勘七ノ沢・小草平ノ沢

2012-05-22

06_沢登り g_丹沢

Date : 2012/05/19
Member : ヒデぴょん、テトラオドン、組長
Timeline :大倉0840~0945二俣入渓点1009~1020「F1」~1045「F2」~1113「F3」~1147「F4」1218~1244「F5」~1358「940m分岐」~1420大倉尾根登山道1128付近~1446小草平ノ沢下降開始~1638入渓点~1750大倉


沢シーズン開幕!!
今シーズンの沢ライフを満喫するための練習も兼ねて、表丹沢の超人気ルート、勘七ノ沢を遡行・小草平ノ沢を下降してきました。


今回の沢山行の趣旨は、沢ヤのヒデぴょんさんに沢ヤとしてのイロハを学ばせてもらうこと。
昨年は5,6回ほど沢には行きましたが、すべてヒデぴょんさんのフォロー。やっぱり山はリーダーとして主体的にいかないと行った内には入りません。

そこで今年は、本物の沢ヤ目指して、まずは表丹沢のメジャールートからスタートです。

五月晴れの気持ちいい早朝。大倉バス停には色とりどりのハイカーが大勢集まっています。みんなランドネ!!って感じで、華やかな雰囲気です。ワカモノが多いです。中高年ばかりよりも活気があっていいですね笑。ほとんどは大倉尾根に向かっていくようです。それにしても、例えば、最近山を始めた人で、まずは丹沢の大倉尾根辺りからなんて考えている人も多いと思いますが、大倉尾根ってつまんないですよね(独断と偏見ですが・・)。小さい頃の登山遠足みたいに、階段ばかりのきつい山登りになってしまって登山嫌いになってしまう人もいるんではないかなーなんて思います。初心者だからーなんて言わずに、やっぱり最初から北アルプスとか、とにかく山歩きって気持ちいいなーと誰もが感じられるような稜線歩きから始めた方がいいと思うんですが、どうでしょ。

少し脱線しました。
沢ヤ目指して大倉出発!!
入渓点の二俣まで西山林道を歩きます。鍋割山でもいくんでしょうか、林道にもハイカーがいっぱいいます。
1時間ほどで、登山ポストのある二俣に到着。車も2,3台停まっています。ハイカーも多く休憩している中、小草平ノ沢を遡行するというパーティーも沢の準備をしていました。
とりあえず、沢支度。
そろそろヒルの季節なので、ヒデぴょんさんとテトラオドンさんはヒル除けスプレーをかけます。スプレーしなかったらどうなるか、実験台として自分はスプレーしませんでした。ヒル共、どっからでもかかってこい!!
いきなり登山道をはずれてジャブジャブ歩きだした我々を怪訝そうに見つめる山ガールの視線を多少感じながら、入渓。足が水に浸かり、体が一瞬キュンとなって、今年も沢シーズンが始まったなとウキウキしながら歩きだします。

最初に見えてくるのは大きな堰堤。
それぞれ右から左から適当に巻きます。
その後、すぐに二股になります。右は下降予定の小草平ノ沢です。左の勘七ノ沢をみると、「勘七沢F1」の看板が見えます。迷うはずもありません。さすがメジャールート、その後の滝もF5までしっかり看板がありました。
もちろん今回は自分とテトラオドンさんですべてリードをやらせてもらいます。F1は自分がリードしました。
右岸を登ります。下部は少し細かいですが、2,3歩で残置スリングに手が届くので特に怖くはありません。残置ハーケンもあるのでランナーも十分とれます。難なく抜けるとビレイ点には丈夫そうなハンガーボルトが2つありました。テトラオドンさん、ヒデぴょんさんももちろん簡単に上がってきます。


続いて、F2。
左岸の看板下の脆い岩を慎重に登ります。掴む岩ほとんどがボロボロと崩れてしまいます。いやいや、沢っぽいですね。なぜかテンションが上がります。

F2の上で、沢特有のビレイ点の作り方を教わります。沢ではコールが届かない場合が多いので、なるべくクライマーの見える位置でビレイする必要があります。そのために、ビレイ点の構築には色々と工夫が必要です。少し離れた木からのビレイ点の作り方など、ヒデぴょん先生にいろいろと伝授してもらいます。

F2の後は大きな堰堤を越え、ちょっとへつりがあったりしながら歩いて行くと、釜を持つ斜瀑が現れました。F3です。F3には先行パーティー5名ほどが取り付いていました。
No  sight  but  onsight
何かそんなフレーズのTシャツがあったような気がしますが、ここは人の登り方を見てしまうと楽しみが半減してしまうので、しばしそっぽを向いてオニギリを食べてました。沢装備で身を固めて岩の上で握り飯を食っていると、何だか自分が結構な沢ヤに見えてるんじゃないかと思ったりなんかして、ちょっと自己陶酔。まあちょっとキモイですが、要はすこぶるゴキゲンなわけです。

先行パーティーもしばらくして抜け、ようやくF3に取り付きます。自分がリードです。
最初は釜を左岸からへつり、看板下の残置ハーケンでランナーをとり、少し滑りやすい岩をとことこ歩いていきます。全然難しくはありません。ビレイ点は、またまたちゃんとしたボルト。物足りないくらいゲレンデ化しています。当然、後のお二人もサクサク越えてきます。


F3を超えると、白っぽい小さなナメがあって、ほどなく2段の滝が見えてきます。F4です。
F4には、さらにもう1パーティーがすでに取り付いていて、人数も多そうなので時間がかかりそうです。しばし、日向ぼっこしながら待ちます。

