ジャンダルム

2015-08-01

05_縦走 l_北アルプス

Date : 2015/08/01-02
Member :ガッキー、ゼロ
Timeline :8/1 新穂高温泉(5:45) - 白出沢出合(7:10) - 重太郎橋(8:00) - 荷継小屋跡(9:00) - 穂高岳山荘(11:10)
8/2 穂高岳山荘(5:10) -  奥穂高岳(5:40) - ジャンダルム(6:50) - 天狗のコル(8:30) - 天狗ノ頭 (8:55)- 赤岩岳(11:10)- 西穂高岳(11:30) - PP(12:10) - 独標(12:30) - 西穂山荘(13:20) - 西穂高口(14:20)

奥穂高-西穂高間を縦走してきました。

体力の低下が止まらない二人組でのジャン挑戦ということで、今回はできるだけ前泊の睡眠時間を取る作戦です。

31日の20時半に都内で集合し北アルプスに向かいます。「眠いですねー」 を連発しつつも、新穂高温泉には順調に到着。でも駐車場が空いていない。登山者用無料駐車場は無論、新穂高温泉の市営第2駐車場(登山者用)も満車、第1駐車場は朝8時からなのでどうしましょう。
兎に角二人とも眠くて仕方がないので、新穂高温泉からはロープウェイでも行けてしまう素敵な鍋平の駐車場まで行ってそちらで前泊となりました。

翌朝は4時を5時と勘違いして素早く起床。また駐車場を探しに車に乗り込みます。昨晩と同じルートを走りますが、状況は変わらず。結局キョロキョロしてた時に見つけた鍋平への分岐脇にあるスペースに車を停めさせてもらいました。今思うと核心は駐車場であったような気がします。


核心は初っ端に..
鍋平への分岐からスタート

長い長いトンネルを抜けて新穂高温泉につきます。
普段あまりメジャーなルートに行っていないということなのか、車と人の多さに少し戸惑います。

最後の身支度@新穂高温泉
今回のルートは白出沢を穂高岳山荘まで登りそちらで幕営。翌日にジャンを通って西穂からロープウェイでの下山です。下山がないのが精神的に楽ですがジャンに行くということで、「ゆっくり・丁寧に」が合言葉の山行。

白出沢までは林道歩きが続きます。今日から8月ですが朝は結構寒くそれなりに汗をかきますが、冷気に包まれて体が冷える感じです。風邪を引きそうだ。

ここまで寒かったな白出沢出合
(↑槍平  →白出 )
重太郎橋

ここからは稜線がみえる
出合から重太郎橋といわれる徒渡ポイントにつくと、稜線が見えてきます。
そのギザギザっぷりにちょっと焦りますね。水が凄く冷たいので、慎重に。


荷継小屋跡からは怒涛の登り
日陰なし
重太郎橋を過ぎると、割と急峻な岩場をトラバース気味に登っていきいますが、直ぐに荷継小屋跡につきます。
この頃には日差しが強くなっていましたが、更にここで樹林から外れます。したがって、ここからは日差しを浴びながらガレ場をただ登るだけの素敵な行程。雪渓と落石リスクがありますが、特にときめく要素はありません。落石が気になるのでプレリードックのように耳をそば立てて警戒したいのですが、虫の羽音が凄くあまり音は聞こえない。

※ 早い時期には雪渓が大きくて迂回できないので、アイゼン・ピッケル必須になります。計画時に確認しましょう。

少し行くと雪渓が残っている
右側を進むと上部で雪渓トラバースなので左側を進め

雪渓を回避するガッキ―さん

遠くに山荘が。
何飲もうかな。

随分登ってきました。落石注意です。

スーパードライが飲みたいな。
後ろを振り返る。このルートはもういいかも。
白出沢は兎に角登るだけですが、ルートがない(付けようがない)ガレ場なので、歩きやすいところを見つけること、石を落とさないこと、そして自分のリズムを維持することを考えて登ります。あとこれは稜線上でもそうですが、日陰がないのでこまめに水分補給をしましょう。もう少し斜面が緩やかだったら日傘が欲しいです。


