Member :けいた(CL)、まるひ(SL)、トモキ、こう
Timeline :
今回、念願のルートだったということもありますが、自分自身、反省すべき点が多くあり、ブログを引き受ける事としました。
7日(金)の夜、都内を出発し、八ヶ岳山荘の仮眠室で仮眠。
※こうは運転の疲れからか、4時半にセットした目覚ましを止めて2度寝してしまい、“まるひ”に起こしていただいた。
翌朝、赤岳山荘までの林道は、完全に雪も解けて夏道となっていたので、車のチェーンの脱着の手間はかからなかった。
装備を整え、7時に歩き始め、南沢経由で9時40分くらいに行者小屋に到着。南沢は雪が解けて岩がでており、歩き辛い。南大沢の分岐のあたりからはアイスバーン状のところも。
鍛え不足もあり、遅れ気味に。ロープを“まるひ”にお願いした。
1時間弱でテント設営、登攀準備を終え、12時くらいに文三郎尾根のトラバース地点に到着。
組み合わせは、グッパーで決めた。
〇けいた×トモキ
〇まるひ×こう
けいた×トモキが先行。
視界が悪かった為、取りつきを間違って2ピッチ目の終了点からスタート。
登攀ルート上は雪が殆どなく、アイゼントレ状態。
傾斜も緩めで、クライミング自体の難しさよりも、ザレ場が多く、落石に気を使う。
徐々に吹き付ける風が冷たくなり、登っているうちに、木々や岩だけでなくウエアやギアに霧氷が付着してくる。視界も悪く、先のルートを見渡すことが出来ず、目の前の岩の形状や残置などを頼りにひたすら登り続ける。
寒気が流れ込むことは、予報から分かっていたが、厳冬期並。
寒さから、早く登攀を終えたく、スマホのカメラで登攀中の画像を撮る余裕は全くなかった。
“4月だぞ。残雪期じゃなかったのか?”
まるひ×こうは、ザレ場を嫌い、最終ピッチは地蔵尾根からの登山道へと逃げて16時弱に北峰の赤岳頂上荘に到着。
けいたとトモキに合流し、登攀の喜びを噛み締める。文三郎尾根経由で下山中、山頂方面を見ると、青空がのぞく。人生、こんなもんだ。
17時過ぎにテン場に到着して、少しまったりしながら、翌日の打合せ。
登攀中心の為、軽量化した食事(アルファー米)を食べて、次の登攀計画の話もしていたが、まとまらず、睡眠不足だった事もあり、8時過ぎには就寝。“けいた”が事前に行者小屋の水場は問題なく利用出来ている事を確認してくれていた為、水の持ち込みや水作りの時間を考える必要が無かったため、助かった。
今回、最低気温は明け方に-12℃弱であったようだが、シュラフはモンベルの3番+シュラフカバーでも寒くはなく、熟睡出来た。
※寒さの感じ方は個人差有り。
2日目
ガスがとれ、テン場からは朝焼けの大同心、小同心が見える。
夜間に稜線付近は雪が降ったようで、白くなっている。
昨日からの風が収まるのを待って、遅めのスタート。
青空が広がり、昨日と打って変わって、最高のコンディション。
組み合わせは、昨夜、グッパーで決めた。
結局、前日と同じ組み合わせ。
〇けいた×トモキ
〇まるひ×こう
まるひ×こうが先行。
岩稜帯には雪は無く、昨日に続き、ドライな状況。
ただ下から見ていて、岩壁からの染み出しが、つららやベルグラ状になっているのが分かる。
“まるひ”の動きを見ていても、明らかに昨日とは難易度が異なる事が分かる。
風はほぼ無かったが、日陰になる為、ビレイしている間に指先が冷え、自分の番になって、いざ岩を触ると、ホールドもスローパー気味で悪く、全く保持出来ない。
アックスを手に取り、岩に引っ掛けながら登りかけたところで、すっぽ抜けてフォール。
トップロープ状態であった為、1メートルも落ちなかった。
