黒部五郎-双六岳

2012-08-18

01_無雪期 l_北アルプス

Date : 2012/08/18-21
Member : まりえ、さとこ、かよ(記録)
Timeline :
 8/18 折立~薬師峠キャンプ場
 8/19 薬師峠キャンプ場~北ノ俣~黒部五郎~黒部五郎キャンプ場
 8/20 黒部五郎キャンプ場~鷲羽岳~三俣蓮華~双六岳~双六キャンプ場
 8/21 双六キャンプ場~新穂高温泉

お盆終わりに 黒部五郎から双六岳までの縦走に行ってきました。
折立の登山口。
さあ、長い縦走のはじまりです。
空はもう秋の気配を漂わせていますね。


少し歩くと、ピーっという笛の音が上から聞こえます。
降りてくる人が、「熊が出た。」と口々に言うので、私たちも念のために熊鈴をつけて歩くことにしました。
まりえさんの熊鈴はりーん、りーんと控えめな音。
ぺちゃくちゃおしゃべりするとかき消されてしまうので、熊の撃退にどれほど効果があるのかわかりませんが、まりえさんが近くいるんだと安心されられる音でした。

薬師峠キャンプ場までは、よく舗装された道を行きますが、3泊4日の荷物を詰め込んだザックが背に応えます。
そんな中、さとこさんがプラムをふるまってくださいました。
このプラムは、富山~折立までのバスが途中立ち寄った休憩所で買ったものです。
この休憩所には近くの畑でとれた野菜が充実していて、トマトなんかもありました。行動食によさそうですね。


朝方は晴れていた空もどんどん曇りがちになり、イヤな雨雲が、目指す太郎平小屋の方に集まってきました。
そのうち雷の音も聞こえはじめ、先を急ぎます。
こんな逃げ場のないところで、雷の音を聞くのはいい気がしませんね。
実際、この日は槍ヶ岳で落雷の死亡事故があったそうで、ニュースになっていました。
と、先を行っていたあ~りがお昼寝中。
気持ちよさそうですね。
寝顔を写真におさめて、お先に失礼します。

小屋まであと少しというところで、ぱらついていた雨も本降りになってきました。
ダッシュダッシュダッシュ!
ずぶ濡れになる前に小屋に駆け込みます。雨宿りに駆け込んだ私たちに、「こっちに荷物を置いていいですよ。」と小屋のアルバイトのお兄さんが声をかけてくれました。
ビール(+CCレモン for まりえ)片手に「かっこいいお兄さんだったよね。」と私たち。
もうすっかり顔も思い出せませんが、よく日焼けして引き締まった腕が素敵だったな~。

小屋でくつろいでいる間に雨も上がったようなので、テン場に移動することにしました。
薬師岳がよく見えます。


太郎平小屋から徒歩15分ほど先に薬師峠キャンプ場があり、
受付やビール、簡単な食料の販売をする小さな小屋が17時まで開いているようです。
 
 

3泊4日と長期の縦走では、テン場のゴハンが楽しみ。
今回は日割で、みなで食事の担当をすることにしました。
初日は私担当でオイルサーディン丼。
オイルサーディンの上にふりかけたレモンが合っていると言っていただいて、うれしかったです。


ゴハンを食べ、ぺちゃくちゃおしゃべりをしていると、夕日で空が赤く染まってきました。
日の入りを見なくちゃと、カメラ片手にお散歩。
雲がちな空をよく見ると、雨を降らせている大きな雲のかたまりが、ゆっくりと日を通り過ぎて行きます。
きれいですね。


二日目。
昨日の曇り空が嘘のように、青空が広がっています。

きれいな白肌を元気な太陽から守るため、まりえ姉さん完全武装。

太郎平小屋から黒部五郎までの道には池塘が点在しています。
くちぶえは なぜ~♪ アルプスの少女の歌が流れてきそうな景色です。
見えるのは、青空と広い稜線だけ。とっても気持ちいいです。