右向け右で奥穂

左を見ると涸沢岳

正面向いての涸沢カール(ヒュッテ)
日差しから逃れるように登っていた為か、予定よりも随分早く穂高岳山荘に到着。初めて来ましたが、本当に立派な場所です。なおテン場が限られているので早速テントを張ります。

ガッキ―さんにテントの場所を確認してもらってから、「のんでいいっすか?」、「あー全然いいですよー」とやり取り。800円を握りしめてビールを買いに小屋に向かいます。

山でのビールは本当においしいですね。雪渓でビールを冷やす猛者もいましたが、気持ちが良く分かります。まだ午前中でしたが、飲んでしまったのでこの日の行動はこれにて終了。ちなみにガッキ―さんは寝不足ということで直ぐに寝ようかとも言いますが、夜に寝れなくなるのが困るので、「18時までは寝ないようにしよう」と、妙な合意。

やることも特にないので、しゃべる→場所を替える(小屋に入るor出るの二択)→しゃべる→山みる を繰り返します。あ、結局2回ほど昼寝もしたような気がします。

涸沢カールを見ているとどうしても前穂北尾根が気になります。もちろんジャンダルムも気になります。というか、山荘からよく見えすぎる。クリアに見えすぎるのも精神的にプレッシャーか。


そびえるジャンダルム。
俺のリングはどこにあるのか・・。
気になる前穂北尾根。
ただただ眩しい..。
5・6のコル♡
記念撮影。
絵にならねえ。
松本上空の積乱雲
雲を眺める人々(一部)
夕方にかけて松本上空の積乱雲が凄いことになっています。そのボリューム感に圧倒されますが、兎に角よく光る。あれが穂高にこないことを祈りつつ、予定通りの18時就寝。



奥穂山頂




翌朝は5時から歩き出します。奥穂高岳への取り付き(というか山荘の出口?)で、期間中常駐している岐阜県警の隊員の方から一人づつルートを聞かれます。間ノ岳を超えたところで滑落事故があったとのこと。奥穂高岳には直ぐにつきますが、山頂は結構な人数。先もあるので、先を急ぐことに。あ、ここまで来ると槍ヶ岳をみることができます。



そびえる槍ヶ岳。
自分はまだ途上にあるのだろうか。

奥穂高から西穂に向かう場合、①馬の背、②ロバの耳、③ジャンの順で難所をこなすことになります。体力のあるうちに、それらのポイントをこなせるのが有利ですが、馬の背が下りになるなどの難点もあります。また、初めに難所を越えるので、後半がダレる(気が抜ける)可能性もあります。そんなところをガッキ―さんと確認しながら、ジャンに向かいます。

ジャンをみる。

馬の背をこなすガッキ―さん
丁寧に登り降りします。

 「あ、どーもどーも」

「馬の背ってあれですか?」「ロバの耳ってどれですか?」と言いながら、気づくと馬の背に取り付いていました。確かに高度感は凄いですが、ホールド・スタンスともにしっかりしています。ただ、切れ立っているところは、飛騨側と松本側のどちらからも行けるようにも(行けないようにも)見えるので、「?」と感じた時はあせらずに観察しましょう。特にトップで行く時は、時間がかかっても丁寧にホールドとスタンスを見つけるようしましょう。個人的には馬の背の真上でハイドレーションくんが突如放水開始で泣きそうでした。


ジャンにむけて登っている。

ジャンには西穂側から登ります。途中までは踏み跡や鎖があったりですが、上部には特に路がついていないように見えました。登りは兎に角、下山時やガスっているときは慎重に。山頂は奥穂高よりも全然広くて落ち着いた印象。まだ時間が早いこともあって、北を向けば槍、遠くには富士、南にはこれから向かう縦走路などの絶景です。長年ジャンに来たがっていたガッキ―さんもうれしそう。


