小川谷廊下

2013-08-01

06_沢登り g_丹沢

Date : 2013/07/27
Member : テトラオドン、うろた、ちえ蔵、まり、akko、組長
Timeline :穴ノ平橋0932~1010小川谷F1~1133ツルツルの大岩~1205石棚~1313壊れた堰堤~1412穴ノ平橋


丹沢一の美渓、といわれる小川谷廊下に、みんなでワイワイ水遊びに行ってきました。


暑いときには水に飛び込む。そんなこと子供でも知っています。
ということで、35度のとろけそうな日希望!!系の沢、小川谷廊下にみんなでワイワイ行くことにしました。

新車のクリーンディーゼルパジェロで渋滞の東名を抜け、天気の微妙な西丹沢へ。車中で、「あまちゃん」トークに花が咲くも・・・見てないから分からない。最近、この話題多いなあ。見なきゃやばいなあ。うろたさんの朝ドラフリーク??オタク??ぶりに皆さん驚嘆。。。自分は「ふたりっこ」??以来の記憶がない。・・・なんてことはいいとして、車は中ノ沢林道入口ゲートまで。ディーゼルパジェロなら、ゲート強行突破も可能だが、ここはおとなしく近くの路肩に駐車させていただく。付近にはたくさん車が駐車していた。中ノ沢林道途中の湧水を汲みに来る人もいるようだ。穴の平橋までは緩やかだけど、くそ暑い。まり姉さん、「早く水に入りたい」と、短時間に3回くらいつぶやく。まあとにかく、くそ暑くてもう飛び込む前から汗だくびしょびしょ・・・。「早く水に入りたい」。

小川谷に入渓するには、林道途中から踏み跡をたどったり、穴の平沢を下りて行って堰堤のハシゴを下降したりと、いろいろ方法があるようだけど、穴の平橋のすぐ下から穴の平沢を下降し始めると、梯子のない堰堤があるので行きづまる。橋より少し林道を下ったところの小尾根から堰堤の下に出た。その先にも4つほど堰堤があったが、梯子が付いているので簡単に下りられる。
小川谷の最初のアトラクション??

小川谷に出合って、早速遡行開始。
広い河原から急に小川谷廊下の狭まった谷が始まる。普段、スピリチュアル的??な何かを感じることのない自分が、この入口では何とも言えないパワー??的なものをビンビン感じた。
なんて・・・、今思えば、ただただマイナスイオンを目いっぱい浴びただけかもしれない。よく言う妖精見たとか、そういった感じの細やかな感性持ち合わせていないしなぁ。。。見える人がちょっとうらやましい。ま、気分悪くなっちゃうのはゴメンだけどね。
自然の力

入口の3m滝は簡単。右からガバを使って上がる。みんな楽勝。
「巻きのうろた」が直登!?

これを上がると目の前には有名な巨石が鎮座するCS滝。左右どちらも登れるようだ。左の方が面白そう。でも、少し時間がかかるだろう。この日は大気の状態が不安定だそうで、昼過ぎると雷雨の可能性がある。入渓前に神経質に雲を見ていたが、遠くに積乱雲が発達しかけており、2,3時間後にはもしかしたら、にわか雨が降るだろうということは考えていた。ということで、今日はなるべく早く抜ける作戦。
だから迷わず右から。ちなみに、左にも新しいリングボルトが短い間隔で3つも打ってあるし(どうなのかなとは思いますが)、水量も多くなければ突っ張って簡単に登れそう。
CS滝。もはやアートです

CSの右の残置スリングと木の足場。

右は、残置スリングがアブミ状になっている。さらに丁寧に木の足場もある。こいつらを使えば問題ないが、わずかにあるクラックを使ってフリーで抜けようとすると、なかなか手ごわかった。
上に上がって、お助け紐をアブミ状にこさえて垂らす。皆さん、お助けを使って上がってくるが、少々苦戦気味だった。AOするにしても腕力がないとちょっと厳しいかな。
スリング掴んでグイッと。3mくらいです

続く6m滝はなかなか綺麗。左から登れる。まり姉さんが、中間部のスラブで苦戦。ホールドを探す手が小刻みにあっち行ったりこっち行ったり。。人間焦ると、動きがものすごく小刻みになる。こちとら、上からのんびり座って助けもせずに鼻くそほじりながら大爆笑。人が焦っているところを見るのはなんて楽しいんでしょう。ぷぷぷ。
優雅な6m

