裏銀座~読売新道

2014-09-20

05_縦走 l_北アルプス

Date : 2014/9/20-23
Member :Akko
Timeline :9/20高瀬ダム(6:40)~ブナ立尾根~烏帽子小屋(11:00)~烏帽子岳ピストン
9/21 烏帽子小屋(6:30)~野口五郎岳(10:30)~水晶小屋(14:00
9/22 水晶小屋(5:30)~水晶岳(6:10)~赤牛岳(9:30)山頂でお茶(10:15)~読売新道~奥黒部ヒュッテ(14:00
9/23 奥黒部ヒュッテ(4:00)~平ノ渡渡船場(6:05/6:20)~平ノ小屋(6:30)~黒部ダム(10:30


名前からして静寂なイメージの裏銀座。渡し船で黒部湖を渡してもらわないといけない読売新道。なんだか妙に憧れ続け、去年も今年の夏も計画したけれど、台風のため断念していたこのルート。三度目の正直は、文句なしの秋晴れに恵まれ、最高に美しい山々を堪能できました。

私事ながらこの夏は日本にいなくて夏山を満喫できていない。ソロにこだわるわけじゃないけれど、いつ帰れるかも分からなかったので、帰国日決定と同時にこの夏最後のチャンス(実際は、山はすっかり秋だったけど)と思って決行決定。あとは、お天気を祈るのみ。事前の予報は思わしくなかったので、とりあえず長野に行って山を眺めて温泉でも入って、おいしいものでも食べるか~と、半ば開き直っていたけれど、行ってみれば4日間この上ない晴天。このエリアは大好きで何年も通っているけれど、こんなに晴れ続けたことはない。涙がでそうなほど美しく、山中で出会う人が皆、北アルプスの山々の美しさに感激・感謝で笑顔がとまらない。改めて日本の山の美しさを誇りに思う4日間でした。ルート情報は以前にもあるので、美しい景色を中心にご報告。


七倉まではお決まりの毎日アルペン号で直行。七倉に4時台に到着したので高瀬ダムまで1時間30分の道のりを歩くか、6:30のタクシーを待って10分で到着するか迷ったけれど、ここは守りに入ってタクシー利用。ちなみに高瀬ダムは、マニアなら釘づけ、お城のお堀のようなロックフィルダム。黒部ダムに次いで2番目のダム湖らしい。しかしながら、土砂崩れでダムのほとんどが埋まってしまい、ひっきりなしに浚渫しているもののあと10年ほどしかもたないらしい(タクシーの運転手さん情報)。
スタート地点の高瀬ダム

実は、かなり埋まっている。考えさせられる光景。
北アルプス三大急登というブナ立て尾根は、たんたんと登っていたら、あっという間に烏帽子小屋。小屋から少し離れているけれど、よく整備されたテント場にテントを張り、昼寝という誘惑をたち、そのまま烏帽子岳に向かう。烏帽子岳からは最高の眺めで、登ってきた人たちとのおしゃべりもはずむ。その場を離れられず、気づけば2時間ほど山頂の岩の上に座っていた
烏帽子岳
烏帽子からの立山方面

烏帽子小屋のテント場。超快適。
翌朝、ご来光を眺め、ゆっくりと出発。
烏帽子小屋テン場近くからのご来光

モルゲンロートの野口五郎方面
今日は水晶に行くだけだから、“あっという間に着いちゃうだろうな”なんて思っていたら、あまりに景色がよすぎて、写真を撮りまくり、景色を眺めては道中人としゃべりまくり、出会った人の言葉をお借りすると“景色にはばまれ”ちっとも歩が進まず、かなり時間がかかってしまった。野口五郎は、突然目の前に槍ヶ岳がドーンとあらわれ、感動的な素敵な山頂。鷲羽岳もその名のとおり美しい形をみせる。

