Member : すぐりん(SL)、まみさん、のりさん、かずさん、たなか(CL)(記録)
Timeline :
1日目 10/10 美濃戸口 ~ 赤岳鉱泉 ~ 小同心クラック取り付 ~ 赤岳鉱泉
2日目 10/11 赤岳鉱泉(07:30) ~ 中山乗越(08:00) ~ 中山尾根下部岩壁(08:57) ~ 稜線(13:40) ~ 赤岳鉱泉
3日目 10/12 赤岳鉱泉(07:00) ~ 小同心クラック取付き(08:50) ~ 横岳(12:20) ~ 赤岳鉱泉(14:30) ~ 美濃戸口(17:00)
5人で八ヶ岳に行ってきました。
本山行は積雪期(残雪期)に中山尾根、小同心クラックにアタックできるか判断すること、無雪期としては優しいルートで、本チャンを経験することが目的です。
1日目 晴
赤岳鉱泉は今年1月以来。積雪期はアルパインの方が多く、そこにいるだけで、気持ちが盛り上がるが、今日はハイカーの人が多い模様。三連休、テントの数は多い。
赤岳鉱泉にテントを張り、すぐりんと2人で小同心クラックの取り付きを確認に行く。硫黄岳に向かう登山道を5分ほど登り、最初に出合う大同心沢に入る。出合いには道標があった。すぐに急登の大同心稜に入る。
大同心稜を歩いている際に3人パーティーとすれ違う。彼らは小同心クラックを登るつもりが、取り付きがわからず、撤退してきたそうだ。取付きがわかるか不安になる。
急登の大同心稜を1時間ほど登ると大同心基部に着く。大同心のあちこちにツララがぶら下がっている。落下したと思われるツララも転がっていた。大同心基部から、小同心の取り付きに向かい、若干登りながらトラバース。道が段々悪くなり、更に小雪が降ってくる。不安が強くなる。踏み跡はあるが道が悪すぎるので、一度、先に進むのをあきらめる。10mほど下に下り、トラバースすると、はっきりした踏み跡があった。下降気味にトラバースすると良いようだ。
小同心クラックは遠くから見てもその大きなクラック(というかチムニー)がはっきり見えるため、取り付きに行けばわかると想像していた。が、いくら歩いてもチムニーが見つからない。いつのまにか、小同心クラックのある小同心左岩峰、そして、小同心右岩峰も通り過ぎていたようだ。さすがにおかしいと思い、戻ることにした。戻る際に、小同心左岩峰、小同心右岩峰が並んでいるのがわかり、現在地が確認できた。左岩峰を注意して見ると、15mほど上からチムニーが走っているのに気が付く。取付きからすぐにチムニーになっていると勘違いしていたため、また、取付きにペツルやハーケンがなかったため、見逃した。とにかく、取付きを無事確認でき、赤岳鉱泉に戻る。
夕食はいつもの通り豪華。ハヤシライスを頂く。
2日目 晴
今日は中山尾根にアタック。
中山尾根は昨年の8月、私が初めてマルチを経験したルート。その時の記憶が甦る。
早朝の静かな山、冷たく美味しい空気、晴天の空の下、周辺に連なる山々、はるか遠くには槍が見え、そして、諏訪湖が美しい。その最高の環境の中で、「ビレイ解除」、「ロープアップ」と大声を出しながら、急峻な岩を必死に登る行為。そのギャップ(単にクライミングという行為自体ではない)の心地よさが、心に刻まれた。
赤岳鉱泉を7時30分に出発。気温は0度程度で非常に寒い。中山乗越から中山尾根に向け倒木の中を1時間ほど歩くと、下部岩壁に出る。
下部岩壁手前で準備をする。かずさん、のりさん、たなかが3人で登り、すぐりん、まみさんペアが後から続くことにした。のりさんのクライミングシューズは小さく、靴下を脱がないと履けない。寒いため、登山靴で登ることにした。
1ピッチ目はⅣ級のルート。寒く、手がかじかみそうなので、手袋を着けて登る。最初が核心だった。朝一ということもあり、体が硬い。思うように足が上がらず苦戦する。はずかしながら、一度フォール。出だしを抜けると、そこから先は特に難しい所はない。ペツルが所々に打ってあるが、すべてネジが緩んでいた。手で絞めながら登る。
1ピッチ目終了点からは200mの草付き。カズさんに先頭になってもらい、3人直列になり、コンテで登る。一箇所悪いところがあり、かずさんにビレーしてもらう。
そして核心の上部岩峰。大分暖かくなってきたのと、自信がなかったため手袋を外して登る。途中で、左右ルートが分かれていた。右は被っていて難しそうだったので、左側を登る。素手だと流石に難しくはない。
上部岩峰終了点から易しいリッジを登り、トラバースし、稜線に出る。
稜線からは地蔵尾根を通り赤岳鉱泉に下山。
夕食はきのこと野菜がたくさん入ったキムチ鍋。すぐりんは、きのこが嫌いと言っていたが普通に食べていた。
3日目 晴
今日は小同心クラックにアタック。
帰りの時間を考慮して、昨日より30分早くテン場を出発。取り付きまでは一昨日確認しているため、特に問題はない。
今日も昨日と同じ組み合わせで登る。私は手袋を付けずに登る。かずさん、のりさんは手袋を付けて登っていた。
1ピッチ目は、チムニーの右側から取付き、左上し、チムニーに入る。チムニーの中はガバだらけ。チョックストーンにも抱きつきながら快適に登る。左側のテラスのピナクルでピッチを切る。
2ピッチ目は再びチムニーに戻る。やはり、ホールドがあるので快適だ。30m手前に良さそうなビレーポイントがあったので、ピッチを切った。
3ピッチ目は小同心の頭に出て、更に10mほど登る。小同心の頭から先は日が当たっており、暖かい。
3ピッチを通して、ハーケンやペツルは少ない。岩角にスリングをかけてランニングビレーをセットした。後で、かずさんに、岩角に掛けたスリングが効いていたか、確認すると、スリングは浮いていて、効いていなかったとのこと。岩角を使ったランニングビレーのセットについて、研究が必要だ。
3ピッチ目の終了点からは、ロープをしまい横岳山頂に抜ける。山頂の手前は若干悪かったので、ロープをフィックスしてプルージックで登る。山頂に出るルートというのは気持ちがいい。横岳からは硫黄岳を経由して赤岳鉱泉に下山。
中山尾根、小同心クラックを登れ、充実した山行でした。積雪期の中山尾根は実力的にまだ早いかなと思いました。小同心クラックは難しくはありませんが、スピードアップが課題になります。歩くスピード、ロープワークのスピードアップが必要です。現時点の実力では、阿弥陀北陵が限界だと思いました。今シーズン、小同心クラックにチャレンジできるかどうかは、これからの練習次第だと思います。
11月からアイゼントレーニングを開始します。