かわいそうな子羊に手を差し伸べる優しい人々。撮ってる人は爆笑です。

今日は全体的に水量少なめですが、それでも結構バシャバシャ浴びます。
夏!!やね

次は2m5mの2段の滝です。
近づくと左壁に階段状のバンドがあり、簡単に登れます。今回のメンバーは皆さん経験もあるのでこのくらいはもちろんお助け何かなしでささっと通過。
簡単です

涼しげ

その後、簡単な滝をいくつか通過。釜のある小滝で、「もう我慢できん」とばかりにうろたさんが飛び込む。。でもみなさん、、まだあまりスイッチは入っていないようで、うろたさん一人さびしくびしょ濡れ。まあもう少し先にもっといい飛び込みスポットありますから。そう焦らずに。
じゃれ合うアラフォー

次の釜では、まり姉さんが飛び込む・・・というか、ゆるりと入浴??すぃーすぃーと泳いでます。ぱっと見、なんとなくですが、河童に見えました・・・。
入浴中♡♡♡

気を取り直して、スラブ状ゴルジュの入り口の6m滝。
右壁に残置スリングが垂れていて、人口では登れそうですが、ツルツルなのでフリーでは無理そう。簡単に右から巻きます。巻いた後は少し高度感のあるトラバースをこなし、再び沢床に降り立ちます。
6m滝。右壁のツルツルのところに残置スリングが垂れている。

その先には、「アタイの懐に飛び込んでらっしゃい!!」といわんばかりの深い釜を持った1条の滝が・・・。
皆さんに急かされ、ここでようやくスイッチが入ります。ま、これやりに来たんスからね。
早速、ドリャ!!と一発決めて、ボクの夏休みが始まる。

続けざまに皆さんバンバン飛び込む。もう、アラサーもアラフォーも関係ありまへん。一発決めれば、みんなティーンだ!!
テトラオドンさんも家庭がアツアツすぎるから、ここで一発頭を冷やした方がいい(すいません、ヒガミです、これからもアツアツで結構です)。
河童の河流れ

皆さんに若返ってもらったところで、お次は有名なツルツルの大岩。登れそうで登れないというこの大岩。そう言われると登りたくなる。で、登ってみるけど、やっぱり登れない・・・。最初はフリクションを使って登ってみるが、濡れているし、ソールに砂利が付いているしで、どうしても滑る。それでは、ということで、今度は助走をつけてダッシュで駈けあがってみる。4,5m先の少し傾斜が緩くなったところまでは登れたが、その先はやっぱりダメ。コントみたいにズルズル滑る。仕方がないのであきらめる・・・。目の前にはフィックスが垂れ下がっているので、こいつを使えば誰だって登れる。さっきまでティーンだったみなさんもなぜかまたアラフォーに逆戻り??守りに入ってトライもせずにロープ鷲掴みで登ってくる。
ツルツルの大岩。かなりデカイ。

中央にフィックスがあります
 

大岩を過ぎると、俄然、「廊下」っぽくなってくる。苔むした側壁には綺麗な花が咲き、神秘的で心が洗われる。
廊下っぽくなってきた

しかし・・・神聖な気分も少し歩くと一気に台無し・・・。なんと「廊下」に渋滞ができている・・・。昼休みの小学校の「廊下」みたいにひといっぱい。
なんでもキャラ〇ンの登山教室御一行様ということだそうで、総勢20数名・・・。
ゴルジュの入り口は渋滞の起点です・・・

クライマックスの石棚のゴルジュには目がいかず、ついつい人の多さに目がいってしまう。
それにしても、ハイシーズンの週末に、たくさんの入渓者が予想されるにもかかわらず、20数名引き連れてくるのもどうなのかなぁ。10人くらいの小パーティーに分けてもいいんじゃなかろうか。
渓中の大渋滞は、他パーティーにとってリスク以外何物でもない。

当然のことながら、先に行かせてもらう。待っていたら、日が暮れてまう。
もっとゆっくりゴルジュを楽しみたいんだけど、沢登りに来たのに人ごみに紛れるなんて最悪なので、ささっと通過。7mほどの滝にはロープがたくさんかかっていて、滝下には行列。もはやテーマパークのアトラクション。30分待ちの立札持ったバイト君でも配置したいくらい。げんなりしながら、あたふたしているおばさんの横をさっさと登る。階段状で簡単。
せっかくの見どころなんだけどなぁ。。。

行列のできるゴルジュ

石棚までいくと、喧騒から少し離れ落ち着く。別の先行Pが左の巻き道を登っているので、しばし滝見物。豊富な水量と深い釜。美しい滝だった。
石棚。倒木の上あたりから登って巻く。

