Member : まり、ワタ、まるひ
Timeline :
5/3 : 省略
5/4 : 6:00 赤岳鉱泉〜8:30 小同心クラック取付〜(8:45 登攀開始)〜13:00 小同心の頭〜14:00 横岳山頂〜15:30 硫黄岳山頂〜16:30 赤岳鉱泉
Author : まるひ
まりさん、ワタさんにお誘いいただき、頂では初めてのアルパインだった。
当初は源次郎の予定だったが北アルプスはどこも天気が悪く八ヶ岳に転進。
日数も短くなったがお二人のおかげで楽しく充実した山行になった。
5/3(DAY1)
まりさんドライブで赤岳山荘へ。全員赤いザックで。
赤岳鉱泉まで気楽な散歩だ。
路面の凍結もなく北沢の流れは雪解けを過ぎて春から初夏に移ろう感じがした。
流れの緩やかな川底は赤くまだ白い雪とのコントラストが美しい。
堰堤広場を過ぎると登山道にも雪が付き始めた。
赤ザックと赤ザックと北沢
赤くない大同心・小同心
赤い流れ
赤ザックと赤ザック
鉱泉に着くとすでに4テンを張れる場所はほぼ一択だった。
テントを張って大同心沢入り口を偵察。新しい踏み跡はなかった。
鉱泉に戻ってカレーの香りとヒーターの温もりに負ける。
自炊テーブルに陣取ってうたた寝しているとぼちぼちと泊り客が増えてきた。
テントに戻って早々にビール。日本酒、山の話、お菓子、フルーツ。
夜のご飯はワタさんが用意してくれたチベット料理(モモ、鶏と大根のスパイスで煮込んだん)。
チベット料理店で作り方を聞いて作ったそうだ。(料理名は忘れてしまった。)
再現度はワタさんにしか分からないが美味い。
お酒が入ってお腹も満たされたせいか、寝ると決まってから寝袋に包まれるまでが一瞬だった。
全員カレーの誘惑に負けた昼食
食べて飲んで寝た初日
5/4(DAY2)
目が覚めた。
考えることなく時計を確認。
1:30。背中が冷えている。
座るために半分に折っていたマットを伸ばし忘れたらしい。
億劫なので自分も半分に丸まって寝る。
4:30目覚ましが鳴った。外は明るい。
コロナ以降テント泊をしていなかったからか自分の段取りがイマイチ悪い。
まりさんの具沢山バター醤油ラーメン(美味)を食べて6:00に出発。
真新しい踏み跡が付いていたが途中で引き返していたため先行はいない。
尾根に乗るところをうっかり通り過ぎてしばらく沢沿いに進んでしまう。
引き返して途中から尾根に乗り上げて復帰。
大同心稜は急登だが尾根を直登気味に詰めていく感じが気持ち良い。
もう少しで森林限界を超えるかなという辺りで薄い積雪の下に凍結箇所が出てきた。
大同心が視界の半分くらいに見えてきたところでアイゼンを履く。
そして懐で暖めたまま入れ忘れていた中敷きをついでに入れた。中敷きの存在感がないほどに寒くない。
森林限界はもうすぐだ。
大同心基部に立つ。
壁は凍て付き雪が乗っているが、至る所から水音が聞こえる。
壁際まで上がり壁に沿って小同心へトラバースする。
いったん大同心ルンゼを下降して登り返す。
雪は安定して歩きやすかったが、ルンゼ直下では雪解けの小雨に濡れた。
8:30 小同心クラック取付き。
見下ろすと大同心稜から赤岳鉱泉、北沢。
今朝は色々ボケているので比較的広い取付きで丁寧に準備する。
ちょうど陽が入り始め、風も穏やかで心地よい。
遠くを見やるとまだ雪を被ったアルプス達が見える。
この冬は城ヶ崎によく行ったがやっぱり山いいな。
1ピッチ目、ワタさんリード
想像していたよりも壁が立っていてかっこいい。
ワタさんは危なげなくロープを伸ばす。
スリングが足りなくなるかもしれないということでチムニー途中のビレイ点でピッチを切った。
アッセンダーを付けてまるひが続く。
インナーグローブ越しの岩はまだ冷たかった。
左上してまっすぐ上へ。
足を置く場所には困らないが少し緊張する。
この感じだと初っ端リードは怖そう、と思ったが
日陰の暗さ寒さでそう思うのかもしれない。知らんけど。
時折詰まった雪を指先でかき出しながら登ると、
ビレイ点に着く頃には手の指先は感覚がなくなってしまった。
肩のリハビリ間もないまりさんが登る。
待ちながら手袋の中で指を握り込む。
ビレイ点手前のアンダーで少しモジモジしたようだが問題なく到着。
まりさんのロープを私に付け替えギアを受け取る。
2ピッチ目、まるひリード
チムニーを抜けたテラスにペツルのビレイ点が2箇所あった。
人気ルートだから渋滞対策なのか?