“まるひ”、ナイスビレイ。
気を取り直して、1ピッチ目の終了点近くまでくると、別ルートから登っていた“トモキ”から、「口から血が出てる!」と。
ぶつけた記憶はないので、乾燥で唇が切れただけみたいでした。お騒がせしました。
第二岩稜も“まるひ”リード。
核心はハングしていて、フォローでも、アルヌンを回収しながらだと、なかなかの難易度。
最終ピッチは日ノ岳下のバンドをトラバースして稜線に出たところで終了。(14時40分頃)
登攀装備を整理し、地蔵尾根経由で行者小屋に下り、テントを片付け、18時20分に赤岳山荘駐車場に下山。
●こうの感想
今シーズン、小同心クラックで冬季アルパインデビューし、ほぼドライではあったが、今回、連続で赤岳西壁主稜と横岳中山尾根を登れたことは、感無量。
反省点
〇中山尾根の1ピッチ目で、慎重な登り方が出来ておらず、アルパインでフォールしたこと。アルパインでフォールは、あってはならない事。→岩の弱点を突き、より確実な落ちない方法で登る事を心がける。
〇登攀中、無線のバッテリーが切れてしまい、予備を忘れてしまい、ロープの動きで判断するしかなかった。→予備のバッテリーを必ず持つ。予め、バッテリーが切れた場合や、無線がつながらない場合の打合せをパートナーとしておく。
〇中山尾根の登攀に時間を要した。よりスムーズなロープワーク、支点構築が出来るようにトレーニングが必要。
〇体力低下でアプローチで他のメンバーについていけなかった。→クライミングだけでなく、縦走も取り入れたトレーニングを行う。
中山尾根は、同じ八ヶ岳の小同心クラックや主稜とは全く異なり、難易度が高く、アイゼンワーク、アックスワークを十分に身に着けて、トライすべき場所だと思います。
厳冬期は雪の付着もあり、更に厳しくなると思われます。
今回、怪我なく無事に登攀を終えて下山出来た事に“けいた”、“ともき”、“まるひ”に感謝です。
また、今回の計画を“けいた”、有り難う。大変貴重な経験をする事が出来ました。
夏には上記反省点を踏まえ、アプローチシューズ、クライミングシューズで厳冬期に向けた復習と予習に行きたいと思います。
●けいたの感想
会に入って約1年、個人山行でようやく先輩達にアルパインに付き合ってもらうことができた。それだけでも嬉しいことなのに、今回は初めて残雪の中山尾根を登ることができるなんて とても幸せな山行だった😊
土曜日は、悪天予報の中 パーティーの連携を深める為に 赤岳主稜に取付き、厳冬期を感じさせる天候の中しっかりと赤岳へ抜け、行者小屋のテントへ戻ってこられた。
日曜日は、朝は風が強かったが回復傾向の予報だったので 出発を2時間遅らせて中山尾根へ取り付いた。
2人2パーティーの構成で少し詰まり気味だったが 天候回復にも助けられ、個人の強みを活かして無事に中山尾根を抜けることができた。
出発を遅らせたせいで下山が遅めになり ご褒美の食事は高速のSAになってしまったが、なんとも言えない達成感と満足感の中 帰京することができた。
信頼できる先輩とパーティーを組むことのできる幸せ。若輩ながらリーダーを任せてくれ それをうまくフォローしてもらえる安心感。
こういうのを山岳会に入って ようやく感じられた…
本当にこの山岳会に入って良かった… ありがとうございました!
これからもお互いの目標に向けて切磋琢磨し、目標のピークで笑顔で握手したい!!
上下岩壁ともにテムレスジャミングはよく効いたし、足を拾うと想像していたよりは登れてよかった。天気、季節に助けられた感じなので積雪期にまた挑みたい。