春は頂 山の会の新人入会の季節です。
頂 山の会では会員に山岳保険の加入を義務付けています。
新人向けの説明がご好評をいただいたので加筆し当記事にしました。
目次
山岳保険とは
登山は事故のリスクが高い活動です。
また遭難救助費用など一般的でない費用が発生することがあります。
これらに対応した保険商品が用意されているのが山岳保険と呼ばれます。
保険商品によってはスポーツクライミングなどに特化した商品もあります。
山岳保険の補償対象
山岳保険の内容(補償対象)は各保険商品毎に異なります。
補償対象
- 捜索・救助保険:
自身の遭難救助に関する補償 - 傷害(死亡)保険:
自身のケガ、死亡に関する補償 - 賠償責任保険:
他人へのケガ、死亡などの事故を起こした場合、賠償金に関する補償。示談交渉代行 - その他:
道具の盗難など
頂 山の会では捜索・救助保険を加入必須としています。
特約
登山の中でもリスクが高い活動は別途特約が必要な場合があります。
各保険の約款を読んで補償範囲に注意してください。
次の場合は特約が必要な場合が多いです。
・登攀(クライミング)を含む登山。
・ピッケル・アイゼンを使った登山
必要な補償を考える
先に書いた通り、頂 山の会では捜索・救助保険を加入必須としています。
傷害保険は、加入済保険の保証内容や家族事情などで要不要を判断してください。
筆者は賠償責任保険はクライミングをする方は加入した方がよいと考えています。
理由は下記の通り、法的責任が生じる可能性があるためです。
“人工壁、ゲレンデでのクライミングは確保者に法的な安全確保義務が生じることが多い” 1
“ロープを使用する登山では、自主登山、引率登山に関係なく、確保の失敗について法的責任が生じる可能性がある” 1
おまけ
運悪く登山中に死亡してしまったとします。
ご遺体が見つからないと行方不明(失踪)扱いとなり、死亡保険は支払われません。(死亡とみなされるのは失踪7年後です。)
ココヘリに加入して発信機を所持していると発見の確率は高くなるようです。
当会の新人で具体的な保険商品に迷っている方は新人担当に質問してください。
以上
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1 日本スポーツ振興センター, 新・高みへのステップ 第1部, 2022年, 26頁