Member :ひでぶ、J、りょう、いちこ
Timeline : 三ツ峠登山口(9:00)- 岩場エリア(10:30-15:00)-三ツ峠山山頂(17:00)-三ツ峠登山口(18:10)
Author :いちこ
来たる池ノ谷山行に向け、企画された真夏のアイゼントレーニング。
池ノ谷には同行しないが、アイゼンでひたすらクライムダウンの練習をする企画があると聞いた時、すぐにお邪魔することに決めた。
今年3月に初めてアイゼンを履き、2度目の谷川岳天神尾根で一部岩の露出した箇所歩いた時点で、これは難しい...!と思った経験からだった。
岩とアイゼンの歯がぶつかり合い変な音を立てる、あの調和しない感じが嫌でどうも自信を持って足を置けず、これは良くないなあと思った。
いざ、成長なるか。
ひと汗かきつつ登山道を上がって岩場エリアにつくと、一同異変に気付く。...風が強い。
雨がもつかどうかに注目しすぎていたが、前日にJが共有してくれた天気予報には風14m/sと出ていたことを思い出す。
ひでぶが珍しくレインウェアを羽織って寒いと言っていた。
ともあれ準備をして、りょうがリードで登ってトップロープを2本張ってくれた。
Jとりょう、ひでぶと私がペアを組んで、この7m程度の壁を上下するのが本日の練習内容。
1本目早速困っていると、「こういうところに爪を当てて立つのだ」とひでぶからアドバイス。
あー、そういうジャンルね?
普段なら「足を置くところ」と認識しないところに爪を立てて、信じて立ち上がってみる。立てる。
自分の足自体で岩に立っている感じはせず、アイゼンが作り出す即興の階段に乗っている風に感じる。
クライミングシューズのときやアイゼンで雪を歩くときは、あくまで自分の足で立つのを道具がサポートしてくれる感じがするけれど、この場合は、身体自体が拡張されたようだ。
レインウェアを激しくばたつかせ、冬靴+アイゼンの重装備で岩に張り付く。
とてつもない高所に来たような気持ちになっているが、
実際には地面から80cmくらいのところにいるの、おもしろい。
今回のルート上には、ここに爪を1,2,3と置いてくださいと言わんばかりの窪みがちらほら。
多くの人が文字通り「通った道」を自分も通っていることを実感する。
岩と爪の干渉にも慣れてくると、意外といい加減に爪を置いてもある程度引っかかることに気づく。
一方、同じ足の左右片側の爪にだけ体重がかかってしまうと足首ごと回る力が働いてしまうことや、かかとが爪より下に下がる角度になってしまうと爪に力を伝えるのにすごく足裏の力を使う(”階段”に乗る感じがしない)ことも分かってきた。
そんなこんなで上り下りを繰り返し、違いを知るべく途中いちど冬靴のビブラムソールでも登ってみた。
登りは、ちょっとしたスペースでスムーズに足の置きなおしができるビブラムソールは助かるが、下りは、アイゼンなら立てるところに立てず足の置き場を見つけるのが難しい。
終盤には、Jがマスターリードに挑戦。
ひでぶから、次はいちこがリードでどうぞと声がかかる。
ひでぶ自身のリードデビューも三ツ峠とのこと。
ということで、外岩リードデビュー(アイゼンオプション付き)。
15時を過ぎ、4ピッチ先の天狗の踊り場へ向かうことに。
同じペアで、こちらのペアはひでぶのオールリードで先行し、後続のりょうからフォロワーのアドバイスも受けられる手厚い体制でありがたい。
クライミングシューズに履き替え登りやすさは上がったものの、冬靴やロープの入ったザックを背負って登る、これまた新しい体験で、体とザックが微妙に同期せず動くのでトータル難易度アップな気がした。
相変わらずの天候のなか、1h45minほどで天狗の踊り場に到達。
山頂を経由し登山道に入ると風はほとんど感じなくなり、わずかな場所の違いで風がこれだけ変わること、ひいては幕営地点選びがいかに重要かなどと語らいながら下山した。
当面、アイゼンで今回のような壁を上り下りすることはないかもしれないが、
次冬のアイゼン歩行にも大きく活きる経験ができ、大変ありがたい充実の山行となった。
風呂:みたまの湯
夕食:コリアンキッチン3匹の子ぶた
***Jの感想***
そこそこ爆風のなかでのアイゼントレ。とても貴重な体験ができました。
三ツ峠の一般ルート中央&右のルートは、アイゼンの前ヅメがミラクルフィット。先人達の積み重ねてきた歴史に涙が出そうになりました。アイゼンでのクライムダウンは初めての挑戦でしたが、アイゼンとの信頼関係を試される、良い機会となりました。もっと精進したいです。
最後は超爆風のなかマルチピッチで山頂まで抜け、心の目で富士山を拝み下山、盛りだくさんでとても学びの多い1日になりました!
***ひでぶの感想***
夕飯の豚肉、おいしゅうございました。
登山後の風呂、気持ち良かったです。
りょう、しょっぱなの、リード支点構築ありがとうございました。
J,さくっとアイゼンはいてのリードかっこよかったです。
いちこ、初の外岩リードがアイゼン。すてきでした。
アイゼンはいて、クラムダウンの練習なんて地味な課題ながら、暴風のふくなか、楽しめました。
***りょうの感想***
来週の池ノ谷前にアイゼントレをしよう、ということで定番の三ツ峠に。
夏の靴につくセミワンタッチのアイゼンは買ったばかり。おにゅーのアイゼンを早速削りにかかります。。
しょっぱなトップロープを張るために、何度も登ったことのある一般ルート右をリードで。そういえばアイゼンでのリードは初めてでしたが、思ったよりは普通に登れて新しいアイゼンとの信頼関係もアップ!
トップロープの一本目をセットし、ロープを投げるも暴風であさっての方向に。。思いがけず強風時のロープの扱いの勉強に。
そのあとは登ってはクライムダウンしを繰り返してアイゼンとの信頼関係を積み重ね、最後は山頂までマルチ。試しに登山靴で登ってみたら、クライミングシューズの偉大さが身に沁みましたね。
普段やらないようなこと盛りだくさんで、楽しく勉強になった1日でした!