Date : 2012/11/30-12/01Member : まり、フジ、ちえ蔵(記録)
Timeline :11/30 一ノ沢登山口(6:40)~大滝(7:40)~笠原沢(9:20)~常念乗越(16:00);冬期小屋
12/01 常念乗越(6:15)~常念岳(7:20)~冬期小屋テント撤収・下山~一ノ沢登山口(12:20)
山々が真っ白に雪化粧をする雪山シーズン到来。初冬の北アルプス・常念岳に行ってきました。
11月末のお休み、雪山始めに行きたいなと妄想しておりました。そんな時、お休みが重なったまりさんから、「一ノ沢林道が閉鎖前に、常念岳はどーかな?」とご提案。安曇野から見えるピラミダルな山容がカッコイイ常念岳、山頂からは槍・穂高連峰の絶景も見られるぞ!と、北アルプス・常念岳にアタックすることに決定。
一般的に、林道が閉鎖された冬季常念岳に登るには、烏川林道の途中から取り付く、南東尾根が使われることが多いようです。今回は、林道閉鎖直前、一ノ沢登山口まで車で入れるため、一ノ沢からのピストンとしました。
前夜29日、都内錦糸町集合。同窓会?後のまりさんと、スタッドレスに履き替えピカピカのエクストレイルに乗ったフジさんと、一路安曇野を目指します。深夜、一ノ沢登山口手前で車中泊。空は満天の星、翌日に期待して仮眠を取ります。
11月30日。登山口目前のスペースに車を移動し準備。他に車が1台。
登山口を出発して10分もすると、「山の神」様の鳥居。安全祈願をします。一ノ沢の登山道は、胸突き八丁の登りまでは、樹林帯の中を、沢に沿って歩いていきます。大滝の道標までは、ほぼ夏道通りのコースタイム。ありがたいことに、先行者のトレースもあり。しかし、途中で日帰り装備の男女が下山してきました。先で道が分からなくなったとのこと。そんな事言われると緊張が増しちゃいます。
笠原沢を過ぎ、雪も多くなってきて、先行者のトレースもなくなりました。でも、赤布が所々にあるし、迷いそうな地形でもないので、先を目指します。
今日はとっても天気が良い |
このルート、第一関門として渡渉があります。雪の沢の渡渉は、石と石の間にはまったら大変。ストックやピッケルで雪を払い、慎重に、ある時は大胆に渡渉をします。また、渡渉箇所の目印が見つからない場所もあって、ルートを探すのが大変でした。
そのうち、健脚な日帰り装備のお兄さんに追い越されました。お兄さんはつぼ足でスタスタ進んでいくけれど、テント泊装備の我々は、すっかり雪に足をとられて、げんなり。ということで、ワカン登場!
ワカンをつけて進む |
ワカンを装着して、わっせわっせと進んでいくと、常念乗越に詰めあがる沢との分岐に到着。地形図では、目の前の尾根に上がるのだけど、いまいち取り付きが分からない。加えて、先行するお兄さんは、乗越に詰めあがる沢の方に進んでいきます。雪崩の危険もあり、お兄さんに本当にそちらに行くのか確認するも、ちょっと行ってみますとの事。我々は、再度地形図でルートを同定。併せて、まりさんのスマホGPSで所在確認。(ちなみに、お兄さんは、日帰りで偵察なんです、と途中で帰っていきました。)
さて、第二関門は、胸突き八丁の登り。尾根に取り付き、たっぷりついた雪をラッセルしながら、つづら折りになった道を登っていきます。雪は膝上から多いところで腰くらい。雪にはまって焦っても、体力を消耗するばかり。「一歩前に足を出したら、一瞬休憩して、ハイっ次!とゆっくりテンポ良く行くのがコツだよ。」とフジさんが教えてくれます。何より、トライアスロンに出ちゃう体力の持ち主のフジさん、さすがのラッセルです。加えて、毎週のように山を歩いて「山が恋人」状態のまりさんも、ガッツなラッセル。
尾根に乗り、ラッセルスタート |
第一ベンチからもまだまだ遠い・・・ |
三人で交替しながら(フジさんがかなり頑張ってくれました。)ひたすら、上を目指します。夏道50分の道のりを4時間かけてのラッセルでした。
やっとのことで、常念乗越に到着すると、見たかった景色が出迎えてくれました。思わず、三人とも顔がニヤけて、「やったー!」の雄叫びがでます。
そうなのよ、この景色が見たかった! |
槍ヶ岳、今日もカッコイイ |
疲れも忘れて、槍ポーズではしゃぐ大人 |
冠雪した槍・穂高連峰と沈む夕日。空気が澄んでいて遠くまで見通すことが出来るこの季節が大好きです!。凛とした空気もまた気持ちよい。
日没も美しい |
ひとしきり写真を撮ると、本日の宿は、常念小屋の冬期小屋。中には、燕岳から縦走のソロの方が一人。小屋の中にテントを張って、夕飯と晩酌。寒い、寒いといいながら、キンキンに冷えたビールが美味しいです。小屋には、燕から縦走のソロの男性と我々のみ。快適でした。
お世話になった冬期小屋 |
翌12月1日。天気予報は当たって、小雪の舞う中、空身で常念山頂を目指します。稜線上は雪も適度に飛ばされており、アイゼンをきかせながら、登っていきます。
小雪舞う中、出発 |
途中、日の出とともに、周囲の山々が朝日にキレイに照らされて、テンションも上がります。
朝日に照らされた横通岳を背中に |
真っ白だけど、山頂~! |
下山は冬期小屋のテントを撤収し、小屋の戸締りをしっかりして、前日のラッセルの跡を下っていきます。あれほど苦労した、胸突き八丁の登りも、下りはあっという間。
山の神さまに無事の下山のお礼を言って、エクストレイルが待つ登山口に到着。
自分たちでラッセルして切り開いた道は、なんだかとても愛おしい。そしてその先に見えた景色は、とってもキレイな初冬の常念岳でした。