谷川岳 一ノ倉沢衝立岩中央稜

2021-06-06

01_無雪期 08_アルパインクライミング d_上信越

Date : 2021/6/6
Member : まり、ワタ、よっしー、ヤマ
Timeline : 03:00谷川岳ロープウェイ駐車場~04:00一ノ倉沢出会~04:30ヒョングリの滝~04:40テールリッジ~06:00中央稜取り付き~中央稜登攀~13:306P終了点〜中央稜下降(懸垂)~18:30一ノ倉沢出会い~19:00駐車場
Author : ヤマ

一ノ倉再び!


6月頭だというのに、もうすぐ梅雨入り?という予報も出ており、行けるのか行けないのかギリギリまで分からない状態。前日、私の日頃の行いもあってか、奇跡的に天気が好転!急遽、家でまったりグダグダモードをアクティブモードに切り替え、谷川岳一ノ倉沢衝立岩中央稜に行ってきた。

前日18時集合し、途中食材を買い、いざ土合駅へ。土合駅は混んでいたので、そのまま通過し、谷川岳ロープウェイ駅で車を停め、仮眠する。ちなみに手前の無料駐車場は、工事のため駐車できないようになっていた。

早朝2:00ほとんど眠れてないが起床、朝食を食べ、身支度をして、登山届を提出し、3:00暗闇の中一ノ倉沢に向かって歩き出す。登山届けはTMFカードを持っていたので、事前届け提出免除。持ってない人は10日前に提出なのでご注意を!
1時間ほど真っ暗な舗装道路を怖い話をしながら歩き、4:00一ノ倉沢出会に到着。周りも明るくなっていた。そして、どこからともなく現れるクライマーたちがすでに入山している。想像以上に混雑していた。一般登山者はいない山域なのに、この人数は多すぎる。
先を見渡すと、一ノ倉沢にはまだ雪渓がある。昨今の温暖化で雪があるかずっと気になっていた。そして、また、あの不気味さと迫力に圧倒される。
実は私は中央稜は2回目。雪渓があることに一安心。雪渓がないと、夏道と懸垂下降で1時間半はタイムロスしてしまう。(2018-07-27のブログ参照  https://itadaki2009.blogspot.com/2018/08/date-2018727-member-timeline-500-600.html )
広場でガチャとチェーンスパイクを装備し改めて出発、、、だが、なんだかんだで、早起きしたつもりがほぼ最後尾になってしまった。もう1時間早く出発すべきだったと反省。

TMFカードを持っていたため
登山届を当日提出

暗闇の中を1時間ほど歩く

一ノ倉沢のトイレ前
ここにテントを張る人もいる

ガチャをここで装着

ここからが本ちゃんだ

入り口にはまだ雪渓があって一安心

今回は出会いの始まりからテールリッジまでは、想像以上に雪渓が深かったため自由に歩くことができた。雪は硬くて滑るが、チェーンスパイクを履けば何んら問題なし。しかもテールリッジまでこんなに近いとは!!ヒョングリの滝らしき部分を越え、すんなり取り付きに辿り着くことができた。

いざ、テールリッジへ


雪渓を進む 楽だ

テールリッジの取り付きが見えてくる

テールリッジの先には、飛び出た衝立岩

テールリッジ取り付き
写真では緩やかに見えるが実際はもっと急

4:40テールリッジ取り付く。今回は右側から取り付き、頼りない補助ロープはあるが、ほぼフリーで尾根に向かって登る。そこからはひたすら急なテールリッジを登る、緩やかスラブあれば、途中難しいところある。初めての人は高度感もあるので油断せずに。フリクション性の高いアプローチシューズは必須だ。適度な緊張感と、ワクワク感を抱きながら、リッジの始まりまでひたすら1時間くらい登るとそこが中央稜の取り付きである。既に2パーティーが登る準備をしていた。

テールリッジに取り付く

なかなかの急登なので慎重に登る


正面が中央稜だ



スラブっぽいところ



いつものナイスポーズ

中央稜取り付きで休憩

休憩と順番待ちも含め、6:00に我々が取り付く。
パーティーは、先行のまりとヤマ、後行のワタとよっしー。
1P目は、まりと、ワタがリード。グレードⅣ。
ここは最初は、緩やかで簡単だが、最後が若干難しくなる。実際はⅢくらい。