F3で追いついたパーティーには先に登らせてもらい、テトラオドンさんがリードで登ります。1段目は特に問題なく歩けます。
2段目は左岸の凹角を上がります。難しいところはありません。抜け口に腐って抜けかかった残置ハーケンのビレイ点。こりゃ落ちたらバイバイですね。


F4の上で休憩中の10人ほどのパーティーに先に行かせてもらいます。
F4を超えると、興ざめの堰堤がいくつも続きます。ただ、ゴキゲンの僕らは、堰堤も7級のボルダーやっ、と思って結構楽しみます。モノはは考えようです。はしゃぐ僕らを横目に、ヒデぴょんさんはクールにすたこら堰堤を巻いていました。お待たせしました。。

堰堤をいくつか越えると、綺麗な大きな滝が次第に迫ってきます。勘七の大滝、F5です。落ち口からまっすぐ気持ちよく水が落ちています。さっぱりとして端正な滝です。

登攀ラインをよく見てから、リードします。
右岸から登ります。
最初は看板の下までバンドをトラバース。上に登り始める手前のフレアしたクラックにカムを1つ決め、水流沿いを登っていきます。途中、しっかりしたボルトがたくさんあるので、怖さはありません。また、少しヌメっていて滑りやすいですが、ホールド・スタンスともに豊富で難しいところは特にありません。すぐ脇を豪快に流れる水流を感じながらの楽しい登攀です。上部のビレイ点もまたまたしかりしたボルトでした。
それにしても沢は楽しい。楽しい、と一言では言い表せないほど、深くそう思います。
山肌に深く切れ込んだ沢筋を這い上がっていると、まるで山の胎内を歩いているような山との密接な関係を感じます。当然まだまだ沢経験は少なく生意気なことは言えませんが、表の尾根道にはないディープな山との関わり方が沢にはあるように思います。


F5を抜けたところで、今度はハーケンの練習をします。
ハンマーで岩を叩いて音で適当なリスを見つけます。勘七の岩の多くは脆く、ハーケンを叩きこんでいくとリスがどんどん広がってしまって、終いにはぼろりと岩自体がはがれてしまうこともありました。素早く適当なリスを見つけてしっかり利いたハーケンを設置するには、まだまだ経験が必要なようです。
F5の後は、連瀑帯、ゴルジュ帯です。
いくつか小滝をへつったり、突っ張って登ったりで楽しく登れます。
久しぶりにヒデぴょんさんの笑顔を見た気がしました。。。

ゴルジュ帯を過ぎ、しばらく歩くと、右手から細い水流のある枝沢が入ってきます。940m付近です。地形図上でも大倉尾根に向かって小さな窪みが確認できます。当初の予定通り、この枝沢を詰め大倉尾根の1128付近に向かいました。上部はガレており、また途中から間伐材が堆積していて、結構登りにくい。人間に掴まれることを予定していない草たちが力なく引っこ抜けてしまいます。ただ、最後まで藪こぎはありません。30分ほどで大倉尾根に出られました。
大倉尾根の登山道の前にはシカ柵が張り巡らされています。
ハイキングコースには、綺麗な格好をしたハイカーが颯爽と歩いているのが見えました。そんな中、泥で汚れた人たちがシカ柵の内側を彷徨っているのだから、もしかしたら遭難者と勘違いされるんじゃないかと思うほど怪訝な顔つきで山ガールがこちらを眺めていました。シカ柵というオリの中にいる僕らは、、いやそもそも整備された登山道を歩かされているハイカー側こそがオリの中にいるんじゃないか、、まあそんな哲学チックな議論は置いといて、とりあえずシカの気持ちになりながらシカ柵の切れ間を見つけて無事登山道に合流。登山道はハイカーでいっぱいで渋滞ができていました。

人いっぱいでウンザリの中、堀山の家まで降りて一服。そのまま南西に延びる尾根を1,2分下ってから小草平ノ沢に向かって適当に左側を下りていきます。

小草平ノ沢の上部の滝は、ロープなしで簡単にクライムダウンできます。

ただ、途中でかなり脆い滝に遭遇。右岸の汚い壁をクライムダウンしようとしますが、掴んだ岩はすべて崩れる、乗った岩はすべて落ちる、バイルのピックを刺した泥壁はガンガン崩れる、って感じで、なかなか下りられませんでした。ヒデぴょんさんから、崩れる前提で掴み、乗れ!とのアドバイス。崩れそうになったら次のホールドっていう感じで、もうこれは「右足が沈みそうになったら左足で立つ」みたいな水面歩行をする忍者の論法と同じです。なんとなくだましだましで降りていきます。

アホな話ですが、これだけ苦労したこの滝も下から見上げれば左岸に簡単な巻き道がありました。
お疲れさん。
その後、下部の連瀑帯で懸垂3回ほどやって、しばらく歩くと登山道に合流しました。
登山道にはやっぱりハイカーがいっぱいでした。
さて、入渓点に戻って沢靴を脱いでみると、靴ひものところにヤツがいました。ウニウニと気色悪く動いています。
遡行中はすっかり忘れていましたが、やっぱりヤツはいました。ちなみに家に帰ったらヤツがザックの中から出てきました。こんなおみやげ要りません。

そのまますたこらと大倉まで下山。バス停にはやっぱり大勢のハイカーが列を作っていました。



今シーズン初の沢として、とても楽しめました。
勘七自体は、滝もすべて登れ楽しい沢です。

また、ヒデぴょんさんに沢のイロハを教えていただいたことで、今後の沢ライフがますます充実しそうです。ヒデぴょんさん、ありがとうございました。
皆さん、今年はバンバン沢行きましょう!!

(組長)

このブログを検索

人気の投稿

最近の投稿

Archive

QooQ