湯河原 正面壁

2013-11-24

07_クライミング(ボルダリング含む)

Date : 2013/11/23-24
Member : Uさん(ゲスト)、組長
Timeline :23日、24日、湯河原幕岩正面壁。しとど庵テント泊。


今年10月にクライミング解禁となったばかりの湯河原幕岩正面壁に行ってきました。

久しぶりに電車で岩に向かう。のんびり本でも読みながら小田急線に乗っていると、次第に綺麗な富士山が見えてきた。もうすっかり5合目あたりまで雪化粧。登山の対象として、ということはともかく、やはりこの山は美しい。別に、ニッポン人だから、なんて野暮なことを言うつもりはない。この山の美しさに思わずはっとする感覚を持たない人とは仲良くなれそうもない。

土曜日朝の小田急線には、おそらく丹沢あたりにハイキングでも行くのだろうと思われる方々がいっぱい。。この日のために買いそろえたカラフルなウェア。カワイイ帽子。一方で、先週の汚れが残った靴を履き、カムやらロープやらでやけに大きくなったザックを背負う自分。彼女らにとっては山は非日常、自分にとってはもはや日常。どちらが普通か?ってそりゃ彼女らだ・・・。
さてさて、どんなかわいい子だろうと何気なく顔を見たら、ただのババアだった・・・。後ろからじゃ分かりまへん。
ま、たまには電車で行くのもなかなかいいねって気がした。

湯河原駅でUさんと待ち合わせ、クライマー満載のバスで幕山公園へ。
先にテントを張ってしまおうと、しとど庵に向かう。以前ここでテントを張ったことがあるが、その時は誰もいず、まあ湯河原は普通日帰りだよねーと思っていたら、今日は何か大勢いた。すでに大きなテントが二つ。自分たちのテントを立てていたら、さらに別のパーティーが大きなテントを立て始める。すぐにしとど庵の駐車場はテントでいっぱいに。いやいやここてこんなに混むところなんですかねー。びっくりした。しとど庵のおやじもてんやわんや。

それにしても、非常に暖かい。先週の瑞牆とは大違いで南国楽園状態だ。
早速、今年10月1日にクライミングが解禁されたばかりの正面壁エリアへ。正面壁は、自分がクライミングを始めた頃からちょうど落石により登攀禁止になり、いまだ一度も登ったことはない。崩落が現在進行中のテントウ虫ロックはいまだ登攀禁止。
正面壁へは、二つのアプローチがあるが、テントウ虫ロックの下を通って、正面壁の右端に出る道の方が良く歩かれているし分かりやすい。

着いたはいいが、もう早速のひとだかり。久しぶりの晴天の土日ということもあるのか、いよいよ湯河原シーズンインなのか、とにかく激混み・・・。ちなみに、この日の茅ヶ崎ロックはさながらディズニーランドの人気アトラクション状態だったらしい。。恐ろしや。

初めてきたのでルートが良く分からず、とりあえず人に聞いて、見栄えのいい「№7ルート10b」に取り付く。正面壁はルート数こそものすごく多いが、密集しているため横の広さはなく、少し歩くとトポに書いてある5,6ルートはあっという間に通り過ぎてしまう。
さてさて、アップのつもりで取り付いたこのルート。最初の簡単なスラブをすたこら登って、少し立ったフェイスへ。カチがあるね、ふむふむ、と登っていると・・・意外とムズイ。あれこれやっていると、いつもの悪い癖で少し遠めのスローパーに思い切って手を伸ばしてしまう。そんで行き詰って、テンション。あれこれ奮闘している間に、手前にもうひとつ良いカチがあるのに気付き、何とか突破。上部はチムニーからハンドクラック(5.7くらい)を登り終了点へ。思わぬ10bの逆襲に意気消沈だったが、2便目はホールドが分かったのですんなり行けた。
Uさんはさすがのスタティックムーブであっさりフラッシュ。うまいなあ。

その次は、気をとりなおして、すぐ左の「ポニーテール5.9」。100岩場では5.9となっていたが、現場の木にかかっていたトポには5.10と書いてある。整備に当たって中間部のフレークを落とし、グレードが少し上がったらしい。といってもやはりこちらは快適なアップルート。長さもあるし景色もいいので、エンジョイクライミング。

正面壁はクラックも豊富。最近すっかりクラッカーになったUさん、ちょっとかじりだしたワタクシ。綺麗なコーナークラックの「コナン5.9+」をやってみる。同じようなグレード、ルート内容で湯川の「台湾坊主」や小川山の「小川山レイバック」があるけど、それよりもこっちの方が簡単。

続いて、すぐ左の「かずえちゃん・としおちゃん10d」。Uさんはあっさりオンサイト。ゆっくりゆっくりと確実なムーブ。おーし、おれも行くぜと、取り付いてみる。最初は結構細かい。中間部でノーハンドレストできる。そこからもう一仕事しますかーと右に出て、バランシーなフットホールドで慎重にいってから、左手でアレートをつかむ・・・ってこの先が分からん。そうこうしているうちに、なんとなくスメアしていた足が外れて落ちる・・・。結局こいつに3便かかってしまった・・・。それも核心はデッドでガバを取りに行った。足をちょこちょこうまく使えばスタティックに取れるらしいが、下手くその自分にはそれができない。ピンチになるとすぐ飛びついてしまういつもの悪い癖がまた出た。近くでいろいろ教えてくれたベテランクライマーのおばさんは、「あのムーブはできない。ああいうことができると12とか13とか登れちゃうんだわー」っておっしゃられた。。。いや、ただ足使いが下手なだけなんですが・・・。ただ、褒められると調子に乗る。ま、でも目の前にガバがあるのが見えてんだから、飛びついてもいいよね!!パシッと手が止まった時の感触がたまらんし。

