槍-北穂縦走

2009-08-29

01_無雪期 l_北アルプス

Date : 2009/08/29-31(前夜出発)
Member : のり(CL)、友人
Timeline :
8/29 上高地(6:43) - 横尾(9:11) - 槍沢ロッヂ(11:24) - 天狗原分岐(13:31) - 槍ヶ岳山荘(16:04) - 槍ヶ岳(17:07)
8/30 槍ヶ岳山荘(5:18) - 南岳(7:14) - 北穂高小屋(11:43) - 北穂高岳(12:33) - 涸沢ヒュッテ(15:12)
8/31 涸沢ヒュッテ(5:29) - 横尾(7:33) - 河童橋(9:42)

今年の夏山で行きたいと思っていた槍ヶ岳から大キレットの縦走に行ってきました。

1日目(8/29)
前夜にさわやか信州号で新宿から出発。例年沢渡でハイブリッドカーに乗換だったが、普及したのか上高地バスターミナルまで乗換なしだった。予報通り雨が降り始めているが、朝食をとりながら準備。同行の友人は小屋泊なので久しぶりにソロテント。今回はずっと担いでいるから行動食を減らし装備も軽量化に努めたが、家を出る時には15Kg(でもまだ重いらしい)。雨の勢いがすごくてこの先危ぶまれるが、横尾までは何度か歩いているし平坦な道のため気持ちも楽。横尾に着いたときは雨が上がってレインウェアを脱げた。予定ではここで早めの昼食だったが、まだ食堂が開いていなかったので槍沢ロッヂへ変更。槍ヶ岳まで11Km。距離だけ見れば大したことないのだが、これからずっと登るのよね。


槍沢ロッヂまでは道幅狭くなり多少の登りがあるものの、槍沢沿いに気持ちよく歩ける。雲の隙間から青空が見えるようになり気温も上昇。カップラーメンしかなかったらどうしようかと思っていたが、有り難いことにカレーライスにありつけた。順調に進み最後の水場で持てるだけ水を汲んで、ここからの傾斜のきつい登りをひたすら進む。雲がどんどん抜けてきて、目指す槍ヶ岳が見えるようになってきた。播隆窟の先で最後の登りに備えて少し休憩。一日の疲れもあり、殺生ヒュッテからの登りはさすがにスピードダウン。この周辺のお花畑も花盛りで癒されたし、すっかり雲が抜けて穂先は取り付いている人までばっちり見えるので、頑張る気になれた。


天候悪い予定だったし登りの疲れもあるから明日にした穂先だけれど、状況よいから明日のためにも登っておこうとなり、手続き済ませてテント張り山頂へ。団体も降りてきたし空いていて遠慮せずに済んでよかった。はしごや鎖がたくさん。おかげさまで私でも山頂に立てる。


素泊まりの友人に便乗し、自炊場で今日の夕食。生ビール1000円は高いよ!と思いながら、でもやっぱり美味しい。「雲の上の診療所」ってここかと小屋探検。槍ヶ岳山荘は食事付きと素泊まりで棟が異なる(当然、設備も異なる)そうだ。明日の予報は曇りか一時晴れ。南岳小屋で最終判断として、就寝。槍ヶ岳山荘のテント場は30張り。丁寧に区画整理されていて、混雑する時には非常に便利だろう。が、会のスタードームテントが張れそうな場所はなかったように思う。

2日目(8/30)
夜中に降った雨は上がっていたが、フライシートは乾くわけもなくさらに重くなる。視界5m以下なんじゃない?ってぐらい真っ白。大喰岳山頂は見逃したし、中岳にあるはずの水場は涸れていた(これも見逃した?)。熊鈴の音が聞こえてきても、なかなか人が現れない。それぐらい何も見えない濃霧。果たしてこの先は大丈夫?南岳小屋で情報収集がてら休憩して、シナモンコーヒーをいただいた。今日の大キレット情報は、「問題なし、油断せずに」とのことで、このまま行くことにする。5.10のガイドテニーを試そうと持ってきたけれど、履き替える気になれず。北穂高小屋から着たパーティに、飛騨側は濡れているところあるから気をつけてと教えてもらった。ここまではなかなか快調だったけれど、さすがに「どうしましょう?」と一瞬考える箇所が出てくるし、ザックが引っかかり前にのめって逃げるようにしたら、本当に落ちるかと思った。恐るべし。が、濃霧のお陰でまったく高度感なく、いいんだか悪いんだか分かりません。必死に歩き過ぎなためでしょう、長谷川ピークは気がつかずA沢のコルに着いた。ちょっと先を歩いていた二人組が、「これやばいよっ!まぢで!!」って言いながら登って行く。こっちは乾いた笑いしかできないね。



自分でも驚いたのだが、ザックの重さが気になったのは鉄杭を登る時の1回だけだった。まあ、気にならない程度にのんびり歩いただけかしら。引き続きまーったく何にも見えないので、当然振り返っても、滝谷展望台もなーんにも。大岩壁はまた次回。絶壁の上に建つ北穂高小屋を恨めしく眺めながら登ると聞いていたこともあり、「北ホあと200m」が出てきた時には、正直もう着くの?ってぐらいだった。必死なのか集中していたからなのか、単に濃霧のせいか。屋根っぽいものが見えたところで、雷鳥夫婦登場。しつこく追って写真を撮っていたら、飛んだ!雷鳥も飛ぶのですね。でもまだまだ追うと呆れ顔して去って行った。


いやー、北穂高小屋に到着。さすがにお疲れ顔ですわ。
昼食に味噌ラーメンをいただく。ここの食事はおいしいとの評判の通りなので、是非皆さん食べてみて下さい。


たっぷり休憩もしたし、涸沢ヒュッテまで下るだけと高をくくっていたら甘かった。コースタイムをオーバーし2.5Hもかかって到着。涸沢カールの脇のお花畑もすばらしかった。(たぶん)木いちごがたくさん成っていて、ついつい食べたくなったが我慢。木の実が成るということは、もうここは秋が始まったのですね。なぜだか、ずーっとヒュッテの屋根を眺めながら降りられました。



涸沢パノラマ売店前で食事をしているおしゃれなパーティがいた。女性がおしゃれな人は増えたけれど、ここは男性が見事に全員おしゃれで雑誌のままな感じ。聞けば、形から入る主義とのこと。30秒ごとに全員を撮っているカメラを据え付け、それ用にバッテリー4個持ってきたそうだ。こういう彼らは和むわね。

3日目(8/31)
多分3H寝ていない。あれだけ疲れたはずなのに・・・寝付けなかった。そして止まない雨。台風が関東へ接近中なのでその影響?時間になっても準備する気すらなく、出発予定を30Mも遅刻した。ごめんなさい。
雨がやみそうな中、出発。景色を楽しむこともなく下りの勢いで、あっという間に河童橋へ戻ってきた。

3日間、けっこうな距離を歩いた。さすがに疲れたが、行動食は小屋にお世話になったもののソロテント装備で行けたことは純粋に嬉しい。あんな難所に、はしごや鎖など整備して下さっている方々へ感謝。大人気な場所なだけに、穂先も大キレットも混雑するとそれだけで落石など危険要素が増すところ、幸運にも気兼ねすることなく通過できて満足でした。ただ、高度感まったくなしだったので、いつかリベンジで歩かなくては。

(のり)

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