下ノ廊下

2013-11-03

01_無雪期 l_北アルプス

Date : 2013/11/02-03
Member : あ~り、フジさん、H君、まり(L、記録)
Timeline :11/2 扇沢7:30→トローリーバス→7:45黒部ダム8:00→11:20黒部別山谷16:30阿曽原温泉
11/3 阿曽原温泉6:00→11:10欅平

紅葉真っ盛りの下ノ廊下を堪能してきました!
錦秋の景色、高度感&アトラクション要素満載のルート、露天風呂が堪能できるテンバ、、そして、フジさんの復帰戦という盛沢山&大満足の山行となりました。
下ノ廊下は1年のうちに2カ月しか開通しないという貴重なルート。いつか紅葉の時期に行ってみたい、と狙っていた場所です。そんな時、ちょうどフジさんが縦走なら復帰できそう、という連絡をもらい、「この時期行くなら下ノ廊下でしょう!」とここぞとばかりに提案。そして、当会の山行には久しぶりとなるあ~りも参戦。空木で山の楽しさを知った(と勝手に信じている)H君も参戦。最近の頂にはめずらしく逆ハーレム状態で下ノ廊下に臨みます

11/2 
今回は出発は扇沢、出口は宇奈月温泉となるため、車は回送サービスを利用。そのため、扇沢でフジさんのエックストレイルとはしばしの別れを惜しみます。(所有者フジさんはずーと、自分の車が日本海を渡っていないか、気にしていました。言われてみれば、最初に業者に車のカギも回送費用も渡すため、車が戻ってくる保証はない、という超信頼関係で成り立っている方式。さすが、日本)

扇沢ではいつもの名物駅員さんの口上を聞きながら、朝一のトローリーバスにのって、黒部ダムへ。同じくいつもの破砕帯の説明を聞きながら、黒部ダム上部に到着。降車後は観光客の流れには乗らずに、トンネルの奥に進み、鉄の扉を開けます。と、そこには観光客の喧騒とは無縁のきれいな山々が。下ノ廊下の入り口です。ちなみに、阿曽原温泉小屋がもう営業していないので、登山客は少ないだろうと想定していたのですが、複数パーティいて、少しびっくり。準備をし、いよいよ出発です。
観光客が黒部ダムを堰堤上から見ているのに対し、黒部ダムを真下から見上げるという一風変わった景色を楽しみながら、落ち葉の上を歩いていきます。

トローリバスをおり、そのままトンネル内を進む
黒部ダムを見上げる。堰堤の上にいる観光客の影が見えました
しばらく高度を下げると、だんだんいい感じに木の葉が色づいてきます。これは、素敵な紅葉が期待できるのでは、と胸を躍らせながら進むと、やはり美しい!
紅葉狩りにはベストなタイミング!
絨毯みたい!!
途中から、落石&低い天井に頭をぶつけないようにヘルメットを装着。
頭上注意なのです
滝やその川の美しさに感嘆しながら、その黒部の深い谷を歩いていきます


雄大!
遠景からみると、この谷の深さがよくわかります
黒部別山谷の前は、有名な高巻きの梯子が登場。しっかりと整備されているので、安心して進むことができます
高巻の梯子
高巻を無事通過し、黒部別山谷でほっと一息。
黒部別山谷
でも、これからが本番。ますます楽しいルートの始まりです。
ここのルートは高巻の梯子のように、危険そうな箇所には梯子、橋、そしてワイヤーがつけられていて、とても安心感があります(ただ、高所恐怖症の人には場所によっては怖く感じるかもしれない・・)
橋やワイヤーの整備がばっちり。毎年整備してくれる方に感謝です!
通っている時より、遠くからみた方がスリリング!
断崖絶壁の真横を流れる黒部の荒々しい姿に感嘆しながら、
白竜峡あたり(たぶん)
白竜峡あたり(たぶん)
雄大な滝を何度も通りすぎ、

たまには、滝の流れの下を悲鳴とともに通りすぎながら、

つめたーい
錦秋の紅葉を愛でながら歩く。

 
そんな贅沢な時間を堪能し、十文字峡に到着

まさに十文字


十文字峡直後のつり橋。高所恐怖症、走り抜けます!!
そこからまた、延々とトラバース道を歩きます。
ちなみに、人間というのは不思議なもので、最初は素敵!と感激していた景色も延々と続くと、すっかり飽きて、眠いーといいながら歩く始末。なんという贅沢。。。。

黒部にけが人はいない(なにかあったら怪我では済まない)という言葉を実感
高度感あります
 途中S字峡といわれる、美しい場所にうっとりしながらも

S字峡も奇麗に色づいていました
疲れてきて&景色にも飽きてきたころに、ふと目の前に人工構造物登場!普段であれば山で人工物に会いたくないのに、今回はなぜかうれしい。これまで通ってきた道のそもそもの目的地だからであることに加えて、私が楽しみにしていた、山の中なのに、「関電の施設を通る」というイベントが近づいてきたからかもしれません。
不意に現れた関電の施設
一気に谷を降下すると、仙人谷ダムが現れます
すごいきれいな青。バスクリン、何個分??
仙人谷ダムの放流口。自然の岩盤が生かされてる河床が素敵でした
そして、ついに仙人谷ダムの管理施設の中を通ります。

