飯豊山(川入~三国岳ピストン)

2013-04-29

03_積雪期 b_東北

Date : 2013/4/28-29
Member : まり(CL、記録)、のり、Akko
Timeline :4/28 山都駅6:00~(タクシー)~6:40川入集落6:57~7:20御沢野営場7:35~登山口7:43~下十五里8:27~中十五里9:03~11:45地蔵山と三国岳のコル12:00~剣ヶ峰道標13:08~三国岳(三国避難小屋)13:20
4/29 三国避難小屋7:36~剣ヶ峰道標7:54~8:35地蔵山と三国岳のコル8:50~中十五里10:10~登山口11:00~11:10御沢野営場11:55~(蕗の薹をとりながら)~12:30川入集落

GW前半戦に憧れの飯豊山に向かいました。期日までにアプローチ口まで除雪されるのだろうか、天気は大丈夫だろうか、剣ヶ峰は、と何かと計画時からドキドキし、結果的には三国岳をピストンするだけになりましたが、飯豊山の奥深さを知ることができた素敵な山行になりました。
当初は4月27~29日(30日予備日)で、川入から飯豊山までを計画していましたが、27日は大荒れの天気予報。天気が悪い中、剣ヶ峰を通過することは避けたかったので、潔く出発日を28日ずらし、28日:川入~三国岳、29日:三国岳~飯豊~切合、30日:切合~川入の予定としました。

4/27 東京~山都駅
といわけで、27日は東京から会津若松までのんびりバスで移動。基本的にじっとしていられない私には、移動の4時間は苦痛でした。ようやく会津若松に到着。八重の桜で盛り上がっている!とはいえ、夕飯を食べようと駅前に出ると、暗い・・・。居酒屋発見と勇んで行くも、満席。なんと2つのお店に断れる始末。ご飯食べれない、、と心配しながら3つ目の居酒屋さんでようやく席にあり付けました。しかも、その店は「北海道」という名。会津若松にいながら、ラーメンサラダ、ざんぎ、シシャモと北海道名物を食べちゃいました。不思議な感じです。
さてさて、今日の夜は川入集落の最寄りの山都駅で駅寝をする予定。山都駅に行く終電に乗ろうと改札に向かうと、何か様子が変です。なんと夕刻に人身事故が起こったために、電車が復旧していないとのこと。がーん。東京だと人身事故でも数十分で復旧するのに、と思いつつ、先ほどの居酒屋の満席ぶりも思い出しながら、ここが東京ではないことを改めて思い知ります。そう、自分の常識はここでは非常識。心を仕切り直します。さてさて、山都駅まで行けないのかなぁと思っているとなんと途中の喜多方駅までは電車を動かし、そこから先はタクシーで送ってくれるとのこと。さすがJR!というわけで、無事に山都駅に到着。ちなみに、タクシーの運転手には、「山都駅からどこへ行くのか?」と聞かれ、「ここで寝るんです」と言ったら絶句されました。この山都駅、事前の調査どおり、駅寝には非常に快適なベッド、いやいやベンチがあり、綺麗なトイレもあり、すごく快適。

山都駅内
4/28 山都駅~川入~三国岳
始発電車の音を目覚ましに、さわやかに目覚めます。あらかじめお願いしていたタクシーも時間どおりに来てくれました。早速川入集落に向かいますが、雨。。しとしと雨が降っています。川入集落到着後も雨はやむことがありません。ちょうど水戸ナンバーの車から3人組のパーティも出てきて、出発して行きます。我々もいそいそと濡れ対策をしながら、テンションが上がらない中、午後には天気が回復する予報を信じて出発です。
川入集落。この時期のスタート地点
野営場までの道。
 野営場までの道はところどころに雪が残っている程度。てくてく歩くとあっという間に野営場。さらに歩くと、立派な杉、栃の木とお地蔵様がいる登山口につきます。道中の安全を祈願しながら、これから本格的な登りです。
登山道入り口にあるお地蔵様
登りはじめは、ほぼ雪のない登山道。なによりもつらいのが、雨かつ暑いこと。濡れてはいけないので、暑いのにアウターのシェルは脱げない。でも、自分の汗で十分濡れてる!脱いでもいいじゃん、と魔のささやきと葛藤しながら高度を上げていくと、段々雨がみぞれ、みぞれが雪に変わって、途中から本格的な雪道になってきました。先行の水戸ナンバーの3人組のトレースを借りて進んで行きましたが、わかんを持っていた我々が途中から先行隊をつとめることに。わかんは偉大です。
ワカン隊、先行します
地蔵山のトラバース
景色のないなか、地蔵山をトラバース。水戸組に快適なルート取りのアドバイスをもらいながら進みます。たまにふっとガスが晴れて、目指すべき三国岳、そこに行くまでの剣ヶ峰が見えます。
うっすらと姿を現した三国岳と剣ヶ峰
これが剣ヶ峰かぁとジロジロ見ながら、剣ヶ峰と地蔵山のコルにたどり着くと、ちょうど剣ヶ峰から降りてきた2人組のパーティに会います。かれらは前日の天候が悪いなか、三国岳まで行き、避難小屋に泊まったとのこと。三国岳より先は80cm程度の積雪があり、断念し、戻ってきたとのことです。自分達のトレースを使いながら進むといいよ、などとアドバイスをもらい、ここでアイゼン、ピッケルに装備を変更し、いざ核心部に向かいます。ちなみに、水戸ナンバー組は当初は1泊2日で大日岳をピストンする予定とのとこでしたが、体調の悪いメンバーがいたのが、ここで帰って行きました。(翌日の天気を考えるともったいない気がしましたが、結果論ですね)
幸いにも、雨・雪はこの時点ではやんでいます。ただし、風はそこそこ吹いていたため、降りてきた方のトレースはあっという間に雪に埋もれて、結局ラッセル。とはいえ、行き先の手掛かりがあるのは安心です。
一歩ずつ、ちょっとずつ足場を踏み固めながら、登ります。剣ヶ峰の道標が見え、ここからが剣ヶ峰と思うと、気が引き締まります。たまに現れる岩場やナイフリッジな尾根を慎重に進みます。最後、小屋直下にいやらしい岩場がありましたが、ここもおいしょ、となんとかクリア。
ナイフリッジ