Uさんは、すぐ左の「ジムシー10c」に手を出すが、意外と難しいらしく、オンサイトならず。でも2便目でしっかりけりをつけた。
スタート遅かったのと混んでたので、まあこんなもんかねとクライミング終了。
しとど庵にはテント村ができていた。大人数の山岳会パーティーが二つぐらい入っていると見えて、上ノ小屋の中のBBQスペースと駐車場のど真ん中で大宴会が始まった。我々二人は隅っこでささやかな夕食を頂く。Uさんから頂いたニジマスの燻製を食べようとしたが、肝心のビールを買い忘れた。ビールなしで燻製を眺めていても地獄なので、そそくさとザックにしまう。
宴会は我々が寝た後もなおも続き、次第に山の歌の合唱が始まり、先輩面したおっさんの昔の武勇伝話がはじまった。めんどくさそうに相槌を打つワカモノっぽい後輩。なんか良くも悪くも伝統の山岳会っぽいなー。頂にはない感じ。別に聞き耳を立てているわけではないけど、テントのすぐ隣で宴会しているので、いやでも耳に入ってくる。超うるさかったが、いつぞや小渕沢の道の駅で夜に宴会やって怒られたこともあったので、まあお互い様かな・・・。まあでもせめて10時過ぎには終わらせてほしかったけれども。
しとど庵のテント村

朝は南国湯河原ももさすがによく冷えた。よく晴れていたので放射冷却の影響もあったのだろうか。車は霜でまっ白。テントの結露もけっこうあった。
今日も正面壁。歩けばすぐに暑くなる。
今日は一番左端の「№1ルート10a」からスタート。トポには幕岩を代表するクラックとある。10aのクラックをリードする自信がまだないので、Uさんにトップロープを張ってもらう。Uさんもだいぶ苦戦したようで、見事にオンサイトしても、もう今日終了!!ってくらいの会心のクライミングだったようだ。
さっそく登りだす。サイズはハンド~フィンガー。右クラックからメインの中央のクラックに移るところがかなりバランシー。その上もかなり厳しい。フィンガージャムを決めながら、両足スメアでじりじり上がる。フィンガーはよく決まった。最後も悪い。左の方に大きな浮石がある。ガバなのでつい使いたくなるが、使ったらビレイヤーを殺してしまう恐れあり。ヒーヒー言いながらなんとかノーテンでトップアウトできた。リードするにはもうちょっと修行が必要だ・・・。人気のこのルートは自分たちが終わった後は行列ができていた・・・。

続いて、右隣の「サマーアイズ10a」こいつはフラッシュしたが、10a??って感じ。なかなか悪い。けど面白い。

見渡す限りどのルートにも人が取り付いている。唯一空いていた「№3ルート5.9」と「アジア10b/c」。前者はクラック。ムーブもいろいろあって面白い。ルンルンで登る。後者は超悪い。ていうか、できなかった・・・。10bができんのかい!!ってへこむ。リーチなのかバランスなのか、良く分からんがムーブがとにかく分からん。わからんのでやめる。

気を取り直して「カマクラ10c/d」。こいつは短いし取り付きやすい。ホールド細かくバランシーでとても良い課題。オンサイト。
ってその前に「あもんブライダル10b」っぽいのをUさんがやるが、超悪いらしい。フォールグレード??笑、を更新。本当に10bかい!?

日も暮れかかった時間になって「リフレクション10d」に取り付く。中間テラス後のアンダー乗越しが核心か。先週瑞牆ボルダーであいた右手人差し指の穴がもう一度パックリ開いていた。しょうがないから、人差し指を使わないでカチる。最後のボルトまでいったけど、もうなんか指が痛くなったので下りる。また今度やろ。

帰りは駅近くのラーメン屋「大西」でワンタン麺を食べた。いかにも町の素朴なラーメン屋という感じのこの店。常連っぽいおやじがいつもので!!みたいな感じで、いつも座っているであろう席に座る。飾り気のない店内に無造作に積まれた日焼けした漫画。脂っぽいテーブルにどんぶりいっぱいになったラーメンがスープに突っ込まれた親父の指に運ばれてくる。おやじもおばさんも底抜けに明るい。なんかいいなぁーこの店と思った。落ち着く。しょうゆベースのスープは素朴で美味い。ワンタンも自慢らしく美味い。ボリュームも満点。

湯河原正面壁は、茅ヶ崎ロックに比べルートは長いし、クラック、フェイスと内容も多彩。かなり遊べる。ただ、見栄えが抜群の「スパイダーマン」や「スパイダーキッド」なんかは12aとか12bだし、手ごろな11台があまりない。それに、茅ヶ崎ロックに比べてグレードがかなり辛いように感じた。
そんなことより、湯河原の混雑は何とかしてほしい・・・。クライミング流行ってんのか??

(組長)

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