高山植物もたくさん生えていました。
これは、タテヤマリンドウ。綺麗な青です。
チングルマ。

植物博士のさとこさんがいろいろと教えてくれます。
ミズバショウにクロユリにトリカブトにイワカガミに…
なかでも印象に残ったのが、オトギリソウとウサギギク。
オトギリソウは、「弟切草」というゲームもあるように、名前の由来がちょっと怖いです。
「花仙院の時代に晴頼(せいらい)という鷹匠(たかしょう)がいました。
薬草を用いて鷹の傷を治すことで有名でしたが薬草の名は秘密にして決して口外しませんでした
。ある日、人のよい弟がその薬草の名を他人に漏らしてしまいました。
これを知って晴頼(せいらい)は怒って、弟を切ってしまい、弟の恋人も後を追ってしまったのです。」
そのときに庭に栽培していた薬草に弟の血潮が飛び散り、その跡が葉に残っていてオトギリソウの名がついたとされています。
実際、月経不順やリューマチ、神経痛、痛風などの鎮痛に効き目がある薬草でもあるみたいです。
ウサギギクは黄色のキク科のお花。
なまえを聞いた瞬間、お花からウサギの耳が突き出た菊を想像してしまいましたが、こちらは葉の形がウサギの耳に似ているためにこんな名前がつけられたそうです。
植物の特徴や名前の由来をちょこっと教えてもらうと、よく頭に残りますね。

あ~りが遡行している赤木沢も上からよく見えました。

開放的な沢で気持ちよさそうです。

天気がいいと言っても尾根のピークは冷えます。
テルモスを持っ来ていたまりえさんに紅茶をいただきました。
あったかくて甘い紅茶が、疲れたからだにうれしかったです。
余裕があれば、夏でもテルモスはあった方がよさそうですね。
そして、さとこ&まりえさんのお二人、なんだか似てる…

空はいちめん青空が広がっているのに、今日の目的地の黒部五郎は雲に隠れてしまっています。
 近づくにつれ、雲はどんどん濃くなり、最後の登りまで来ると、まっしろ。
そして、緑に覆われていた道もいつの間にやらゴロゴロとした石の道に変わっています。
このゴロゴロした石が多いことから五郎(=ゴーロ)という名前がつけられたそうですよ。

まりえさんが今回いちばん楽しみにしていた黒部五郎のカールも雲に隠れがち。

山頂で粘って、晴れるのを待ちます。
いっこうに晴れる気配もないので、諦めてそろそろ小屋を目指そうと後ろを向いた瞬間、
水着のお尻に白いソックスが目に飛び込んできました。
どうやら罰ゲームで、高校生男子が水着姿で記念撮影をしているようです。
彼らもこんな姿を人には見せたくないと、私たちが立ち去るのをじっと待っていたらしいのですが、
なかなか腰を上げないので、仕方なく写真を撮ることにしたそうです。
そうとは知らず、「写真撮ってあげますよ~。あ、私の写真でも撮っていいですか。」とまりえネエさん。
少し恥ずかしそうにはにかみながらも、ポーズを決めて応えてくれました。
かわいいな~と思ってしまうわたしは、もうオバサンでしょうか。
高校生男子のあとに続いて、わたしたちもパチリ。


黒部五郎山頂からカールへと下ると、そこはもう別世界。
上から見下ろした景色とカールの中から見た景色はまったく違います。
恐竜が出てくるんじゃないかと思うような原始的で不思議なところ。
いつまで見ても見飽きません。
 青空よりも霧や靄が似合う場所ですね。

そして、このカールから黒部五郎小屋までが遠かったのです。
山頂から小屋が見えたので、すぐ近くにあるだろうと思っていたのに、歩けど歩けど小屋はなく、
「あとちょっとで、ビール。あとちょっとで、ビール。」と念じます。
ちゃんと地図で現在地と目標地を確認しないとだめですね。
小屋の近くであ~りが追いついてきて、
そして、私たちを追い越して行きました。。。。
あれ???
まあ、気を取り直し、おつかれさまのかんぱ~い!

