つづら岩・三つ峠

2013-06-11

07_クライミング(ボルダリング含む)

Date : 2013/06/08-09
Member : もとき、しだっち、組長
Timeline :8日 つづら岩で岩トレ
9日 三つ峠で岩トレ


雪が終われば、岩岩岩・・・。



GW以降ずっと岩です。会山行の日和田、広沢寺。レスキュー講習のモミソ岩。そして、つづらと三つ峠。いかにも山岳会!!って感じです。あ、山岳会か?!

今回は、谷川本チャンデビュープロジェクトの一環です。つづらや三つ峠を自分の庭のように練習して、谷川の本チャンへ向かう。なんともコテコテ???なプランで、こういうのは個人的には好きじゃないんですが、やっぱり練習は大事だし、こういうクラシカルな?ステップアップもやはりそれなりに合理性があるように思います。

ということで、初日はまず、もときさん、しだっち、とともにつづら岩に向かいます。なぜか知りませんが、千足バス停から先のマイナー??な登山道にはたくさんのハイカーがうようよしています。「こんなとこ歩いて何が楽しいんだ」なんて言ったら、もときさんに「あんたも何年も同じようなことしてたやないかい」と突っ込まれました。もう昔の気持ちなんて忘れました。

つづら岩まではアプローチが長いとよく言われます。まあ、長いと言ったら長いです。フリークライマーの気分で行くと長いです。アルパインクライマーの気分で行くと短いです。なんちゃってクライマーの自分は・・・。

最近歩いていないというしだっちは、早々に離され始めます。「全く息が切れていないのがすごい」なんて言われましたが、同い年じゃないっすか!!もう少し頑張りましょう笑

そんなこんなで長くも短いアプローチを終え、無事、つづら岩にたどり着きました。明るくてなかなか良いゲレンデです。
簡単なロープワークの確認をして早速登り始めます。まずは、自分がオールリードで、トポもよくみないで適当に登れそうなラインを登ります。後から確認したら、Ⅳ+のルートから一般ルートⅣを通って上まで抜けたようです。全体的に特に難しいところはありませんが、出だしから足を滑らせ、そのときに指皮を持っていかれ、出血ドボドボでナーバス慎重クライミングでした。
つづら岩は自分の嫌いなチャートで先週の小川山のフリクションとは全く違います。ところどころエッジも立っていて、落ちたらあっちこっちぶつけて痛そうで、、なかなか恐いです。その上、プロテクションはかなりプア。まあ本チャンの練習ゲレンデなんでこんなもんですが、錆びついてひんまがったピトンと伸びきったリングボルト、浅打ちのRCC、時々ハンガーボルト。。。ただ、終了点・下降点はしっかり整備されていて安全です。終了点からの景色はすばらしいです。取り付きから1ピッチで抜けることもできますが、練習と考えれば、途中で切った方がいいでしょう。下降は50m1ピッチで十分足ります。

続いて、もときさんリードで、リーダースピッチⅤ~つり上げルートⅤ+。リーダースピッチは結構細かく、バランシーで緊張します。ムーブ的には5.9くらいに感じました(基樹さんの体感グレードは10b)。2ピッチ目のⅤ+は、アンダーからの一手がホールドが乏しくなかなか悩ましいですが、上手くカチを拾えば問題ありません。
しだっちは、このルートは大苦戦・・・。心がポッキリいってしまったようで、すっかり消沈気味でした。
リーダースピッチⅤ
途中の立木でビレイ

つり上げルートⅤ+

ラッペル

続いて、しだっちにリード練習をしてもらおうということで、オケラルートⅢを自分と二人でつるべで登ります。その名の通り、オケラのように穴の中を這いつくばって登ります。上部はルートを間違って、右にトラバースして、左ルートⅣに合流してしまったようです。解除のコールが聞こえたのは、すっかり日も落ちた頃・・・というのはウソですが、かな~り時間がたってからようやく聞こえてきました。まだまだ慣れないということもあると思いますが、アルパインはいろいろと難しいですよね。
右クラックⅣ



