Member : Kさん(guest)、さち、テトラオドン、組長
Timeline :16日:西沢渓谷駐車場0852~1020清兵衛沢手前の浸み出し(テント場)~清兵衛沢
17日:テント場0554~0615ホラ貝ゴルジュ~0654山ノ神~0718乙女滝0805~1130下降開始1420~1715西沢山荘
東沢で冬の沢登りを楽しんできました。
東沢も今年は雪が多いようです。道の駅みとみもたくさんの積雪がありました。
16日早朝に道の駅に着くと、すでにKさんと見慣れたサンバが到着していました。Kさんは、今週末は米子不動のはずでしたが、氷の状態が悪過ぎて登れず、東沢のアイスに合流です。米子不動・・・いずれ行ってみたいです。。
道の駅みとみ |
??? |
雪深い東沢 |
夏はいいけど冬のドボンはちょっと・・・ |
東沢は山が濃く、とても好きな場所です。しばらく歩くと清兵衛沢手前の右岸浸み出しに到着。浸み出し手前の何となく微妙な河原にテントを張ります。雪が落ち着いてなく、盛ってもすぐに崩れてしまう上に、テントがデカイのでポールが浮いていました・・・。まあオッケ。テントを張ったあと、5、6分歩いて清兵衛沢に到着。F1ではすでに山友会の皆さんがトップロープを張って遊んでました。F1も下部は雪に埋まっています。中段までラッペルして、トップロープで遊びました。
氷いじめ中 |
楽しー |
米子の1/10サイズ!? |
清兵衛F1 |
山友会のみなさん |
必殺!!新品リンクスモノポイント |
Kさんのお手本クライミングを拝見し、登り方を少し教わってからそれぞれ登り始めます。
傾斜は80~90°くらい。氷は柔らかく、アックス・アイゼンともによく刺さります。自分はアイス初。どんなもんかとアックスを振るってみると、これ、楽しいーー。アックスをガツガツと決めて、アイゼンをザッザッ刻む。まるでダンスを踊るように楽しく登れます。こりゃ来シーズンは、行っちゃうな・・・。アイスツール揃えちゃうな。来シーズンまで爪に灯をともす生活の始まり!?・・・いや、始まりじゃなくて継続・・・。
さちさんからお借りした現行のクォークと旧クォーク、アナコンダカップでそれぞれ登ってみます。ぎらぎらに研ぎ澄まされ、包丁のような刃先のクォークはさすがによく刺さります。明日の乙女沢は、片手は雪山バリエーション用の補助バイルで登るつもりなので、そいつでも登ってみましたが、刺さりは悪いものの特に問題なく登れました。アイゼンももちろん平爪。縦爪やモノポイントは使ったことがないのでよく分かりませんが、清兵衛F1くらいなら、平爪で全く問題なし。
この前の霧積アイスで縦走用アイゼンが全く効かず難儀したテトラオドンさんの足回りは、ペツルのリンクス、モノポイントです。いいなー、ほしいなー。
ひとしきり遊んだ後、のんびりとテントに戻って夕食。最近、金をためようと禁酒しているのですが、テントでお茶飲んでても何とも空しい。山ぐらいは酒いいかな、と、早くも禁酒は断念・・・かな。
翌朝。結構、冷え込みました。昨日、先に進んだ二人組は山の神手前までいったものの、雪深く断念して帰ってきていたので、乙女沢までのアプローチが核心?の可能性があります。ただ、乙女沢前でテントを張ると言っていた雪稜会??パーティーの皆さんがきっとしっかりトレースを着けてくれているだろうという期待の下、暗い中、出発。
ホラ貝ゴルジュは半分くらい凍っていました。ところどころトレースは消えているものの、概ね問題なく乙女沢まで到着。
氷の浮島。水流で反時計回りにくるくる回っています。 |
とっくに登り始めているだろうと思われたテントの中から声がします。雪稜会?の皆さんは今回は宴会山行のようです笑。
乙女沢を見上げると、かなり雪が乗っています。去年の夏はここで滑り台で遊びました。ドボンしたり、ぽかぽかの岩の上で甲羅干しした滝も、今はすっかり凍てついています。それにしても雪がかなり多い。F1やF5大滝以外のパートはラッセルの予感。
いざ!!乙女滝 |
見上げる乙女滝は大きく長いですが、傾斜はずいぶん寝ていて、あまり難しそうには見えません。晴れてはいますが、ビレイ中はそこそこ寒い。乙女滝はロープいっぱい伸ばすので、結構長いです。