テントを張り、あ~りといっしょにもう一度かんぱい。
赤木沢は、言うことなしの最高の沢だったそうですよ。
そして、今夜のゴハンはまりえさん作 夏野菜たっぷりカレー。

チャツネでほんのり甘い、おいしいカレーでした。

こんな湿原にある広くて快適なテン場でしたが、奥地にあるためか5張分ぐらいしかいませんでした。
もちろん、高校生男子もいっしょです。


翌朝はピーカン!
今日は鷲羽岳に寄ってから、三俣蓮華、双六と長い道のりです。
三俣蓮華の巻道を通って三俣山荘に行く道には、細い、砂利道のトラバースがあり、天気が悪い時は気をつけた方がいい箇所がありました。
雪渓も残っています。

三俣山荘で荷物をデポして鷲羽山頂を目指します。
この山荘は、向井理が主演をしていたサマーレスキューのモデルになったそうです。

鷲羽まで急坂!ねえさん二人がさくさく進むなか、必死にあとを追いかけます。
やっぱり似ているなぁとお二人をパチリ。

空が晴れ渡っていて、いい見晴し。

雲を抜け、さらに雲を抜けないと辿り着けないと思っていた雲の平も近くに見えます。
この雲の平は黒部五郎からもよく見え、名前の通り、平らな台地でした。
そして、槍は?というと、雲に隠れがちですが、よく見えます。
山頂まで行けば、さらに鷲羽の裏側にある水晶岳など裏銀座も見渡せるかなとがんばりましたが、やっぱりまっしろけ~。
どうも今回は山頂で青空に恵まれません。

お次はわれらが組長が「北アルプスでもっとも槍が美しく見えるポイント」と称賛していた三俣蓮華へ。
おしい!
少し雲が邪魔をしがちですが、手前の硫黄岳の赤とのコントラストが綺麗なのでよしとしましょう。

まだ先は長いのです。
お次は双六岳。
この双六山頂から目の前に広がる槍を見るのがさとこさんのお気に入りということで、
雲が晴れるのを待ちます。
内心へばっていた私は、しめしめとくつろぎます。
でも、大きな雲がど~んと陣取っていて、ちょっとやそっとでは晴れてくれそうもありません。
仕方なく、あきらめて双六小屋を目指すことにしました。
この台地の目の前に槍が現れたら、それはかっこいいだろうなぁと想像します。

そして、テン場でお決まりのビール+CCレモン!
の予定が、CCレモンがなかったため、代わりにラーメンを...。


長かった縦走も今日がラスト。
空を見上げると美しい星空が。まりえさんの立派なカメラだときれいに星が映りますね。
あ、流星も映ってる。いいことありますように。

さて、ラストの日を飾る朝メシは、さとこさん手作りの乾燥野菜いり焼きビーフン。
乾燥野菜は、もどすと歯ごたえが残っていてて、おいしかったです。



日の出を見てから出発しようと小屋前の山々を見ますが、方角が逆なため、ご来光は拝めません。
少し先を行ったところに、槍~穂高が一望できるところがあるので(休憩用の椅子まで用意されています。)、ここから日の出を見るのがよさそうです。

西鎌尾根もよく見えます。

新穂高温泉目指して、ひたすら下山。
鏡平で池に映る槍を見るのを楽しみにしていましたが、お昼頃にならないと綺麗に見えないそうです。

そして、途中で野イチゴを見つけたさとこさん。
夢中でイチゴを取っている間に、立ち入り禁止のロープを超えちゃってます。
みずみずしくておいしい野イチゴでした。


昼前には下山し、温泉で締めくくりました。

比較的お天気にもめぐまれ、優しい山々を楽しんだ四日間。
さとこさん、まりえさん、本当にありがとうございました!

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