岩場も登場する
小屋直下の剣ヶ峰の一番の核心部
三国岳=三国避難小屋に到着です。

小屋に到着すると、すでに4人組のパーティがいました。昨日の悪天候の中登りはじめ、途中でテント泊をし、本日三国岳に到着したとのこと。彼らは2階を、我々は1階を使わせてもらうことにしました。

三国岳山頂部にたつ立派な三国避難小屋
内部もとてもきれい!
「小屋で暖かいココアを飲む」を頼りに登ってきた私は、さっそくお湯をわかしココアを飲みます。美味い!さて、明日以降どうするか。。ヤマテン予報によると30日は朝らか天気が悪い。そして、どうみても三国岳から飯豊山に行くには相当労力を有する。というか、我々女子3人では到底無理。というわけで、ここはあっさり明日は下山することに決定しました。(ちなみに4人組パーティも下山するとのことでした)行かないとなっても、少しはどんな積雪状況なのか知りたい所。果敢に真っ白な雪の中に突っ込んでみましたが、空身でも埋もる。埋もる。飯豊山は遠い!
 
飯豊山に向かって進んでみる
この日は終日雲の中だった大日岳
種捲山(みえないけど、奥に飯豊山)

通ってきた剣ヶ峰のルート
akkoさんお手製のなべに、翌日食べる予定だったのりさんお手製の味付けひき肉も加えた豪華なチゲ鍋&ラーメンに舌鼓をうち、しかも梅酒でちょっと気が大きくなった私はモリモリ。食べすぎたーと思いながら、シュラフに。時折強い風の音で目を覚ますものの、10時間ぐっすり眠りました。
締めのラーメン。美味し
4月29日 三国岳~川入
快晴。風も収まり、昨日までは姿を見せなかった大日岳も現れました。大きい。御来光も素敵でした。
朝日に照らされる大日岳
御来光
朝の月は静寂
今日は種捲山、奥に飯豊山も見えます
さて、4人パーティが早々に降り始めるとのこと。トレース代1000円ねーと冗談(だと私は思っている)を交わしながらお見送り。我々も核心部の剣ヶ峰を降りる準備です。のりさんにザイルを準備してもらい、チェストハーネスを付けます。(4人組パーティも昨日あった2人組パーティもハーネスを付けており、ハーネスあった方がよかった、と反省しました)。ウォーミングアップとして再度飯豊山の方に向かって歩き、いよいよ下り始めます。最後の岩場が一番いやらしかったのですが、なんと、今日は十分な積雪あり、巻ける。先行パーティの巻いたトレースもある(ちなみに、昨日は岩場の横はアイスバーンになっていて、巻ける状態ではなかった)はっきり言ってラッキーでした。
のりさんはザイルを仕舞い、先行隊のトレースを利用させてもらいながら、ゆっくりおります。 
剣ヶ峰の核心部。下から見上げる
今回は岩場を巻けました
ふー。ここで、一息。
でも、さらに岩場、ナイフリッジの尾根が続きます。昨日は視界がそこまで明瞭ではなかったため気づかなかったのですが、結構な落ち方。。しびれます。一人ずつ慎重に進みます。
岩場はまだまだ続きます



ザ・ナイフリッジ
どこに行くんだ、このトレース
しびれます
大日杉方面
地蔵山に向かう
大日岳ばっく。無事に降りてきました
壮大な景色を楽しみながら、地蔵山と剣ヶ峰のコルに到着。ここで、川入集落までのタクシーをお願いし(稜線から外れると、携帯の電波は入らない)、惜しみながら下ります。本当に天気がよく、朝日連峰、吾妻山、安達太良、磐梯山もすべて見えます。時には鳥のさえずりも聞こえ、なんともまぁいえない幸せな空間です。
地蔵山と剣ヶ峰のコル。
なごり惜しい。
鳥のさえずりも聞こえる、なんとも平和な空間
雪は昨日よりも溶けており、中十五里からはほぼ夏道になっていました。


28日の状況
29日の状況
無事に登山口にもどり、お地蔵さまに御礼をします。タクシーまで時間があったため、野営場ではお湯を沸かしながらゆったりし、さらに川入集落までは蕗の薹やカタクリの花をみながら歩きます。


カタクリの花。スーパーサイヤ人みたい(byAkko)
蕗がたくさん!
蕗の芽を探しまわる
川入集落にある鳥居
タクシーで山都駅まで送ってもらうと、駅舎横には満開の桜が。飯豊の春はこれからのようです。

山都駅脇に咲き誇っていた桜
今回は三国岳までしか行けませんでしたが、それでも飯豊山の奥深さや懐の深さに益々魅了されました。飯豊山の入り口に立たせててもらっただけでも感謝です。ゆっくりと時間をかけて楽しみたい山だと思いました。飯豊山、また行きます!!

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