重太郎新道(手前の暗部)越しに富士も見えます


西穂が掛けましたが、これから向かう方向です

ジャンダルムの後は天狗のコルまで下ります。天狗のコルの前にひとつピークがあり、当初そのピーク前の鞍部が天狗のコルかと思いましたが、本物の方にはしっかりと表示があります。ちなみにその鞍部の少し手前(奥穂高側)にはテントを張れるスペースがあります。
天狗のコルからは天狗沢を下って上高地に降りれるのですが、そのルートに関心がありマジマジと上から眺めます。普通に下れるように見えるがどうでしょう。

ビバーク可能

天狗のコルと勘違い



天狗のコル(本物)まできた

天狗沢のルート。気になる。

天狗の頭に登る

天狗ノ頭から西穂(奥)を見る
ここからは、天狗の頭、間ノ岳、赤岩岳、前穂とつづくピークをこなします。
ちなみにこのルート、当然ですが日陰がありません。この日は基本無風状態。日陰に入らない限り、日差しや熱から逃れる術がありません。目の前のルートに熱中すると気付きませんが、結構フラフラっときます。水分補給は当然ですが、ちょっとした日陰できちんと休むなどのご配慮を。

間ノ岳から赤岩岳を目指して下っていると、数名の登山者が飛騨側の斜面に向かって、「大丈夫ですか~」とコールしています。穂高岳山荘を出発する際に岐阜県警の隊員から注意されたポイントで滑落した模様です。滑落した方は、姿は見えないのですがコールが届く状況。ジャンダルムでご一緒した単独行の方が携帯電話で救助要請をします。一緒に救助を待ちたい気持ちもありますが、ここは単独行の方に対応を任せて先に進みます。

赤岩岳

赤岩岳に登っていると新穂高方面からヘリコプターが来ます。2009年のこともあるので、不安な気持ちで見守ります。何度かアプローチを繰り返した後、滑落現場の上空までゆっくり進入し救助隊員を降下させます。機体は稜線よりも低い高度でホバリングしていますし、斜面とローターのクリアランスもそれほど十分にある訳ではありません。人命救助の現場の緊張感と危険性を実感する場面です。山に入る者としての心構えが問われます。

間ノ岳-赤岩岳間で滑落事故

隊員が降下していきます

本当に凄いです

西穂山頂から独標まではそこそこの斜面が続きます。独標に近づくにつれ人も増え、独標からはところどころ渋滞が発生。順番まちなどをしながら西穂山荘まで進みます。いつもだとここから長い下山になる訳ですが、ロープウェイで新穂高温泉まで下ります(yes!)。
※西穂からの下山時に一時離れていたヘリコプターが再度接近し、ピックアップ作業をしていたようです。

西穂のピーク

西穂山荘の方

広い尾根。天気悪いと難儀かも。

これが西穂山荘

核心に戻る

あっという間に下山できるロープウェイの威力に関心しつつ無事に新穂高温泉に到着。長い長いトンネルを抜けて駐車場?まで戻ります。下山後は奥飛騨の湯で汗を流し、みそ焼きを食べて、渋滞にハマりながらも無事に帰宅しました。

長い行程の奥穂高-西穂高ですが、炎天下にも関わらず集中力を切らさずに歩けたかなと思います。奥穂高から行く場合は、ややマークが見えにくいのか、気がつくとルートを外れていることが多々ありました。また、トラバースも結構大胆に下るように道が付いているので、特にザレているところは注意しました。馬の背などのメジャーな難所は誰しもが気をつける箇所ですが、長いルートに渡って全て気を張るのも難しいので、その辺の兼ね合いがやはり難しいなと個人的には感じました。

兎にも角にも行ってきましたジャンダルム。
ガッキ―さん2日間お世話になりました。ありがとうございました。



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