ここで早々にルーファイミス。
右からチムニーに入っていくところを左上してしまった。
上がったところで気づいて右にトラバースしたが
途中手足が近くなってヤンキー座りでヨコバイした。
ついでロープの流れが悪くなってしまう。
チムニーに戻ったところで下を覗くと二人が見える。
本来はこんなすっきりしたラインなのか。ま、仕方ない。
奥に向かって少し登った後、左の壁をフェース気味に登った。
すでにロープがやや重い。
チムニーを抜けるとテラスに出てビレイ点がある。
ビレイ点からここまでは残置ハーケンとピナクルでプロテクションを取った。
ここでルートは2つに分かれる。
事前の打ち合わせ通りピッチを切らずに右へ進むつもりだが、
ラインとしてはまっすぐ伸びる左ルートが気持ちよさそう。
ちょっとだけ触ってみたくなり狭いチムニー内のペツルにクリップして登ってみる。
…左でええんちゃう?と思ったが、回れ右、だ。
ビレイ点から少し右にトラバースして上へ。
残置からプロテクションを取った後は10mほどノープロで登りテラスへ。
右は雪が付いていたら嫌かもしれない。(左がよいかは分からないが。)
ビレイ点はなくピナクルと残置から取った。
コールしたが声が届かなかったので特小無線を使う。
屈曲したロープを上げるのが大変だったため、
上げずにまりさんに不要なプロテクションの回収をお願いして登ってもらった。
取付きくらいゆとりがあり陽もよく当たって気持ちよい。
横岳の頂上が見える。
鳥のつがいが3mほど先のハイマツに降りて話をしている。のどか。
しかし天気が悪いと吹きさらしで厳しそう。
頂上からこちらを見る人がちらほらいた。
まりさん到着。
全体的に大変だったようだ。
荷物を下ろして休憩してもらいロープアップ。
岩についた雪が溶けてスリングが緩んできたので締め直す。
ワタさんに無線でビレイコールしたが電波が届かなかったようで、
冷えるであろう日陰で待たせてしまった。
途中何度かロープを引き過ぎたみたいで緩めてコール。
ヤンキーヨコバイが通過しづらかったみたいだ。申し訳ない。
3ピッチ目、ワタさんリード
左ルートの終了点がある壁で取り付き始め思案していたがナイスムーブで登っていった。
ここはピッチも短く小同心の頭に到着。
まりさん、まるひと続いた。
少し残っていた雪もグサグサになっている。
2ピッチ目終了のテラスは広かった
まりさん到着
ワタさんビレイ中
距離が近めの鳥
小同心終了!
小同心の頭からは尾根伝いに横岳頂上へ。
ロープを解いて進んだ。
横岳頂上直下はテラス上の先が少し立った壁だった。
プロテクションに乏しい感じだったが、
落ちそうでもなかったのでロープを引いてまるひが登る。
手を伸ばした先が雪解けの水溜まりで冷たい。
途中1番が決まりそうな隙間が1つ、ピナクルが1つあったが、
ここも雪があると怖そうな印象だった。
遠いねん
もっかい言うで、遠いねん
14:00 横岳頂上。
予定より随分遅れてしまったが、無事に登りきれて何より。
ギアを片付けて写真を撮ってそれ下山。
この写真好き。まりさん撮
しかし、自撮りでは見切れるまりさん
自撮りでは見…カメラと一緒に動くまりさん
お兄さんに撮ってもらった
硫黄に向かう途中でどうもペースが上がらない、
はてと気付けばアイゼン履いてから何も補給してなかった。
二人に先行してもらって何チャラバーみたいなものを湯で流し込む。
横〜硫黄〜鉱泉が核心と言われるのも分かる残業感のする長さだった。
真ん中のピッコリが横岳
遠いねん(通算3回目)
鉱泉についてテントを撤収したが、
雪が消えた地面はゴミだらけ…
気を取り直して赤岳山荘へ。真っ暗になる前に着けてよかった。
帰りはお目当ての店が満席だったのでPAでご飯。
何でも美味しそうに見えて富豪買いしたくなるが胃袋は一つ。
熟慮の末、昨日の昼に続きカレーを食べた。ソフトクリームも食べた。炭酸を飲んだ。
帰路の車中、いつもはすぐに寝てしまうがあまり眠くならなかった。
まりさんとワタさんは冬道具の片付けと沢道具の準備を話していた。
所感
・慣れていなければアイゼントレ必須。
・クライミングシューズであれば簡単なので癒し系と言われる所以か。
・帰りは大同心ルンゼからラッペルがいいんではないか。
・冬に裏同心ルンゼとつなげたいがもっとスピードアップしないと。
・無雪期>残雪期>積雪期>+裏同心、みたいに力量に合わせて楽しめそう。
(了)