Member : 組長、ちえ蔵、フジ、テトラオドン
東京都山岳連盟「岩場のセルフレスキュー」講座を受講してきました。
4名で、クラス2(岩場でのトラブルから自己脱出し、1人でパートナーを安全地点まで救助する)を受講しました。
5月20日
国立オリンピック記念青少年総合センターで机上講習。
レスキューとは?
要救助者を背負って下山するのではなく、
安全なポイント、または、ヘリで搬送できるところまで、運ぶことなんだよー。
無理に動かしたり、素人判断で治療をしない方が助かる場合が多いんですよー。
という、
お話から始まり、
3つの「S」
・Safety(安全に)
・Speedy(迅速に)
・Simply(簡単に)
を心がけて行動することが大事です。
と、教わりました。
机上講習っぽいスタート。
実技では、ヘルメット、手袋着用、岩場では、常に、セルフをとること。
という注意があり、レスキュー中の手袋の必要性を語られました。
頂では、岩場で手袋を着用する人はあまりいないので、じゃー、準備しなきゃね。
と、準備したホームセンターの安物は、実技で1日にしてボロボロになりました。
やっぱ、皮手袋なのかな~。
話を聞いてばかりでは眠くなるんで、実際に手を動かしてもらいましょう!
机を隅に移動し、受講者はハーネスを装着。
ロープ結束の確認、
・ラビットノット
・ボーラインノット、ボーラインノットヨセミテフィニッシュ
・プルージック
・マッシャー(オートブロック)、中折れオートブロック
・クレイムハイスト
など、先生が実演。
レスキューでは、バックアップをしつつラッペルしましょう。 |
実演とトークの内容が濃く、あっという間に時間が過ぎてしまいました。
ハーネスを装着したまま、
一度も、手を動かすこともなく、立って聞いてるだけで、この日の机上講習は終了しました。
フジちゃんは、ロープ結束のワンポイントレッスンを受講したことがあるそうで、
その内容とほぼ一緒でした、と言ってました。
5月25日
実技1日目です。
フジちゃんのエクストレイルに乗り込み、丹沢のモミソ岩へ。
大倉の風の吊り橋から戸川方面へ、未舗装路をガタゴトしならが、新茅荘で駐車。
フジちゃんのエクストレイルは、泥跳ねで、オフランダーらしい感じに。
モミソ岩まで、歩いて10分程度。
トップロープがしっかり張られて準備万端でした。
ギア類を装着して、講習開始。
まずは、バックアップで制動しながらラッペル。
ATCなどのビレイ器より、エイト環の方が扱いやすいのでおすすめ。
アルパインでは、ビレイ器のみ装備していることが多いですが、
ビレイ器をなくしたときの予備にもなるので、エイト環を持っていくといいですよ。
とのこと。
岩場での基本技術、自己脱出(登り返し)の確認。
山では、ザックを背負ってるから、練習でも、ザックを背負ってやりましょう!
ある程度まで登ったら、ザックをロープに掛け、重りとして使うと良い。
ということでしたが、慣れていないためか?登り辛く感じました。
ザックは、登り返したら、後で引き上げるのですが、
この時、ザックがどこかにひっかかって、引き上げられないのでは?
という疑問も残りました。
ザックが重くて思うように登れないときは、良いかもしれません。
続いて、
リードビレイからの脱出、セカンドビレイからの脱出方法の確認。
リードビレイの脱出:仮固定 |
リードビレイの脱出:支点にバックアップをとってビレイ解除 |
交代で、一人ずつ確認する間、仲間の作業を見て復習。 |
セカンドビレイからの脱出でロープを緩めるためには、コツが必要でした。
テンションがかかっていると、なかなか脱出できず、手間取ることも多かったので、
ここは、後日、自主トレが必要になりそう。
セカンドビレイからの脱出:セカンドはテンションをかけてじっと待つ。
|
昼休みもありません。
食事は、山で行動するときと同じく、時間のあるときに、各自のペースで食べましょう。
というルール。
引き上げ法を先生が実演。
スリングを使った場合 |
ビエンテは、同じカラビナ2枚で行うガルダーヒッチよりも、簡単に解除できるのが特徴があり、オススメ。
ビエンテ |
最後に、
振り分け搬送法と介助懸垂の説明を受け、介助懸垂を練習。
心配していたヒルには襲われず、16:00くらいで講習終了。
本日は、どんぐり山荘泊。
懇親会込で、7,325円でした。(細かい!)
着いたらすぐに、風呂へ。
家庭用のとっても狭ーいバスタブに、男3人並んで浸かりました。
そこで何を語ったのかは、ナイショです。
18:00から食事。
山小屋じゃない、普通の町の食事。
19:00からは、ロープ結束と搬送法の講習。
風呂入った後に、カラビナとかロープなんかさわりたくないなぁ~と、ボヤく組長。
山荘で風呂入って食事したら、そーなるよね。
でも、
講習がはじまれば、また、シャキっとする、フジちゃんが師匠と仰ぐ組長。
さすが!
