Date : 2011/07/14-18
Member : 組長
Timeline :14日:広河原~二股~右俣~肩ノ小屋
15日:肩ノ小屋~北岳~中白根山~間ノ岳~三峰岳~野呂川越~両俣小屋
16日:両俣小屋~野呂川越~横川岳~伊那荒倉岳~仙丈ヶ岳~北沢駒仙小屋
17日北沢駒仙小屋~仙水峠~甲斐駒ケ岳~摩利支天~北沢峠~北沢駒仙小屋
18日:北沢駒仙小屋~栗沢山~アサヨ峰~広河原峠~広河原
梅雨が明けたので、南アルプスの上の方を一人ほっつき歩いてきました。
時間はあっても金はないのでバイクで甲州街道を突っ走り、夜叉神Pに到着。バスを待っていると、乗合タクシーのおっちゃんが「暇だから似ちゃん乗ってけ。安くしとくから」っていうもんだから、バスより80円高いが快適なタクシーで広河原に到着。2年前に北岳・間ノ岳・農鳥岳縦走した時に建築中だったアルペンプラザが完成していました。給水室にロッカールーム、登山道、山小屋、花情報となかなか便利です。ふと、登山道情報を見ると、明日行く左俣沢が増水通行止めに!何でも、数日前から増水通行止めで行けないことはないが膝までの渡渉が7~8回あるとのこと。沢登りでは濡れたがりでも縦走では濡れたくないので、間ノ岳経由で仙塩尾根に乗るコースに変更。初っ端から不安要素が出ます。加えて、夏山縦走には必須の帽子を忘れたことに気づく。どこかの登山家が言っていました。「登山では2つ以上不安要素が出たならば撤退を考えなさい」と。まあでも、それはプロフェッショナルな登山の話だし、帽子がなくてもタオルまけばいいってことで不安要素の1つは解消ってことで、さっさと出発。
間ノ岳経由だと2日目のコースがベリーにロングになるため、初日にそこそこ距離を稼いでおこうと当初予定していた白根尾池小屋ではなく、肩ノ小屋まで行くことにしました。ちなみに、二股から左俣、八本歯のコルまでは残雪多く、下りは軽アイゼンくらいあった方が無難です。
時間もないので右俣コースをペース速めで登ります。長期の縦走で荷物が重く苦しいですが、ドMの組長はそこに快感を覚えながら快調に飛ばし、4時間足らずで肩ノ小屋に到着。正面に仙丈がドーンっとあって圧巻の景色。しばらくするとガスが出始め、西日を受けて山梨県側にブロッケン現象が頻発。「いやもう飽きたから」ってくらいのブロッケン祭りでした。
仙丈と中央アルプスの後方に日が落ちていくにつれて空が赤く染まり、甲斐駒方向には雷雲がかかって、それがやっぱり夕陽に赤く染まり、時折、稲光が辺りを照らし、後方には富士山、先週登った鳳凰三山と、ワンカップ大関の肴にしては贅沢すぎる圧巻の景色です。遠足かなんかで肩ノ小屋にいたジモッティーの芦安中生が「生きていてよかった」と生意気ぬかしていました。
ちなみに、肩ノ小屋は標高が3000㍍と高く、夏でも寒い上、水場が往復30分と不便ですが、上記の通り、景色は抜群で好きな小屋・テント場の一つです。
翌日も天気は快晴。朝日を浴びて北岳に登頂。
残念ながら昨年に崩壊したバットレスをのぞき見ながら間ノ岳への気持ちのいい稜線に乗ります。あたりにはキタダケソウやシナノキンバイ、ミヤマキンバイ、あと紫の花や白い花とかとにかく高山植物がいっぱいです。やっぱり南アルプスは花だなと思い、キタダケソウからの仙丈、キタダケソウからの富士山、キタダケソウからの組長、・・・と、ガラにもなくお花の写真を撮りまくります。ちなみに最後のツーショットは相乗効果が見込めないのでカットします。