スケールのある滝です

なぜ食パンを口にはさんだのかは、今ではよく覚えていません。

ここも定石通り、左の簡単な岩場を登る。一応、ロープを出す。残置ハーケンはいっぱいある。Ⅲ程度で簡単だ。
ここらあたりから、雷様が急に怒り出す。次第に雨も強まってきた。こりゃいかんと思い、少しペースを上げる。先行Pがエスケープとして大デッチ沢を登っていたが、壊れた堰堤で迎える小川谷のフィナーレはもうすぐ先なので、最後まで遡行する。最後の8m滝は右からも登れるが、天気が天気なので、簡単に左から巻く。
8m滝。右岸を巻く。残置トラロープが下がっている。奥に見えるのが壊れた堰堤。

そして、「テーマパーク小川谷」の最後の見世物、有名な壊れた堰堤へ。沢登りでは人工物は毛嫌いされるが、ここの堰堤はある意味いい味だしていて、「あってもよい」人工物??
堰堤をくぐる。ちょっと幻想的だった。



堰堤をくぐると、広い河原に出る。ここで小川谷廊下の遡行は終了。左手に中ノ沢経路が通っている。50mほど先の登り口にはケルンが積んであり、少し登ると廃ワサビ田があった。踏み跡伝いに斜面を登ると、しっかりした踏み跡が続いていた。中ノ沢経路だ。中ノ沢経路は途中崩壊部分もあったが、特に危険な所はなく、すたこらと歩ける。一時は強くなりかけた雨も、すっかり小康状態になり、しばらくするとやんだ。
一部崩れているけど、問題なしです

穴の平橋まで戻り、帰り支度をしていると、ヤツがいた。ついに西丹沢にも出没するようになったか・・・。
車までの林道上で、「ズッコケのうろた」の本領発揮。この人、いつも下山中のしょーもないところでコケる。今回は、水路の上の鉄網がかかったところで滑ってこける笑。それも2回連続で。。学習能力がないのか、笑いの神が下りているのかは分からない。どーせならコケればいいのに3回目はよける・・・。代わりになぜかakkoさんが派手にコケる。

帰りは炭酸カルシウム温泉、さくらの湯へ。のんびりしたいかにも町営っぽい温泉だったが、炭酸っぽくなかったなぁ。。てっきりもっとシュワシュワするのかと思った。

帰りは、東名の渋滞。ディーゼルパジェロなら前の車の上を戦車ばりにガシガシ乗り越えて進むこともできたが、おとなしく列に並んだ。

ということで、参加の皆さん、小川谷廊下はいかがだったでしょうか。
丹沢一の美渓という評判は、確かにその通りだと思います。宝石のように泡立つ豊富な水、美しく磨き上げられた白いゴルジュ、青く透き通るような釜。どれをとっても素晴らしい景観です。その上、夏の暑い日にはもってこいの飛び込みスポット多数。子供のようにはしゃぎたい気分の時は最適です。大きなCSやツルツルの大岩、石棚のゴルジュ、壊れた堰堤など、要所要所に観光スポットがあって、最後まで遡行者を飽きさせません。
ただ、と、ここへきてつまらないこと言うのもアレですが、個人的にはやはり少し物足りない。美渓といっても丹沢の中で、という枕詞はついてしまうだろうし、ややスケールが小さい。遡行時間も非常に短く、心地よい疲労感もない。足の揃ったパーティーなら2時間ほどで抜けられます。それぞれの滝は美しいが、全て直登するならともかく、登るにしても巻くにしても簡単。スリルのある登攀はない。たくさんの遡行者も迎えているせいもあり残置も豊富で半ばアトラクション化している感がある。地図読みも特になく面倒な詰めもない。まあそれは素晴らしいことだけど、全体的に「沢臭さ」??が薄い。無理な注文かな・・・


まあいずれにしても、小川谷廊下が素晴らしい沢であることには間違いない。一度は行っておきたい沢の一つだと思います。

ちなみに、今回は天気を気にして素早い行動を心がけたが、ゴルジュ内はともかく右岸にはところどころ作業道が下りてきており、中間部までは比較的エスケープが容易だ。上部も中ノ沢経路にむかってエスケープできそうなところがいくつもあった。今回はアクアステルスで行ったが、この沢はぬめりのヒドイ季節を除けば、断然アクアステルスの方が強いだろう。

(組長)



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