Date : 2024/02/17-18
Member :まり、まるひ、まほ、バード
Timeline :
【2月17日】0944 駐車場〜1038 武能岳西尾根取り付き〜1235 1197地点〜1354 幕営地点(1525m地点)
【2月18日】0602 幕営地〜0720 国境稜線〜0735 武能岳ピーク〜0838 幕営地〜1051武能岳西尾根取り付き〜1145 駐車場
Author :バード
「So Blue!!」
2月。晴天。上信越の冬バリルートは、今回もMINOR BUT GOLDな雪稜を届けてくれた。
「人のトレースをあてにした雪山登山ほど味気ないものもない」
そんなことを誰かが言っていた。
晴天が予報された2月の週末。今シーズンはなかなか冬山に入れなかった。だからこそ、自分が好きな雪山に入りたかった。
雪にもがき、雪と戯れ、まっさらな雪面にトレースをつけ、ピークを目指す。そんな山がやりたかった。
そんな場所はないかと探していた時、武能岳の西尾根が思い浮かんだ。
武能岳西尾根は、いわゆる冬期限定ルートというもので、無雪期には薮に覆われており、登山の対象ではないものの、積雪期になれば、そこにはピークに伸びる美しい雪稜を提供してくれる。
去年、茂倉岳北西尾根を登っていたとき、幕営地の正面に走る稜線とピラミダルなピークに心惹かれた。それが武能岳西尾根だった。
まり、まほ、まるひ、と仲間も集まり、一座は一路上信越を目指した。
5時集合新宿駅に集合し、土樽駅先の駐車場へ。駐車場からは、蓬峠へと向かう林道から蓬沢を渡渉し、西尾根の末端へ取り付く。
地形図から取り付きやすそうな尾根地形に回り込むと、おや??トレースがあるではないか。
少しがっかりする気持ちもありつつ、同じ様にこの尾根を選んだトレースの主に思いを馳せつつ、なんやかんやありがたくトレースをいただく。
所々に薮が出ているが、尾根は明瞭。トレースは見事にルーファイされながら、上へ上へと繋がっていた。
西尾根の取り付き |
樹林帯をあがっていく |
とにかく暑い |
だんだんとトレースが新しくなっているのでは?と思っていると、1197地点で前のパーティに追いついた。
これまでのトレースの感謝を伝えつつ、予定では1400地点に幕営する予定だったが、そちらのパーティもまったく同じ予定とのことで、一等地は先行パーティにお譲りし、我々は先へと向かうことに。
1530地点に適地を発見し、我々の今宵の宿にすることに。せっせと水づくりをしながら、雪見酒で乾杯。2月とは思えないギラつく太陽の元でのビールは最高だった。
晩御飯は、まほによるプデチゲ。曰く、韓国の行軍料理だったとのことで、スタミナ満点!美味しくいただきました。ありがとうございました!
今回のベースキャンプ |
雪見酒!最高の乾杯! |
満点の星空 |
4時起床、6時出発。核心部を雪の状態が良いうちに通過するべく、日の出とともに行動を開始。
朝食はまりお手製エビラーメン!お陰様で心も体も温まりました。
幕営地点から先にはトレースはなく、我々がノートレースの道を、ありがたくいただくことに。
高度を上げていくごとに、尾根は細くなりナイフリッジ状に。
さらに後ろは晴れているのに、地形の影響なのか、この西尾根から武能岳周辺だげがガスに包まれており、ホワイトアウト状態に。
左右は切れ落ち、視界も不良。そんななか慎重に一歩一歩を確認しながら歩を進めていく。
これがやりたかったのだ。これをやりに来たのだ。
右から強い風を頬に受けながらも、顔はニヤつき、鼻歌も交えながら、まっさらなリッジの上を歩いた。
夜明けとともに行動開始 |
ガスが湧いてきた |
歩いてきたリッジを振り返る |
リッジを進んでいくと岩稜帯にぶつかり、ブッシュの上に乗っかった雪がなんとも気持ち悪い。振り返ればここが確信だった。まりがリードして突破していく。
ここの登りや下降でロープを出すパーティもいる様で、我々もロープは持参していた。今回は不使用。
そこからもナイフリッジが続く。視界がないなかでのストレスフルな歩きが続いた。
リッジを超えると尾根が太くなり、薮尾根を駆け上がると、国境稜線に乗り上げる。
そこからは武能岳ピークまでのビクトリーロードだ。
武能岳ピークに到着すると、一瞬ガスが切れ視界が開けた。北には日本海が一望できる。となりには茂倉岳、その奥には谷川岳や万太郎が優雅に鎮座している。
武能岳ピーク、隣の茂倉岳も美しい |
登頂! |
下山途中、昨日先行いただいたパーティとすれ違った。結果として美味しい箇所だけいただいてしまった。少しの申し訳なさを感じながら、パーティには深く頭を下げ下山した。
帰りはビックリするほどの速さで下山。
核心の下り |
ピークを振り返る |
こんな雪山をこれからもやりたい。そんなことを思いながら駐車場への林道を歩いていた。
今回、久しぶりのパーティ結成となった3人。きっとこのメンバーが揃わなければ、今回の山行そのものが開催されていなかったと思います。大感謝です。
また最高の景色を見に行きましょう!