Date : 2025/05/04-05
Member :こう、まるひ
Timeline :
5/4 小梨平〜取り付き偵察〜徳沢園〜小梨平
Author :まるひ
明神岳を意識したのは10年前のことだ。
雪山を始めて単独の限界を感じていた頃に長野在住のガイドと話をする機会があり、長野のガイドとしては明神岳に登ってほしい、と言われた。
当時はクライミングもやっていなかったしロープワークも全く知らなかったので、<これからスキルアップして>と断り付きだった。
上高地とは神降地であり、神とは明神岳(穂高明神)である。
年末から向こう山に入る回数が減っていたので、全装ではなく1dayで周回することにした。
初日、小梨平に幕を張って偵察に出たのが8時過ぎ。
養魚場跡はこちらへ
明神館には30分くらいで到着して、偵察も1時間で終了してしまったので、コーヒーフロートを食べるために徳沢園へ散歩。
小梨平に戻って昼食を食べた後は暇すぎて昼寝をする。
4テンで快適
目が覚めると16時で就寝予定まで1時間しかない。とりあえず明日のために夕食を食べて予定通り横になる。
昼寝をしたし外も騒がしいから寝れないと思っていたが、気が付くと0時のアラームが鳴っている。
食事を済ませて1:00過ぎにスタート。
明神橋を渡った先の養殖場跡から山へ入る。
偵察したお陰で沢の分岐まで順調に進む。分岐あたりでアイゼンを履く。
伝わらないが順調
そこから2000m辺りまでは時折雪が切れる。
例年だともっと雪がないのだろう。息が上がるギリギリのペースで登っているとルートを外れて登りすぎた。
伝わらないが元気にルートを外している
岩壁伝いに降りて沢地形を渡る。
体力が落ちているだろうか。もう帰ってもいい気持ちに少しなったが、白み始めた遠くの稜線を見て息を整える。
ひょうたん池には予定より1時間早く到着。
3張りのテントがあり2張りはヘッドライトの明かりが点いている。
立ち休憩をすませて先へ進む。
第一階段からロープを出す。適度にクラックや灌木がありランナーを取れる。
コンテも交えつつ進むが確保支点に悩む所があり時間を浪費した。
登り自体は簡単な所だったのでボディビレイでよかったと思う。判断を的確に早くしたい。
予定より1時間遅れてラクダのコルに着く。
バットレスが間近に見えてきたが、気を抜ける場所が少なかったため割と疲れている。
初めての経験だが軽い高山病になったみたいで、生あくびと嘔吐感が続いている。
岩を越えて進むとバットレス基部に到着。
スラブ左のクラックから支点を取る。
こうにリードをお願いした。凹角に差し掛かると少し行きつ戻りつしたが危なげなく抜けた。
凹角のクラックはアイゼンだと体勢が少し窮屈だったが足をよく探せば問題ない。
雪壁を越え1ピッチロープを伸ばして頂上へ。
標識は何もないが易易と足を踏み入れられない頂ということだろうか。
残置無視で完登できた充実感のあるいい山行だった。
雪壁の下から
雪壁の上から
山頂より
しかし疲れていたし今日中に上高地を出たいと意見が一致し、下山開始。
記録を見ると奥明神沢のコルの途上で懸垂下降が必要そうだったが、我々はクライムダウンのみで問題なかった。
奥明神沢はコルからしっかり雪がついている。
アイゼンを滑らせ、たまに踏み抜きつつ割とすぐに岳沢小屋に到着。足が疲れた。
コルから奥明神沢へ
ここまで微妙なフィックスがたくさんあった
水分補給してすぐに出発。二人とも下山マシーンとなってほとんど会話もしない。
もう歩くの飽きた、と口にしたところで上高地が目の前に。ありがてぇ。
「河童橋まで700m」。。。。700m。。。。登山ではない人の中へ。
最終バスには間に合いそうだ。
多分、岳沢を降りてる途中
河童橋はこの時間も賑わっている。
白樺荘前のベンチで一人女性が岳沢の上に連なる山々を見上げていた。