しだっちと基樹さんが右クラックⅣをやっている間、そこらへんに転がっている岩でボルト打ちの練習をしました。もちろんボルトなんてヤツを積極的に使っていこうなんて考えはこれっぽっちもありませんが、緊急脱出・レスキュー用のアンカーとして、ピトンなどよりはやはり安心だと思いますし(残置するにしても、ピトンよりリングボルトの方が安いし・・・こっちが本当の理由かも・・・)、実際の岩場で何となく使っているリングボルトというものがどういうものなのか、自分で打ってみて知ることもあると思ったので、練習する価値はあると思いました。

その後、しだっちに登り返し等、いろいろと練習してもらって、無事終了。
再び、長くも短いアプローチをとぼとぼと帰りました。
しだっちは、準本チャンといわれるこの岩場で、岩登りの厳しさ、楽しさを経験できたようです。お互いもっと練習しましょうねー。



2日目の三つ峠。
朝、登山口付近の駐車場にはすでに車がいっぱい。手前の路肩まで停まっていましたが、ちょうど運よく出る車があったので、いい場所に停められました。
四季楽園から見た岩場にもたくさんのヘルメットの人たちが・・・。
さすが三つ峠。昨日のつづらには誰もいなかったのに、こっちは大賑わいです。
空いているところはないかとウロチョロしていたら、昨年秋に剱の八峰Ⅵ峰Cフェースでお会いしたガイドさんに出会いました。自分のことも覚えてくれていました。あの時はテトラオドンさんがちょっとしたご迷惑をおかけして・・・。なんて思い出話をしました。都岳連ルートⅤで皆さん楽しそうに講習中でした。ナイスなガイドさんでした。

右フェイスのあいているルートをつなげて登ります。
一般ルート左Ⅳ+~T字クラックⅤ-~№15クラックⅣ+~歩き~権兵衛チムニーⅣ。
T字クラックのカムの効きがイマイチだったので少し緊張しましたが、特に難しいところはありません。最後の権兵衛チムニーは印象的でした。チムニー登攀は初めてでしたが、体全体のフリクションを使ってズリズリズルズル。奮闘クライミングです。楽しいかどうかは置いといて、何となく癖になりそうです笑。
いろいろとモタモタしていたら、結構いい時間になってしまったので、下りてきて一服した後は、とりあえず有名な中央カンテをやってみることにしました。
Ⅱ~Ⅲの階段状と左上ランぺを1ピッチで登り、2ピッチ目のクラックⅣ+はハンドジャムがばっちり決まり、なかなか快適です。3ピッチ目はせっかくだからということで、Var.の右ルートⅤ+を登りました。プロテクションが少なく、少し緊張しましたが、ムーブ的にはそれほど難しくはありません。もときさんを終了点でお迎えして、2日間の岩トレは無事終了と相成りました。
全景



世界遺産
 

ヘルメットいっぱい

三つ峠は岩場自体が大きくとても開放的で、富士山のロケーションも抜群。簡単なのから難しいもの、フェイス、クラック、チムニーと内容も多彩でやはり練習には最適の岩場だと思いました。

最近、当会でもようやく??いわゆる「本チャン」を目指す人、やりたいと考えている人が増えてきました。とても良いことだと思います。過度に難しい、危険なアルパインルートは別にして、やはり初中級のバリエーションルートこそ山登りの本当の楽しさが詰まっていると思います。のんびり気楽にハイキングもいいですが、目標とするルートを決め、それに向けてパートナーと練習して技術や経験を積み、本番を迎える。そうやって登った山には、やはり格別の充実感がありますし、山をやっていて良かったと心から思える瞬間があります。

バリエーションにでかけるには、やはり練習が必要です。鰻の蒲焼みたいに、「串打ち3年、割き5年、焼き一生」みたいな、まずは三つ峠やつづらで練習し、谷川で本チャンの恐さを思い知り、穂高や剱の岩場へ、みたいなクラシカルな??考え方はあまり自分は馴染みませんが、とにかく練習は必要です。目標とするルートに必要な技術を、実際にはおまけが出るほど練習して初めて本番に臨む、というのがやはりあるべき姿なんでしょう。一緒に行くパートナーと何度も練習することで、パートナーの事もよく知ることができます。山を知ること以上に人を知ることが重要だったりします。
皆さん、練習しましょう!!!そして、山をやっていて良かったと心から思える瞬間を味わいましょう!!!

(組長)

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