アンカーポイントで分散する角度は、60度以内にしましょうね、
とか、
クローブヒッチ、ミュンターヒッチ、ラビットノットなどなど結びの確認。
メインロープのみ使った流動分散と固定分散については、
やったことがなかったので、新しい知識となりました。
流動分散 |
固定分散はスリングをまきつける、巻きつけた後のバックアップも忘れずにね。 |
できるかなぁ?と心配しつつも、ちゃんとできたフジちゃん |
1対1の引き上げはシンプルでかつ、レスキューでは有効な手段。
カウンターバランスを使えば、1対1でも引き上げできるよ、と、仕組みの説明。
1/2システムは、こんな感じ。
1/2と、1/3システムを組み合わせれば、1/6システムになる、というのを覚えておけばヨイ!
など、
詳しくは、明日やりましょう!
ってことで、
21:00からは、お待ちかねの懇親会。
酒がまわったところで、自己紹介して、ご歓談。
山についてとか、山岳会についてとか、講師の先生、他山岳会を交えて有意義な時間を過ごしました。
調子にのって、「いただきー!」の乾杯もしちゃいました。
(先生には、「峠 山の会」だと思われた。)
懇親会は、0:00終了の予定だったけれど、延長で、1:00まで続き、
二日酔いはなしよ~、講習はシラフで受けましょう!
という約束で、消灯。
実技2日目です。
6:30くらいに起床して、7:00から朝食。
朝食は、焼き鮭。
8:00にどんぐり山荘を出発。
モミソ岩に到着後、
まず最初に、1人が1人を救助するシステムの流れを先生が実演。
リードが途中で落ちて行動不能になった場合を想定し、
リードビレイからの脱出をして、救助者のところまでクライムして、
その上部の支点で、解除懸垂を準備し、救助者へ向かう。
救助者まで下降するときは、救助者の脇を通り、救助者の下へ回り込むこと。
そこで、介助懸垂を開始。
救助者のビレイループと、頭部を保護しながら、岩から引きはがすような動作をすること。
という一連の流れ。
スムーズなので簡単そうですが、
我々がやったら、時間がかかってなかなか救助できないかも。
今回は、システムを理解するためにも、
作業を分担して、3人が1人を救助するシステムを学ぶことになりました。
その前に、
朝一番ということもあり、振り分け搬送でウォーミングアップ。
ちえ蔵さんと、フジちゃんが、ペアを組みました。
身長、体重差のある、フジちゃんを背負った瞬間、周りから「おー!」と感嘆の声。
ちえ蔵さん、すごいね。
背負った瞬間 |
体格差がある人をレスキューするかもしれないので、本番さながらの練習
|
組長とテトラオドンは、いつもの山行装備で、10mm のダイニーマスリングを使いました。
背負われる側は、足と肩に食い込み、背負う側は肩に食い込み、なかなか痛い。
さすがの組長も痛いだけで、気持ちよくはない様子。
長時間は耐えられなそう。
振り分けに、しっかり体重を乗せれば大丈夫なはずですが、
それでも、10mm では、食い込みます。
ウォーミングアップが終わり、メインイベント「岩場のセルフレスキュー」です。
昨日までパートごとに練習してきた内容を総合します。
降ろす距離が長く、ロープを2本繋いで、介助懸垂で救助するという想定で、3人で役割分担をし1人を救助します。
ロープを繋ぐ場合は、2本まで。
3本つなぐと、ロープが、ぐいんぐいーん、伸びて大変なことになる。
・介助懸垂をする人
・介助懸垂をする人を降ろす人
・ロープの継ぎ目を通過させるために、降ろす人の補助を行う人
それぞれの役割を交代で練習しました。
介助懸垂する人を降ろす準備 |
ATCで介助懸垂する人を降ろす(エイト環でもやりました) |
介助懸垂で救助 |
ロープの継ぎ目を通過させるとき、
ロープの掛け替えのためのバックアップにタイブロックを使いました。
掛け替えたタイブロックを回収できるようにするためには、コツが必要。
ロープの継ぎ目の通過は、本番でもあり得るので、しっかり自分の技術としたいところです。
次に、
昨夜どんぐり山荘の講習でやった、1人が1人を引き上げる体験。
滑車なしの場合と、滑車ありの場合を体験しました。
滑車(プーリー)があると、スイスイ上がるのは当然ですが、
滑車(プーリー)を持ってなくても、便利な、DMM のリボルバーというものがあります。
リボルバーは、摩擦によるロープの抵抗エネルギーを軽減してくれます。
とても便利なので、お高いですが、1つあれば重宝します。
講習の最後に、1人が1人を上げるカウンターウェイトを練習しました。
岩場のテラスでセカンドにテンションをかけて、練習しました。
おもいっきりテンションがかかっていると、ロープの掛け替え、セットに時間がかかります。
カウンターウェイトは、自重+腕でロープを引く(腕力)+壁を蹴る力(脚力)で引き上げます。
威力抜群!
ぐいぐい上がります。
セカンドを引き上げる場合は、めいいっぱい引き上げると、衝撃があるので配慮が必要かも。
14:00で終了するはずの講習も、15:00過ぎまでかかり、
どんぐり山荘で閉講式をして、17:00くらいに終了しました。
この講習は、会の貴重なお金で受講させて頂きました。
会に還元できるように、しっかりとトレーニングを積んで、教えられるようにがんばりたいと思います。