権現岳-硫黄岳

2012-09-08

01_無雪期 i_八ヶ岳

Date : 2012/09/08-09
Member : のり、かよ(記録)
Timeline :9/8 小淵沢駅 - 観音平 - 網笠山 - 権現岳 - キレット小屋
                 9/9 赤岳 - 横岳 - 硫黄岳 - 夏沢峠 - 本沢温泉 - 本沢入口

今年夏の締めくくりに、南八ヶ岳の縦走に行ってきました。

山を初めて一年。岩場を登りたい気分が高まってきたものの、剱や穂高なんて、雲のかなた。
なんとなく南八ヶ岳がすごそう…、今年こそは登りたいなあと思っていました。
美濃戸口から入って、赤岳~硫黄岳までを縦走する計画を募集してみるものの、あまり反応よくありません。
昨年北八ヶ岳にご一緒していただいたのりネエさんにラブコールを送ると、
「いいですよ。でも、そのコースはあまり面白くないから、権現岳から入って、硫黄まで行く道のりにしましょう」と提案をいただきました。
権現から赤岳まではキレットを通過しなければなりません。不安を訴えると、「だいじょうぶ。私が連れていってあげます。」というたのもしい答え。
さすが、ネエさん!
ということで、南八ヶ岳の主要なピークを抜ける贅沢なコースで行くことになりました。

さて、当日。
新宿駅でのりネエさんと落ち合い、小淵沢へ向かうあずさの中で、「なんか、忘れ物をしている気がするなあ。」と話していると、
「あっ、、、!」と顔をうずくめるネエさん。嫌な予感がしながら、次のことばを待っていると「ポール忘れた…。」というつぶやきが。
おっとっと。しっかりもののネエさんが…。
さるも木から落ちちゃいました。
この時期は小屋もやっているし、テン泊よりも快適に過ごせるねと気を取り直して、八ヶ岳へと向かいました。


小淵沢からタクシーで観音平に行くと、駐車場はいっぱい。
けっこう人が入っているのかなと思っていましたが、編笠山まで静かな林道が楽しめました。
山頂はガスが濃くかかってきていて、まったく展望はありません。すでに秋模様の冷たい風が肌を刺す中、ぱっぱと記念撮影を済まして、次を目指します。

大きな岩々が連なった道を下ると早くも青年小屋。
エベレスト登頂経験もあるご主人が夜な夜な酒をふるまってくれる小屋は人気で、宿泊客もたくさんいるようです。



この青年小屋を超えてからが本日のメイン。権現岳への道を登ると、南八ヶ岳らしい荒々しい絶壁が目の前に現れ、ほどなく薄茶色のルンゼ状(というのでしょうか?)の斜面に到着。
これから核心部のギボシに向かっていくんだなとわくわく、びくびくしながら前を進みます。
しっかりとした鎖と足場でそれほど恐怖はなく、これからかな?これからかな?と思っている間に、あっさり通り過ぎました。
権現岳から旭岳に向かう道にあるゲンジー梯子が2つ目の核心部。
傾斜は約50度ほどらしく、やや長い梯子ですが、雨が降って濡れていなければ、それほど怖くありません。

青年小屋を超えてからはあまり人に会うこともなかったのですが、このゲンジー梯子を下ってからは気配すら感じなくなってきました。
赤テープやペンキマークなどの道しるべもあまりなく、なんだかさみしい感じの道です。
ひたすらもくもくと突き進むと開けた場所にちょこんと道標が見えました。ツルネです。
そう、雪山を初めたばかりのこの春に挑戦してしまい、登頂するどころか半分に満たない地点で
時間切れとなり、最後は決死の下山となったツルネ。
なので、辿り着けなかったてっぺんがどんなところなのかひそかに楽しみにしていました。
地図に「展望よい」との記載通り、見晴しがよく、冬はとくにきれいだろうと思います。
そしてツルネの尾根をちらりと見るとかなりの急斜面。やっぱり、ちょっと自分には無謀だったなぁとあらためて感じ入ります。
ツルネを超え、キレット小屋まではあとわずかというとき、目の前の雲が切れ・・・
鬼が島のような赤岳が姿が見えてきました。
かっくいいですね!


今宵のお宿はキレット小屋。
改装してから4年経つようですが、小屋番さんの丁寧なお仕事でどこもぴかぴか、お布団も清潔でふわふわ。
おひとりで維持されているのによく手入れが行き届いています。
こんな快適な小屋の今晩の宿泊客は私たちも含め、たったの3組だけ。贅沢ですね。
食事もてづくりのおつまみに、窯で炊いたごはんとカレーで、温かいおもてなし。
もともとテン泊予定だった私たちは、その横で牛タンとラーメンをつつきます。
そして、お詫びにとネエさんには、ビールをごちそうしていただきました。
いやー、もう気にしないでくださいよ。こんな快適な夜にビールにと、何度でもポール忘れちゃってください。

翌朝は4時半出発。
今日はキレット超えに赤岳~横岳の鎖場の通過と度胸がためされます。
キレットの核心部は天狗尾根近くのルンゼ状(というのでしょうか?)の岩場。
足場がガレているうえに鎖もなく、ちらりと横を見るとなかなかの傾斜。
風もあり、なかなかの緊張感です。
どうやら寒くてビビると鼻水が出るという癖があったらしく、止まらなくなってきました。
たまった鼻をロケットのように噴射する技をネエさんに教えてもらいましたが、今回は見送ることにします。
ひやひやしながらも周りを見渡せば、朝日に照らされた山々が広がっていて、

権現から阿弥陀、赤岳、富士山、北岳に甲斐駒にはては北アルプスまでくっきりと見えます。
もう最高の景色でした。
このネエさんのうしろには北アルプスが広がっています。
(絶景を収めたかったのですが、その余裕がなく、、、中途半端な写真ばかりでスミマセン…)

キレットを超え、赤岳山頂に来ると、これまでの静かな山道が嘘のように人で埋め尽くされています。
なんだか興醒めしてしまい、記念撮影をぱっぱと済ませると、次の横岳を目指します。
この赤岳~横岳がずっと行きたいと思っていたルートなのですが、鎖もしっかりしていて、スリル0…な~んて、さっきまでビビってたくせに。
でも雨や風が強い日には様変わりするので、注意が必要ですね。
横岳からは大同心・小同心が間近に見え、ネエさんそそられてます。うーん、コレ登るの???

硫黄まで来れば、たおやかな稜線が目の前に広がり、心安らぎますね。


そして、この先は温泉とビールを目指して、もくもく下山です。

最高の景色に、まだ無理かなと思っていたルートに挑戦できて、大満足の二日間になりました。
これも頼りになるネエさんがついていてくれたおかげです。
昨年に続き、今年もお世話になり、本当にありがとうございました。


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