ハイカーレスキュー講習

2012-05-14

00_会山行 f_奥多摩・高尾

Date : 2012/05/13
Member : もとき、カズ、オビワン、ちえ蔵、さとこ、カッキー、コカッキー、まり、テトラオドン、まりりん、kayo、組長
Timeline : 0930荷田子バス停~1000頃荷田子峠周辺で講習~1630頃荷田子バス停解散

3月の会山行の振り替えとして、荷田子峠周辺でハイカーレスキュー訓練を行ってきました。
今回は、都岳連の北島救助隊長をお招きしてのハイカーレスキュー講習です。このような形は、頂としては初めての試みでした(訂正:2回目だったそうです)。

気持ちのいい五月晴れ。バイクを転がすのには最高の季節です。組長バイクは、そんな攻める系のバイクではありませんが、秋川のワインディングをグイングイン倒しながらゴキゲンで集合場所に到着。
カズさんのカッコいいオフ車はすでに到着。続いて、電車バス組の皆さんも続々と集合してきました。会山行でこんな人数が集まるのは、奥多摩ビバーク訓練以来ですかね!?
前日立山のちえ蔵さんは、日焼けでパンダみたいになっています。

まずは荷田子の駐車場で、北島さんから本日の内容説明、登山計画の心構え等のレクチャーを受けます。登山計画は必ず出すこと。当然のことですが、これがなかったために、いかに救助活動に支障が生じたか、などなど、実際の山岳救助の現場に立つ人の声を聞けるのは貴重です。

その後、簡単なストレッチをしてから、荷田子峠に向かいます。
杉林の中の登山道を登って、2,30分で荷田子峠に到着。さすがに5月も中旬になると低山ハイキングは暑いです。5月の紫外線は真夏並みとも言われますが、日差しも強い。そして、虫が多い。つい1匹食べちゃいました。
峠までの登りでまり姉さんは早くもお疲れ気味でした。


峠では最初に基本的な装備の紹介。
テーピング、三角巾、ファーストエイドセット、ビバーク用品、蛭除け、スズメバチ除けのスプレー等々。これぐらいはパーティーに1つ、せめてリーダーくらいは持っておきたいという装備が次から次へと紹介されます。こりゃもう、リーダーは毎回ボッカトレですね・・。
これからの季節は熱中症対策の水分補給も大切。1回の水分補給は250mlまで。これ以上は全く効果がないそうです。皆さん、へぇーとかホーとかいいながら話を聞いています。

キズを負った場合はまず患部をよく洗うこと。そして、圧迫すること。洗う際に水を使いすぎないように穴をあけたペットボトルのフタを持ち歩くなどの小技も伝授してもらいます。

続いて、三角巾の使い方やよくある足首を外側にひねった時のテーピングによる足首固定の方法
を教わります。山では当然持っているものでしか対処できません。三角巾ぐらいは持っておきましょう。いままで持ってませんでした・・。テーピングで足首を固定するやり方は、今後も使いそうなので何度も練習して忘れないようにしないと。いくつかポイントがありましたが、まずはアンカーとなる最初のテープはふくらはぎよりも下に貼る。足裏はシワをつけない。血流を滞らせないために皮膚の露出をなくす、などなど。テーピングも使用期限があって、粘着力が落ちるので時々チェックが必要です。


テーピングはそれぞれやってみました。捻挫していてもしっかり固めていれば、しばらく歩けそうです。剥がしたテープには、すね毛達がフサフサとくっついていました。
続いて、負傷者の搬送の練習。
普通のおんぶでの搬送やスリングを使った搬送、雨具を使った搬送、ザック・ストックを使った搬送など、本では見たことがありますが、実際にやってみるのは個人的には初めてです。感想としては、スリング使用はスリングが食い込んでイタい、雨具使用は背負う方背負われる方ともに快適、ザック・ストック使用はさらに快適、という感じでした。ただ、ザック・ストック使用の場合、負傷者を一度下に下ろさずに搬送者を交代させることができるので、人数がいて長い搬送となるような場合は便利です。
いずれの搬送法も筋力の弱い女性にはなかなか難しそうでした。まり姉さんやkayoさんは、背負ったはいいが立ち上がれない様子でした。やはりこういったときは、男手が必要ですね。
ちなみに実際の救助で雨具を使用して破損等した場合、jROの保険でしっかりと補償されて新品で帰ってくるそうです。どこかに負傷者転がってないかなー。。