ここで、北岳山荘というお気に入りの山小屋というよりかお気に入りの山トイレで気持ちよくウ〇コ。ここのトイレは本当に綺麗で、来る度にウ〇コしていきます。「南アルプスでウ〇コをするなら北岳山荘」・・・。山のおきてに書いておきましょう。
さて、気分を変えて、間ノ岳は雄大で山頂も広く、落ち着いた山です。富士山もきれいです。多くの人はそのまま農鳥方向に縦走するのに対し、三峰岳方向に稜線を下ります。三峰岳は岩峰で景色が素晴らしい。三峰岳から北方向の仙塩尾根に乗ります。仙塩尾根は初めてなので楽しみです。事前情報で熊が出没するとのことだったので、ここで熊鈴をつけます。・・・と、いきなり長野県側斜面に熊らしき気配が。姿は見えませんが、何か大きなヤツがガサゴソ樹林の中を動いています。こんなところにいるのは熊か服部文祥くらいなもんで、とにかく熊鈴をチリンチリンならしてガサゴソ君にあっちに行ってもらいます。ほどなくガサゴソ君はどこかに行ってくれました。
野呂川越からは急坂を下り、沢に下りて両俣小屋に到着。ちなみに野呂川越付近には沢までの急登を避けたらしいビバーク跡が多く、登り返しが嫌ならビバークできます。
両俣小屋は芋っぽいおばちゃん小屋番が一人できりもりしていて、素朴で静かな良い雰囲気の小屋です。猫もかわいいです。その上、川で水浴びができ、人がいなかったのでフルチンで水浴びをしました。画的にはかなり汚いです。テントも3張りくらい。川では天然イワナが釣れるらしく、釣り目的の人もいました。この小屋、マイナーですがオススメです。ここで仲良くなったおっちゃんは、なんでも百名山登山はみんなやってるから自分は2500メートル以上の山を制覇することにしたとかで、明日は黒檜山とかいう山に行くとのこと。確かに地図上には、熊の平からの尾根上に黒檜山なる2540㍍の山があります。三角点がありトレースもありそうですが、おっちゃん曰く「かの山には登山史上記録がない」そうで、まあ上には上がいるというか、むしろ横には横がいるといた方が正解な気がしますが、要は世の中にはいろんな人がいるなあとしみじみ思いました。
3日目。
野呂川越までの急登を登り、仙塩尾根に再び乗ります。この尾根、人があまり入らないので、複層林が綺麗な道ですが、倒木が多く、歩きづらいところが多いです。
途中、2499ピークからの景色は圧巻です。
仙丈ヶ岳までの道は途中からハイマツ漕ぎがひどくなります。ハイマツで道がほとんど分からない個所がありますが、長野県側斜面についている道の意図は読めるのでハイマツの上をバサバサ歩くといずれ道に戻ります。
大仙丈ヶ岳の山頂は人が少なく静かですが、連休初日ということもあって、仙丈ヶ岳山頂は人いっぱいです。人ごみが大嫌いなのでそそくさと北沢駒仙小屋まで下ります。北沢駒仙小屋にはすでに100張り以上のテントがあり、人もいっぱい。テントを張る場所探しに苦労しましたが、ちょうど撤収する人がいて何とかいい場所を確保。隣の宴会にイラつきながらも何とか寝付きます。
ちなみに、ここで6月初めの金峰・瑞牆で出会った韓流スターみたいな兄ちゃんに遭遇。また会っちゃいましたねとお互い照れ笑い。山好きの行動パターンは似通ってくるのでしょうか。先週の鳳凰三山でも金峰・瑞牆出会った女性にまた出会っちゃいましたし。さらに、鳳凰三山で北岳バックに写真を撮ってくれたとかいうおっちゃんにも遭遇。いやーまた会っちゃいましたねというおっちゃんの顔に見覚えなく、最近ようやく覚えた愛想笑いでその場を凌ぎました。
4日目。
甲斐駒までのピストンです。荷物も軽く快調に飛ばします。途中、摩利支天の脇から登る朝日は圧巻です。