さてさて、Kさん、さちさんがもちろん難なくリードした後、自分の番。アナコンダカップと補助バイルを手に登り始めます。氷はかなり固く、すぐに割れてしまいます。自分がへたくそなのと、補助バイルの刺さりが悪いのもあるかもしれませんが、Kさんの凶器??アックスでも刺さりが悪く、今日は氷の状態が悪いといっていたので、まあそういうことにしておきましょう。まあでも、傾斜は緩いので、特に難しいところや緊張を強いられるようなところはありません。ただ、長いナメ滝なのでふくらはぎがパンプします・・・。スクリュー回収中は特につらい・・・。
ビレイ点は落ち口にスクリューで。右岸の立ち木でもビレイできます。
F1リード中のKさん |
後続パーティーも追いついてきました。伺ったところ、奥多摩山岳会の皆さんでした。新人さんと思しき若い方にベテランさんが手取り足とり教えています。今日、乙女沢に入っていたのは、我々含めて4パーティーでした。
乙女滝F1を過ぎてからは案の定のラッセル。F2F3は雪の下。短調な雪壁をラッセルしながら進みます。30cmくらいの積雪の下には、厚い氷があるようで、時折、ガリガリと氷の感触が伝わります。コンテで進みます。背後には、鶏冠山の荒々しい岩壁に東のナメ滝の美しい氷瀑がかかっていました。
東のナメ沢 |
コンテでラッセル。F3の上あたりかなぁ |
右・左と沢が屈曲した後に、F4が現れます。たぶんF4。1ピッチのナメ滝です。簡単です。
上に上がると、立派な滝が見えてきます。F5の80m大滝です。なかなか壮観です。左岸側がだいぶ雪で埋まっていますが、大きさ長さとも見事です。水の流れている夏にも見ていたいと思いました。めんどくせーといいながら、さっそくKさんが登り始めます。傾斜はそれほどでもありません。60度ほどでしょうか。相変わらず氷は非常に固く割れやすいです。中間より少し上の氷が盛り上がったあたりで一度ピッチを切ります。
F5大滝 |
ふくらはぎが~ |
それにしても2ピッチのナメを登るのはなんともキツイ。ふくらはぎがパンパンです。ここでテトラオドンさんとバイルを交換し、自分はクォークで登ります。さすがに刺さりが良い!!サクサク登れます。一方、サブバイルとアナコンダカップになったテトラオドンさんは、全くアックスが決まらず、カチンコチンカチンコチンやって、バラバラ氷を落としています。
大滝途中のビレイ点 |
大滝基部にいた2人パーティーにチリ雪崩が襲いかかっていました。人こそ埋まりませんでしたが、ザック等の荷物はすっかり埋まってしまったようで、掘り出すのに苦労されていました。何ともアルパインチックです。
大滝の上部はやっぱり雪壁。スクリューを掘り出して回収し、ガシガシ進みます。
そして登攀終了。当然、沢にはまだ先があります。ここで終了してラッペル、というのはどうもすっきりしないというか、何となく敗退感もあります。もちろん、尾根まで抜けて尾根を下降するというルートも取れますが、今回は荷物も下にあるし、時間もないので、そういうことはできません。そうだとしても、岩にしろ氷にしろ、登ったら登ったですぐに懸垂下降・・・というのは、どうも好みに合いません。やはり上まで抜けたい。自分は、根が山ヤなのかも?しれません。
終了~ |
まあそんなことはいいとして、早速、ラッペル。大滝は80mあるので、左岸から立木懸垂2回。F4は右岸から1回。とことこ歩いてF1乙女滝は右岸から1回で取り付きまで戻りました。
大滝登攀中の後続パーティ |
そのままスタコラ下山し、なんとか暗くなる前に駐車場に到着しました。
初めての冬の沢登りでした。氷あり雪壁ありラッセルあり雪崩あり、で、何ともアルパインチックで楽しめました。アイス自体は特に難しいところもなく、スクリューセットの練習さえすれば、リードもできそうです。まあ、スクリュー揃えなければどうしようもないんですが、貧乏人にはそここそが核心!?
Kさん、さちさん、リードお疲れ様でした。また、アイスの登り方やスクリューセットのやり方、ロープワークなど、いろいろと教えて下さりありがとうございました。
アイス、やっちゃいます自分。抑えられないこの気持ち。
(組長)