Member : フジ、組長
Timeline :林道ゲート0718~取水堰0742~0819二俣~0947三ツ釜~1235大滝50m~1420林道~1545林道ゲート
苗場山北面に位置する百名谷の釜川右俣は、沢のエッセンスが詰まったチョイ悪、美渓だった。
朝。
異常に眠い。
耐えられず、二度寝する。
アプローチの林道は少しわかりづらかった。その上、国道353が通行止めで、大回り。
3連休のはずが、尋常ならざる忙しさの休日出勤のため潰れ、前夜泊日帰り沢もかなりの遅出となってしまった。フジ兄、運転ありがとうございました。
寒い。
涼しいというよりも、寒い。
昨日の夜で14度だった。朝はもっと下がっていたはず。
そして今日は泳ぎの沢だ・・・。
天気はというと、どうやら天道様の元気がない。薄曇り。あんたが頑張ってくれなくっちゃ、今日の沢は大変だよ。
林道ゲートから左にのびる小道をゆく。現在、取水堰の工事のため軌道が引かれている。
取水堰から入渓し、しばらくゴーロを行くと早速、長い淵となる。盛夏なら泳ぎ。でも今は考えられない・・・。まあ遅かれ早かれこの沢は泳がずには突破できないんだけど・・・。
最初の長い淵。左岸に釣り師のトラロープがある。 |
巨岩に時折行く手を阻まれながらも、特に問題なく二俣に到着。
右俣に入ると、早速、胸まで浸かっての遡行が始まる。
水に入る前に相当な気合が必要。
長い淵と深い釜、大きなチョックストーンと滝・・・というのがこの沢のパターンだ。
最初の小滝。 |
早速、胸まで浸かる。 |
2つ目の滝。 |
3つ目の長い淵からのCS滝は、出口が見通せなかったので、左岸巻き。巻道は明瞭だ。最後は、6m程のクライムダウンで沢床に復帰。
左岸巻き |
その先は、両岸が切りたち、ゴルジュの様相。
美しい釜には、いかにも岩魚が潜んでそうだったが、それほど魚影は濃くなかった。時折デカイ奴が、悠々と泳いでいたが。やっぱりこの前の七滝沢は異常だった笑。
合理的なルート、安全第一は大事なことだ。
でもたまには不合理なこともやってみたい。
長い淵の行けるかわからないトラバースを試みる。もちろん落ちても安全なとこ。
Ⅴくらいに感じた。薄かぶりでひどく悪い一歩がある。痺れた。
左岸の側壁をトラバース |
満々と水をたたえた深い釜。
エスケープ不可能な側壁。
泳ぐか。
泳ぎますか・・・。
がんばってへつっても・・・ |
結局浸かる・・・ |
20mのロングスイム |
流れはないので泳ぎ自体は簡単 |
ふと気づけばもう秋だ。
今年はほぼ沢だった。
岩はほとんど行けてない。
クライマーとしては、随分弱くなった。でも獣としては随分強くなったはずだ・・・。
最後のS字状の最狭部 |
側壁トラバース |
車で乗り付けて、少し歩けば到着できるところにこの滝があったならば、たくさんの観光客が押し寄せることだろう。
何年か前にガイドブックで一目ぼれしたその滝は、期待を裏切らなかった。いやそれどころか、時に自然は想像を凌駕する。
ヤド沢に入ると、美しいナメと滝が連続する。
堰堤状の滝は右から越える |
広大なナメからの20m滝 |
20メートル滝は、右から登れる。
中間部の1,2歩が強烈に怖い。
打ったピトンも浅効きだったので痺れた。上部はシャワークライム。
フジ兄もひどく苦戦している。
シャワーを浴びてからのビレイはこたえた。早く来てくれー。冬期のクライミングみたいだ。
上部はかなり 浴びる |
コイツは左の丸っこいリッジに取り付く。Ⅲ+ |
途中でセミになったフジ兄を救出 |
巻きはカンが必要。
最後に現れる4段の美瀑に癒される。
右の方から思い思いに登る。
これで核心は越える。
あとは、きれいなナメと小滝を超えていくと林道は間近だ。
時間が十分にあったので、最後は釣りをした。
ところどころ、イワナが走るが結局釣れなかった。
泳ぎあり、滝登りあり、ナメあり、ゴルジュあり、釣りあり。
沢の様々なエッセンスが詰まったところだった。
贅沢を言えば、読図の面白さや源頭部に詰め上げる爽快さがあったならば・・・。
一般に3~4級の沢と言われる。ところどころちょいワルなところがあるが、そこそこ沢を登っていれば問題ない程度だ。通常、1泊2日で計画されるそうだが、足が揃っていれば日帰り装備で身軽に行きたい。あまり良いテン場はない。
(組長)