甲斐駒山頂付近は花崗岩の綺麗なスラブがたくさんあります。沼さんがいたら絶対登りたいっていうようなボルダーもたくさんです。甲斐駒山頂からの絶景がみれました。北アルプス、白山、御岳、中央アルプス、恵那山、仙丈ヶ岳、間ノ岳、北岳、富士山、鳳凰三山、八ヶ岳などなど。今日の日程はこれだけなので、山頂でゆっくりと哲学的思考に耽ります。まあウソです。
甲斐駒山頂で4日目にしてさすがに人恋しくなったか、はたまた野性が目覚めたか、一人で来ていた女性をナンパ。なんでも、日本山岳会青年部とかいうイカつい団体に時々参加されてるとかで、年齢も同じ、親父が山好きで次第に自分も山に傾注していった親父タイプで同じ、さらには栗木君が大ッ嫌いっていうことも同じで意気投合(したと思っていたのは自分だけかもしれませんが…)。摩利支天からテント場までの下山まで、組長が付きまといます。迷惑じゃなかったら幸いです。結局、名前も連絡先も聞き忘れました。出来ればまたご一緒したかったのに・・・。まあ、PUMP2にも来られることがあるとのことだったので、偶然会うかもしれませんし、山好きならばいつかどこかの山で会うかもしれません。ちなみにブログに書きますって言っておいたので見てくれていれば幸いですが、PUMP2には火曜夜によく組長が出没します。見つけたら「この豚野郎!」って、声かけて下さい。
5日目。
ここ4日間とは明らかに風の匂いが異なり、また雲の種類も異なり、お天道様の機嫌がだいぶ変わってきたことが直感的に分かります。事実、台風が近づいてます。
北沢駒仙小屋から栗沢山に登ります。甲斐駒は人だらけでしたが、こちらはほとんど人はいません。熊さんは居そうです。早川尾根は初めてなのでワクワクです。栗沢山山頂付近は岩場で、道が少々不明瞭ですが景色は抜群です。そのままアサヨ峰まで岩場が続き面白いです。ただ、初心者には少し難しいかもしれません。
アサヨ峰ははっきり言って名山です。300名山とかになっていますが、深田の爺さんは何でこの山を百名山に加えなかったのかと、見る目がねーなーと思います。人も少なくマイナーな山ですが、かなりオススメの山です。ただし、アップダウンが激しい尾根で厳し目の岩場も連続するので注意が必要です。ここでまた、鳳凰三山で出会ったカップルの片割れの男性に出会ってしまいました。きっとまたどっかで出会っちゃうんでしょう。
早川尾根の小屋は今年は素泊まり営業のみですが、テント場水場は使え、静かでよい所です。
広河原峠からは急坂。ここを登りに使うとかなりしんどいです。
下山後、アルペンプラザでアイスを買います。ガリガリ君がないので仕方なくあずきバーで我慢。下山後のアイスはガリガリ君であることくらい分かっていてほしいものです。
天気の悪化を心配しつつ、急いで帰ります。疲れた体で山道のワインディングにゆらりとバイクを倒していくのはとても気持ちがいいです。バイクで行く山行の一つの楽しみです。てか、甲府暑い!
そのまま大渋滞の中央道を横目に甲州街道を健気に突っ走る組長でした。
今回の縦走は天気にも恵まれ、なんつーか最高でした。やっぱこの季節は南アルプスですね。
でも連日、日差しが強く、帽子がない組長の頭頂部はじりじりと日焼けして赤くなり、このままザビエルはげになるんじゃないかと余計な心配ばかりしていました・・・。あと、今回は日程に余裕を持たせすぎたせいか、少し歩き足りないかなと。
以上、長文駄文失礼しいたしました。ここまで読了されたあなたは相当ヒマです。その間に、お山の一つや二つ登りましょう。
それにしても山はほんとにいいですね。
(組長)
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