赤沢山・雪洞

2013-03-02

03_積雪期 d_上信越

Date : 2013/03/02-03
Member : 組長(CL)、もとき(SL)、テトラオドン、さとこ、A子、ひろみん、ちえ蔵(記録)
Timeline :
3/2 赤沢山の支尾根に取り付く(10:00) ~ 標高1200m付近(13:40) ~ 雪洞完成(17時半頃)
3/3 下山開始(08:45) ~ 土合山の家(10:00)

 雪深い上越 赤沢山に雪洞山行に行ってきました。
 この週末は、上越国境の「仙ノ倉山 北尾根」へ美しい雪稜を求めて山行に行く計画でした。 しかし、この週末も、発達する低気圧の通過で、大荒れの天気との予報。(なんだか毎週末、あまり天候が芳しくないのです・・・。)
 少々天気が悪いくらいなら、雪山力を高めるためにも、仙ノ倉を決行しようと計画していましたが、大荒れでチャレンジするのは危険なので、豪雪を利用した雪洞&宴会山行に切り替えです。

 そんな天気の中でも土合駅は大盛況。午前2時過ぎにテトラオドンパジェロが到着すると、駅の中も、ホームへと向かう廊下にも登山な皆さんがシュラフにくるまり、イモムシのように寝ていました。

 翌2日の朝は、雪洞山行に切り替わり、天気も悪くてテンションダウン、すっかり寝坊。駅の外は吹雪き。山に行かずに、駅の周りで掘っちゃう?!と少々弱音な考えも脳裏をよぎりましたが、
                「雪山で雪洞掘るのはいつ?! 今でしょ!」

ということで、土合駅の裏手にある「赤沢山」をターゲットに決定。土合駅のテーブルで、25000分の1の地形図を見ながら、登山ルート、雪洞を掘るならどの辺り?等の相談をします。

 
 9:45土合駅を出発し、土合山の家に向かいます。今回取り付いた尾根は、山の家のすぐ裏手にある、右手に著名な沢筋がある尾根。ワカンを装着し尾根に取り付き始めると、気分もノッて来ました。
地形図で取り付く尾根確認

 上越の雪は水分を含んで重いです。アルミのワカンは冷えて雪が付くし、ラッセルは体力と要領が大事。まずは男・組長が歩みを進めます。6人用テントを背負って、ザックもデカイのに、さすがですね。
「頂 山の会」は2,30代が中心です!と会紹介をしてから、早数年、20代も30代になり、30代も30後半になってきたので、腰とか痛くなっちゃうのです(泣)。

 そんな中、雪国美人で有名な秋田出身のA子さんは、小柄ながらもガッツなラッセルを披露。さすが雪慣れしていて、要領よく雪を踏み固めていきます。

深いラッセルで雪と格闘するA子
赤沢山は標高1328mの低山。それでも上越の豪雪が尾根を雪の壁に変え、立派な雪庇が発達中!。  


デッカイ雪庇
雪と格闘しながら登ること、約3時間半、標高1100~1200m付近で雪洞適地を探索。1180のピークを越えた先あたりの尾根を本日の雪洞作成地に決めました。
雪洞作成地の適地とは・・・?どんなところが良いのか現場監督さとこさんに教えて頂きました。
 

 ・十分な積雪があるか(雪洞の高さを確保できるか)
 ・雪崩や滑落の危険性はないか
 ・雪をかき出すのに楽か(斜面が良い)
 ・入口が風上を向いていないか
 ・積雪の中に木の枝など出てこないか  などなど。

 
 
 雪洞作成に必要なもの。スコップ・ツェルト・元気な人間。そしてチームワーク。掘る人、雪を掻き出す人を分担し、手際よくやらねばなりません。なぜなら、吹雪の中にいるのは寒いから、ひとまず掘って雪の中に避難するのが一番。
 掘る人は、まずは細かいことは気にせず掘る。スコップやスノーソーを使って、ブロック状に切り出すのがコツ。雪をお外に出しやすい。雪を出す人は、ツェルトや銀マット、ブルーシートを使って、まとめてお外に出すのがコツ。ただし、欲張って雪を溜め込んでからお外に出そうとすると・・・、動きません。雪は重いのだー。

一心不乱に掘る

ツェルトで雪を出すのだ
今回は総勢7名なので、5人用の雪洞と、もとき夫妻の雪洞を作成。5人用は入口2ヶ所から掘りまして、途中から繋げて大きくします。開通の瞬間が快感!!