2P目、ヤマとよっしーがリード。グレードⅡ
初め左にトラバースをして、カンテを跨いだら、あとはルンゼを登るだけ。最初、高度感も相まって先が見えないため怖いが、思い切って行ってしまえば「なるほどね」って感じ。25m付近で右にトラバースなので直登しないように注意を。前回はここを直登してしまい懸垂で降りることになってしまった。

3P目、まりと、ワタがリード。グレードⅣ。
2Pの終了点で、先行がつっかえ20分くらいの待ち。足場がないのでこれが辛く、同時に体力も奪われた。多分先行パーティーの終了点の場所が間違えていたのだと思われる。トポだとトラバースした後に支点を作ることになっていた。
待っている最中、南陵の方から大きなラックの声。遠くからみていたら、上からピッケルが落ちてきていた。さらにもう一発、烏帽子沢の真ん中あたりから、大きな落石。ダイレクトルートあたりを登攀していた人に間一髪当たりそうになっていた。この状況に、正直かなり命の危険性を感じ、ひよってしまった。
気を取り直し、3P目をスタートする。こちらも出だしは右へのトラバース。高度感もあってやや立っているので難しく感じる。右に抜けるとそのあとは、快適なフェイスだ。カムも所々使える。

4P目、ヤマとよっしーがリード。グレードⅤ−
このピッチが核心。初めのフェイスは快適だが、先のチムニーに入っていくにつれ、ホールドも乏しく、難しくなっていく。高度感もあり下が抜けているので恐怖感と焦りと腕のパンプでA0したくなる。広いチムニーが徐々に狭くなるので、ステミングからバックアンドフットの体制になり最後は左側の奥にある縦のガバを掴んで登り上げるのが通常の登り方らしいが、私の場合、チムニーの中が濡れていたのもありステミングだけで最後にガバを掴み登った。核心の部分にはちょうどいいところにハーケンが打ち込まれているので、プロテクションは取れるが、そこでA0してしまう人が多いようだ。
前回は、フジに釣り上げてもらっが、今回は自分の力だけで登ることができた。これも成長か!?47歳ヤマ。
まりも手術した肩の心配もあったがしっかり登り上げ、後行のよっしーとワタも渾身の力を振り絞って登り、全員が核心を登攀することができた。ここでとりあえず中央稜は登ったことになるだろう。前回来た時と同じところまでは来れた!中央稜に来る登攀者の多くはここで終了するようだ。
ちなみに、4Pのルートとして、核心のチムニーを通らず、左側のフェイスを登るルートもあるようだが、さらに難しくなるようだ。

5P目、まりと、ワタがリード。グレードⅢ。
4P目の終了点のテラス。またもやここで大渋滞になる。狭いテラスに5人もの人が。しかも先行パーティーが北陵の下降ルートに行かなかったため、そのまま懸垂下降で降りてきた。落石もあるし、下からも登ってくるので大渋滞だ。またもやここで30分以上待つこととなる。中央稜を登る際には、本来は他のクライマーがいるので北陵の下降ルートで下山するのが一般的である。
5P目の内容は、最初は簡単なフェイスだが、途中から沢登りの巻きのようなルートとなる。実際はⅢ+くらいの難しさはあった。大きなピナクルで終了点をとる。

6P目、ヤマがリード。グレードⅢ+
ここからは、ルンゼとなっているが、実際は途中までクラック登り。ジャミングを活かせば快適に登れそうだが、余裕のなさと疲れのせいか難しく感じた。実際はⅣくらい。

ここで、6P終了点についた段階でまりから無線で連絡が来た。13:30になっていた。日没は19時だが、今後の登りと未知の北陵からの7本の懸垂下降を考えると、ちょっと危ない。あともう少し、、、最後まで上り詰めたかったが、核心を越えれたこともあり、今後の時間配分を考えると、気持ちをぐっと堪えてここで終了とすることにした。

ロープを装着し、登攀開始

1P目まだ余裕のまり




1P目終了点



いつもの素敵なポーズ


2P目の出だし
ここを左へトラバース

先は見えないが進む

カンテの裏っ側

南陵の大渋滞
あとで行った人に聞いてみたが3時間待ちだったらしい
この時期の週末の一ノ倉沢はこういう意味でも覚悟が必要

2P目の終了点
トポだとここを右にトラバースした後が終了点となっている



3P目 
ここを右へトラバースしながら進む
先も見えず高度感があり勇気が必要

4P目

4P目の核心を終えたまり

よっしーも続く

核心部のチムニーへ吸い込まれていく

ガンバ!