赤牛岳と薬師岳方面

まぶしーい

富士山も見える

歩いてきた道
野口五郎岳からの槍ヶ岳
野口五郎小屋の後ろには後立山と白馬岳
水晶、赤牛、薬師の山々
鷲羽岳にみとれる
しばらく行くと、湯俣温泉への竹村新道との分岐。野口五郎小屋の人いわく、竹村新道は“登る道じゃない、下り専用だよ”というしんどい道らしい。そんなところを、登ってくるレアな人たちがいる。しかも、なんだか見たことのある感じ。あっ、のり姉さん!!たまたま、会社の人と来ていたのりさんに合流。ここから、読売新道はご一緒できます。
竹村新道から登ってきたのりさん発見! 
水晶小屋はテント場がないので小屋泊まり。小屋は小さいけれど絶景が眺められる最高のロケーション。小屋裏からの夕日に見とれる。
 
水晶小屋からの眺め
夕日にそまる
サンセット
翌朝は満点の星空と、日の出。
 
夜明け
水晶から赤牛は意外と遠い。水晶岳まで足を延ばす人は多いけど、赤牛まで来るのはなかなかまれ。あまりの絶景に、ここでも景色に阻まれて、先にすすめない。頂上でコーヒーを飲んで贅沢な時間を楽しむ。

薬師岳~五色平方面を眺めながら赤牛への道のり

赤牛岳。今日も快晴!

水晶から歩いてきた道をバックに記念撮影。槍ヶ岳が小さくなる~

いざ、黒部湖に向かって出発
読売新道に向かうと、黒部ダムが真正面、立山、剱がどんどん近づいてくる。しかも、山は紅葉が始まっていて美しい。長いけれど、秋の樹林帯歩きは気持ちいい。真夏に来なくてよかった。。。
 
すっかり秋山

黒部ダムに向かう読売新道


奥黒部ヒュッテに到着。奥黒部ヒュッテはお風呂に入れて、岩魚が食べられるという事前情報。なので、ここでは小屋食にしようと思っていた。受付できいてみたら“今日は小屋の客ゼロだから飯は炊かないよ。お風呂もわかさないよ。”とのこと。うーん、昨今、山も人でごったがえしているというのに、この静けさ。おじさんは若干さびしそうだけれど、こんなに人のいない静かな山の中にいることに感謝。のりさんたちと、晩酌をして、静かなテント場で就寝。

翌朝、渡し船は6:20のあとは10:20。船着き場まで2時間。かなり難しい判断だけど、帰路の渋滞も考慮して、6:20をめざす。平ノ渡渡船場までの道のりは、はしごだらけ。真っ暗でよく見えないけれど、ほぼ地についた道はない。よくもここまで整備してくださったものだと思うほど、断崖絶壁にハシゴや橋をかけて道を整備してくださっている。正直、4時台に歩く道ではない。しかも、熊も怖いし。奥黒部ヒュッテの静かなテント場の朝をゆっくり楽しんで、10:20の船に乗ることをお勧めします。
真っ暗で見えないけれど
はしごだらけ
この道の整備大変だったことと思います。
憧れの渡し船。思ったよりも大きい船だけれど、かなりハードコアな登山客が船に乗り込むのが不思議。憧れの渡し船で妙に楽しい。針ノ木側から、立山側に移るのが、不思議な感覚。
 
渡し船がきた!
乗り込む登山者たち

憧れの渡し船に大満足
対岸に渡れば、あとは黒部湖の湖畔歩き。黒部湖の湖畔ってなんでまっすぐじゃないのだろう。湖はヒダヒダの形で、橋さえあれば5分の道のりも、いちいち奥行きの深ーい湖畔の道のりを歩く。くろよんヒュッテも目の前に見えて、あと5分と思ってから、かれこれ1時間半ほど歩く。(この説明、わからないですよね。。。是非、体験してください)
目の前に見えるくろよんヒュッテ。でも、めっちゃ遠い。


でも、秋の美しいブナ林歩きは飽きない(のりさんは“飽きたー”と言っていたけど)。そうこうするうちに、黒部ダムに近づき、観光客だらけになる。黒部ダムの放水を見て、あとは人工的な建造物と乗り物の恩恵を受けて扇沢へ。
秋空のもと黒部湖畔ウォーク

最後は観光客気分。黒部ダム放水見学。
4日間この上ない晴天で、憧れのルートを半分ソロ、半分のりさんたちと歩けて、最高でした。のりさん、合流させていただいてありがとうございました!なかなか行けないエリアだからこその静かさと奥深さがありました。日本の山は本当に美しいのです。ずっとこのままであって欲しい。

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