし高度をあげる。雪は薄い。どころどころ氷、岩、そしてたまに雪って感じの雪だ。







そして、そこから東稜を見る。どこをどうルート取りするか、わいわいがやがや。そして、雪稜好きの私は、雪稜がおもったより小さくてがっかりする。つーか、あんな細い雪稜にのりたいとは思わなかった。。雪が少ないと難易度があがるのか。東稜は今後のお楽しみだ。
そして反対側の天狗尾根には何パーティが取りついているのが見える。解除、とかのコールも聞こえる。あのルートならあまり雪の心配をせずに登れそうだし、あの尾根もかっこいい!今度は天狗尾根を計画しようと、狙いを定める。
東稜
天狗尾根

鎖場の後は、トラバース。慎重に歩を進め、気が付けばロープを出すことなく竜頭峰に到着。そして、せっかくなので赤岳に向かう。
3連休で一番天気のいい日ということもあり、赤岳は大賑わい。
人の多さにびっくりして、そそくさと赤岳ピークを後にし、戻る。





段々雪が腐ってきて、下りの方が嫌らしい。ただ、鎖が出ているので、ここもダガーポジションで慎重に歩を進めれば問題ないと判断し、ロープを出さずに進む。
時に尻すべりをしながら、あっという間にテンバ。



テント片付けて、一路スキー場に戻る。
雪が相当解けていて、下の方では土が出ていた。昨日はワカン出してラッセルしてたのに。根雪になってない、ならない現実を知る。

スキー場は相変わらず混雑。みな平和だ。
東京に早い時間についので、なぜか錦糸町のもつ焼きやで飲む。近所の”よしみ”も合流し、休みの時間をめいっぱい楽しむ。

弱層テストであんなに如実に雪崩状況が分かったのは初めてだったので、すごいよい経験だった。そして、日本に”厳冬期の山””という言葉がなくなるのではないかと一人憂うのでした。

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