そういえば、3,4年前だったか、北穂から涸沢への下りで目の前の単独行おばちゃんがまさかの滑落で、一人でおばちゃん背負って涸沢まで搬送したことがありました。おばちゃんは、手首を骨折していただけで自分で歩けたはずなんですが、滑落の精神的ショックで全く自分で歩けないような状態でした。実際の負傷者搬送はなかなか大変です。「なんとか小屋まで頑張りましょう」と声をかけつつ、普通のおんぶでどーにかこーにか涸沢の小屋まで搬送しました。事故現場にザック等を置いてきたので、足腰にかなりきているところをまた北穂山頂付近まで登り返したのも大変でした。この時に、雨具搬送やザック搬送などの知識があれば、もう少し安全に、そして楽におばちゃんを助けられたかもしれません。
ちなみに、お礼に3万もらっちゃいました。情けは人の為ならず。レスキュー大好き♡♡♡

小休憩をはさんだ後、尾根上をとことこ歩き、途中の悪場(に見立てた坂)でフィックスロープを張り、120スリングで簡易チェストハーネスを作って、カラビナをロープに通して、悪場の通過の練習。

続いて、尾根上の平坦地でツェルトを張る練習。
木の間に細引きで張ったり、ストックを使って張ったり、ただ被ってみたりします。ストックを使う場合は、ストックはグリップ側を下にするのがコツです。
ツェルトでビバークした際に、先輩がツェルト内でキジ打ちをした話など、北島隊長の武勇伝を聞きながら和やかな雰囲気で講習は続きます。
続いて、ロープを使った引き上げや引き下ろしを練習します。
エイトノットをロープ中間にいくつも作って登りやすいフィックスを作ったり、ムンターによる引き上げ引き下ろし、1/3システムによる引き上げなど、実戦的な練習が続きます。こういった練習は、定期的にやらないとすぐ忘れそうですね。
ストックを使った簡易松葉つえも作ってみます。ストックで担架も作れますが、狭い登山道ではなかなか使いづらいのでなるべくなら負傷者に歩いてもらう必要があります。
ちなみに、松葉杖は、例えば右足を負傷した場合には左手側でつきます。

救助ヘリに速く発見してもらうには、とにかく動く。救助隊の人は動くものの目が行くそうです。レスキューシートを振り回したりするのが視認性が高く効果的だそうです。

講習の最後は、来た道を教わったばかりの雨具搬送とザック搬送で下山します。
まずは、3グループに分かれて荷田子峠までの尾根道を雨具搬送とザック搬送で歩きます。
自分はさとこさんを背負いましたが、軽い軽い・・。今度のボッカトレはこれでいいんじゃないっすかね!?周りの目さえ気にしなければ・・・。女性陣はやっぱり苦戦していました。
峠からの最後の下りは、ロープの補助付きでザック搬送します。途中で負傷者を下ろさずに搬送者を交代します。
負傷者役のまりりんさんが、お姫様のように担がれていきました。
最後は自分がダッシュでゴールテープを切りました。まりりんさんは、誰が一番乗り心地が良かったんですかね(下ネタじゃないっすよ・・)。

下山後、再び荷田子バス停付近の駐車場で今日の総括。

今回は、講師をお招きしてのレスキュー講習という初めての試みでしたが、皆さん、いかがだったでしょうか。知識としてはあっても、こういった機会がない限り、なかなかやってみることも少ないので良い経験になったと思います。そして、こういったスキルは継続してやっていかないとすぐに忘れてしまうので、今回学んだことを会の中で定期的に復習していく機会を作っていくことが大事だと思います。
皆さん、お疲れさまでした。

そして、北島救助隊長、ありがとうございました。

(組長)

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