Date : 2025/8/23-24
Member :フジ、ヤマ、よっしー、りょう、イチコ、バード
Author :バード

"2days 7stars 27piches!!"
登りに登った二日間。二日間で27ピッチ。ルートの星の合計は7つ。真夏の小川山アルパイン!


聖岳の東尾根にいった長い林道の帰り道で誰かが言った。岩登りしながら、山登りしよーぜ。そんな話の中で烏帽子左稜線の計画が立ち上がった。

ヤマ、イチコ、バードが最初に名乗りをあげ、その話にフジ、よっしー、りょうが加わり、6人のチームが出来上がった。

とはいえ、クラックやリムーバルプロテクションの技術も求められるルートということで、まずはチーム全員、小川山レイバックを登れるようになろうとプロジェクトが始動した。それが今年の2月。

隙間時間があれば、三鷹のジャムセッションに通ったり、会山行のスキマでトライしたり、足繁く親指岩に通いながら、そして遂に2025年7月に、みなが小川山レイバックを登り切った。

さて、いよいよ烏帽子左稜線、ホンチャンである。とはいえ、それぞれクラックは上達したものの、ペアでのマルチの経験は雨の都合もあったりで、なかなか時間がとれなかったので、1日目は涸沢岩峰トラバース、2日目に烏帽子左稜線という「マルチ継続」企画が爆誕した。

初日、始発で都内集合し、小川山に到着したのが10時過ぎ。そこからベースキャンプをつくり、いざ涸沢岩峰トラバースへ。

設営開始

ベースキャンプ完成

いざ涸沢岩峰トラバースへ

このルート、2020年ごろに開拓されたルートで、グレードは5.8程度でありつつも、一部の終了点に下降用のボルトがあるのみで、ほとんどをオールナチュプロで登るというルート。小川山のトポにも「烏帽子左稜線を一回りコンパクトにしたような内容」という説明もあるほど、前哨戦に相応しいルートである。

またこのルートには派生ルートとして、ワイドクラック5.9があり、烏帽子左稜線の最終ピッチ対策としても、このルートをチョイスした。

車止めを超えてしばらく歩くと、ケルンが積まれたポイントを右折して、花豆スラブを目指す。


取り付き発見


5.9の派生ルートでは、トップロープを張って、ワイドクラック入門。体感5.9にしてはだいぶやさしい(当社調)
 
涸沢4峰 2p目は右の派生ラインから

オフィズスサイズ



登りあげると明日の烏帽子左稜線が目の前に一望できる。前哨戦というには、あまりにも贅沢な三つ星ルートだった。

明日の烏帽子左稜線をバックに

涸沢3峰ピーク 

あたりもだいぶ暗くなってきてしまったので、最後の歩きと懸垂パートはパスしてキャンプ場に帰還。

「焚き火せずに寝た方がいいんじゃないか」沢ヤのフジが言うならそうなのだろう。皆の明日への本気が伝わってくる。

明日は昼過ぎから雨予報ということで、取り付きで夜明けを迎えるべく、3時起床。

焚き火はしない、朝早いから

でも、ビールは飲みたい

翌朝、下見できていなかった烏帽子左稜線へのアプローチもケルンとGPSをたよりに、オンサイト成功。キャンプ場から30分程度で到着できてしまった。

あたりもだいぶ白んできたので、ヘッデンつけてクライムオン。

1-2pをリンクして登ったのだが、昨日のグレーディングより少し辛い(小川山的なグレーディングとしては、こちらの方が親しみがある)。4pを終えたあたりで、誰しもが思った。まだ4/18かと笑

いざ!クライムオン!

1p目の終了点

写真は映える、足元は震えるリッジを超え、懸垂や歩きを交えると美しいクラックが見えてくる。

だいぶ高度があがってきた

素晴らしいリッジが続く

映えるが怖い

個人的に楽しみにしていたピッチはこの5.7のハンドクラックと、最終ピッチのワイドクラック。実際に見てみると、真っ直ぐ美しいクラックが上まで伸びている。キャンプ場近くにあれば、間違いなく人気ルートになっているだろう。高度感も素晴らしい。




そしていよいよ、最終ピッチ。最終ピッチにして、核心ピッチが出てくるという。まったく上手くできたルート構成である。そして、見た目もだいぶラスボス感がある。


 

12時ごろに先頭パーティはトップアウト。その後も、みなが18ピッチを登り切り、懸念していた雨にも降られずに最高のハッピーエンドを迎えた。正面には昨日登った涸沢岩峰トラバースが見てとれる。

チムニーからのワイドクラック

上から応援する




登りに登った2日間。歩きピッチを除いても20ピッチほどを二日間で登った。涸沢岩峰トラバース、烏帽子左稜線、登っていると、北アルプスや八ヶ岳で岩登りしているような、そんな感覚になった。いつもの小川山にも、こんな「山」としての楽しみがあるのかと、新しい発見だった。翌日の疲労感もフリーでのマルチというより、山の中でのアルパインといった感覚。

みなさん2日間、ありがとうございました。この目標のために、少し強くなれた気がします。また岩登りしながら、山登りしよーぜ。

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