お隣さんと開通~
雪洞は仕上げも大切です。天井はきれいにドーム状に。デコボコしていると、天井が溶けて水滴が沢山落ちてきてテンションが下がります。快適な睡眠のために、床もきれいに。棚があると雪洞内の整理整頓に便利です。
 雪洞作りも体力と要領が大切。そして掘りやすいスコップも。テトさん(以下、テトラオドンさん)のスコップは大きさもパワーも抜群。雪慣れしているA子さんも手際よく整地を進めます。夫婦の寝床が完成したもときさん、ひろみんも加わり、最後はみんなで大部屋を完成!

天井をきれいに
なんか床赤くて・・・❤?!
入口はツェルトで上手に塞ぎ、ランタン灯して本日の夕飯は、さとこさんお手製の鳥鍋。冬はやはり鍋ですね、山で野菜がたくさん食べれるのもありがたい。炭水化物は、巷で話題の「マルちゃん正麺」。それぞれが持ち寄ったお酒やらつまみも広げて、外は吹雪ですが、雪洞内はとっても静か。 なんか自分がちょっと獣になった感じで楽しいです。雪の中で冬眠している獣たちは、こんな感じなのでしょうか。
鳥鍋ぐつぐつ♪
「トイレに外出たくなーい。」「下山まで、トイレ行くのツケにしてくれないかな~。」とくだらないこと言いながら、日本酒熱燗にしたり、芋焼酎お湯割りにしたりして、持ち寄った珍しいおつまみを戴きます。組長は、大人買いした「ホタテの貝ひも」を、しみじみ炙っております。勝手にテトさんの子供の名前を考えちゃったりします。「大明神とか、語呂が良くない?!」 全然良くないですね、すみません。でも、テトさんは大らかです。

 雪洞プラス宴会山行のつもりでしたが、雪洞掘りに体力を使ってしまった感の頂 30代は結構早々ダウン。お酒もそこそこに20時過ぎには就寝となりました。

 深夜、もときさんが大部屋を訪問。雪が凄くて、入口埋まらぬよう見に来てくれたのです。加えて、天井から水滴の滴る音が・・・。水滴の落下地点を探しますが、よく分からず、あきらめてシュラフに潜り込んでしまいました。
 翌朝起きると、えー!!天井が下がっている!(通常下がるものなのですが、雪質や天井の仕上げが疎かだと、危険なほど下がるそうです。
 外も雪が積もって片方の入口はどこだかわからない?!という状況です。70cmくらいは積もったのではないでしょうか。夜中にもときさんや、さとこさん、テトさんが入口の除雪をしてくれていたのでした。ありがとうございます(ぺこり)。降雪が多いときは、みんなで手分けをして、除雪しなくてはいけません。

 
 2日目、赤沢山山頂はもうすぐそこですが、相変わらず吹雪いているので、登頂せずに、温泉入りに帰ろうーと朝ごはんの鮭雑炊を戴いて、そそくさと下山開始。一晩のうちに降った雪で、すっかり昨日つけたトレースは消えています。下山時、登ってきた尾根と少しルートを外しましたが、雪まみれになりながら、シリセードではしゃいで、たまに雪にハマって、温泉目指して一目散に下山しました。

雪まみれではしゃぐ
土合駅もみえてきたよ

 わたくし、初めての雪洞山行となりましたが、色々勉強になりました。

①作成適地を探すのが大切。強度を保つために、積雪の高さに注意。
②作業分担で効率よく。
③天井はドーム状にきれいに(天井の下がり、水滴落下防止)。
④濡れ対策。雪洞内は湿度100%で乾かない。そもそも濡らさぬように。
⑤荷物の整理整頓。ピッケル、シャベル、ワカン類も雪洞内に収納(降雪で埋もれちゃう)。
⑥雪洞崩落や一酸化炭素中毒など、過去の事故事例を学んで、安全で楽しい雪洞を。

などなど。

また機会を設けて、より洗練された雪洞を掘り、ステキな雪洞ライフを過ごしたいです。


























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