おじゃまします
すると、専用鉄道が現れます
専用鉄道
注意 って。。。
楽しすぎです!
テンションあがって、その鉄道を少したどってみると、、、蒸し熱い!ものすごい湿度ともに、奥に行けば行くほど気温が上がっていきます。そう、サウナ状態
鉄道の先は・・・
湿度がものすごくて、カメラも曇る
ちなみに、下山後に読んだ「高熱隧道」の本によると、この仙人谷ダムをつくるにあたり、もっとも苦労したのが、このダム近辺にある166度という岩盤温度。このすさまじい温度の岩盤を相手に、放水しながらトンネル工事を完成させたとのこと、しかも、戦前に。先人達の偉業に頭が下がります。

そんな楽しい場所を後にして、1時間ほど歩くと、ようやく本日のテンバ、阿曽原温泉に到着。
当初、小屋は営業していないため露天風呂は自由に利用=女の私が風呂に入ることは難しいかな、と思っていたのですが、小屋閉のために小屋管さんにいらっしゃり、お風呂は女子時間も設定してくれありました!ラッキー♪(ただし、テンバ代+温泉代はしっかりとられました・・・)
テンバ。小屋は営業していないけど、結構人は入っており、15張位はありました。
まずは男子の時間帯だったので、男性陣が風呂を堪能。
その後、鍋、いも焼酎、泡盛、ハブ酒をたらふく堪能。すっかり酔っ払いとなってへべれけになっている男性陣をシュラフに入れて、私はようやく露天風呂へ。
これがよかった!!
真っ暗で何もないところに、湯船のみが存在する状況。
さらには、ちょうどいい温度のお湯、広々とした湯船、そして、頭上には満点の星空。
なんという贅沢!!お風呂に漬かりながら、飽きることなく星空を眺めていました。
とっっても感激したので、テンバに戻ってみんなにもお風呂に再度行くように勧めましたが、酔っ払いは誰一人起きることなく、、、、、朝になりました。もったいない。。。

11/3
朝食は具沢山ラーメンにしたら、汁が作りきれず、つけ麺風になってしまったけど、それはそれで美味しいものになりました。

男3人だと食べる量も多い・・
あいにくの曇り空でしたが、相変わらず美しい紅葉が続いています。
きれー
 そして、今日の私の中でのわくわくポイントの一つ、水平歩道の登場です
ざ・水平歩道って感じ


見よ、この水平っぷり
そして、不意にトンネル登場。
ディズニーランドのアトラクション?!って突っ込みを入れながら砂防ダムの中をとおります。
 
トンネルの入り口
トンネルの中
トンネル出口
楽しい。。
 
そして、本日の最大のわくわくポイント、志合谷トンネルの登場です。ここは150mも続くトンネル。真っ暗なので、ヘッドライト必須。足元も水が流れていて、変な感じ。ふとライトを天井に照らすと、岩盤が光って見えます。ラピュタを思い出し、「バルス!」って叫んじゃうH君。それは、滅びの呪文です。。
志合谷トンネルの入り口

ヘッドライト装着

トンネルの中 光を当てると岩盤がきらきらしていました
低い天井に頭をぶつけたりしながら、5分、6分歩きます。暗い中を歩き続けていると、この道が本当にあっているのか、とか、もしかしたらこのトンネルをでると違う世界に出るんじゃないか、とかよくわからない妄想が膨らみます。そんな馬鹿話をしていると光が!出口です。 
出口がみえたー
無事に元の世界に戻ってきて、ほっとしながらこの谷を見つめます
志合谷を見つける。この谷の中をトンネルが通っている
いやー不思議な体験です!
 
ここで再び高熱隧道の本の話。この本によると、仙人谷ダムを造成した際にこの地で雪崩により80人以上の方がなくなったとか。しかも泡雪崩により生じた爆風により、6階建てのコンクリートの建物の上部ごとが吹き飛び、吹き飛んだ部分は対岸まで飛ばされた、と。。。信じられない話ですが、自然の力は本当にはかり知れません。
 
ずーと続く水平歩道。昨日よりも高度感のあるところをてくてく歩き続きます
U字状の谷で写真のとりあいっこ
左肩以外は絶好調!
頭上には、スズメばちの巣がありました・・・
そして、ふと、現れる送電線と大量の観光客。そう、ついに終着点、欅平です。
でも、まだイベントが。欅平から宇奈月温泉まではトロッコ電車に乗るのです!
黒部川沿いを走るトロッコ列車。紅葉真っ盛りのこの時期、大勢の観光客にまぎれて、ザックとともに乗り込みます。
トロッコ!
が、周りの観光客が楽しんでいる景色は、下ノ廊下を歩いてきた私たちには大した魅力には映らず、、。気づけば爆睡
しかも寒い
無事に宇奈月温泉に辿り着き、そして、少しうろうろ探したけど無事にエックストレイルとも再会できました
 
下ノ廊下。
登山とは違った形で雄大な自然を楽しめる素敵な場所でした。
そして、行く際には、「高熱隧道」を読むことをお勧めします。黒部の「美しい」以外の側面にも触れられると思います。
 
良い時期に、良いメンバーと行けて本当に楽しかったです
一緒に行ってくれた皆さん、ありがとうございました!!


温泉でこの3人の全裸姿をみた学生さんが
「消防団の方ですか?」と言ったらしい
何をみたんだ

(記録:まり)


 


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