ナイス!いい顔だw

ワタも続く
後続も増え渋滞もしてきた

ナイス!

5P目の出だしのフェイス
ここから先はあまり余裕が無く
写真が撮れなかった

後続もいなかったため、6P終了点でロープを繋ぎ直し、下山の懸垂下降。念の為バックアップをとりなが降りる。登り同様、時間もないため2パーティー各々で懸垂下降をする。
途中いきなり、この時間で猛者的な人が余裕の顔をして颯爽と登ってきた。我々も今後こうありたいと思いながら猛者たちの邪魔にならないように懸垂下降を続ける。
私も頑張らねば!もうすぐ48年もののヤマ。老化ではない熟成だ。

ルートが屈折しているのでロープが絡まらないか心配であったが、その後4P目終了点のテラスまで懸垂下降で順調に戻る。次に4P目終了点から2P目の終了点まで一気に下降。慣れてないせいか時間がかかってしまった。その後2P目終了点から中央領取り付き。ここで一気に降りようと思ったが、私の計算ミス(ごめんなさい)で、ロープ足らず。先行のよっしーが止まってしまったが。後行のまりがうまくフォローして、ロープを乗り換えることで降りることができた。しかし、時間はどんどん過ぎていく。この懸垂下降でかなりの時間を使ってしまった。やはりもっと練習せねば。猛反省。


遠くには笠ヶ岳、朝日岳らしき山も見えた

テールリッジを下山



安全のため懸垂下降で降りたりもした


中央稜取り付きで休憩し、時間もないのでテールリッジそそくさと下山。しかし、ここでも一苦労。登り以上に下りは急に感じ、途中懸垂下降をしながら降りる場面もあった。
テールリッジ取り付きに戻ったのは、おおよそ17:30くらい。予想以上に時間がかかってしまった。チェーンスパイクを履き、雪渓を下る。18:00過ぎに一ノ倉沢出会いに到着。一気に力が抜けた。そのままガチャを外し荷物をまとめ、駐車場に向かって来た道を戻る。19:00駐車場到着。周りはすでに暗かった。遅くなったが、無事に戻れてよかった。

テールリッジを終え後は雪渓を下るだけ

安堵のポーズ
ダイナマイト!

今回、久々の本格的な無雪期のアルパインだったが、初級ルートとはいえ侮れなかった。特に大きな反省点は、懸垂下降のスピード、クライミング自体のスピード、渋滞なども想定した時間配分、そして根本的に経験不足であること実感した。自分達の力で行けたとはいえ、一ノ倉沢はそんな甘いものではない、今後のアルパインに向けて経験を積まねばと痛感した山行であった。次の目標のために、、、

しかし、下山した当日はもう山は十分だと思ったが、次の日にはまた行きたくなる。実感はなかったが、やはり山に取り憑かれているらしい。


参考までに、、、
個人装備
安全環付カラビナ3、カラビナ2、60スリング×2、120×2、プルージックコード×2、PAS(デイジーチェーン)、ヘルメット、ハーネス、確保下降器、ビレイグローブ、(チョーク・バック)、アルパインヌンチャク3、ヌンチャク3、8mm50mロープ、小型アッセンダ―、クライミングシューズ、チェーンスパイク、小型無線
共同装備
ヤマ:180スリング、カムセット、リンクカム、ピトン、ハンマー
まり:ツェルト、ガス、ストーブ、コッヘル、捨て縄、リンクカム
ワタ:ツェルト、ガス、ストーブ、コッヘル、捨て縄
よっしー:180スリング、カムセット、ピトン、ハンマー


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