念願の白馬岳

2009-07-17

01_無雪期 l_北アルプス

Date : 2009/07/17-19
Member : スグリン、ナシさん、ルビ子
Timeline :
7/17(雨)前夜発(22:30都内集合車にて3:30栂池高原ゴンドラ乗り場着)
7/18(雨)栂池自然園(8:00)-白馬大池-小蓮華山-白馬岳-頂上小屋(15:00着・泊)
7/19(嵐)計画を変更し頂上小屋(6:15)-杓子・鑓ヶ岳を経て白馬鑓温泉を目指すが、天候絶不良のため引き帰す。終日「停滞」、頂上小屋泊。
7/20(晴!)頂上小屋(5:30)-白馬岳-小蓮華山-白馬大池-栂池自然園(13:00)

7/17
念願の白馬岳へ。
3年前、旅行で目にした麓からの北アルプスに大感動、山へのきっかけとなりました。GWの初北アルプス(燕・常念)で気持ちがさらに高まり、今夏の目標(のひとつ)に想い続けていた白馬岳へ!!

ですが…
あまりの嬉しさと、梅雨明け直後(東京)なのと、天気運が良いとの勝手な自負で、すっかり天気を忘れていました…
夜発当日の昼過ぎにようやく、3連休の天候がとても悪いことを知り。

そしてこの日、トムラウシ山でとても悲しい事故のニュースが。
山や自然を好きと思う人々が、それ故に命を落としてしまうなんて。
装備や知識、意識、体力、しっかり強くしていかなければと改めて強く思わせられました。

スグリン、ナシさんと、相談。
予報が外れるかもしれないし(祈)、もしかすると、山行のはずがドライブに終わってしまうかもだけれど、
現地で判断しようと結論。

22:30出発。

ナシさんの運転のおかげで栂池高原ゴンドラ駐車場に3:30ようやく着。
テントは0。車も数台…心細い…。
しばし仮眠。
明るくなったテントにパラパラと雨の音。
予報は忠実、でした。

7:00発ゴンドラ乗り場へ。
悪天候予報の中だがとても多くのパーティー。
心強くなる。
状況を見ながら慎重に、でも行けるところまで行こうと思う。

乗り場の体重計でザック初測定。
テントを持ってくれるスグリンザックは26kg(私は12kg...)でした。
こののち登りの苦手な私はナシさんに荷物を持ってもらうことに。
いつもホントすみません…

ゴンドラより。
振り続ける雨で景色が見えない…


8:15 自然園(1820)より出発。

まもなく雨水の溢れ出した道を、小川登り状態。
流れ落ちてくる透き通った水、雨に濡れた緑や石や岩、白んだ空気。

雨の中の山行の経験がない私には初めて見る光景。晴れた中の自然もとてもきれいで好きだけれど、
雨で潤っている姿はそれとはまったく違って、同じくらい(か、それ以上に)良いなと思いながら、進む。


9:00 天狗原(2200)

初めてガスが切れ、風景が開ける。
「こんなに景色見えるの、最初で最後かもよー」との冗談も、この後現実に…。

湿原は雨のほうが幻想的できれいだ。(とできるだけプラス思考に。)

が、この後だんだん雨風が強くなる。
風で息がしづらい。強い雨が顔に当たり痛い。ガスで視界も悪くなる。


10:15 乗鞍岳(2437)

平原の中に突如山頂が現れる。雨と風に中、沢山のパーティーが休憩。

10:45 白馬大池(2380)

グレーの暗い暗い池。
強い雨風の中たどり着き屋根を求めて、小屋は混み混みで入れず。
雨の中ゆっくり休憩。
折り返し地点だ。
白馬岳までもう少し。


白馬大池出発。
少し雨風ガスもやわらぎ、このくらいなら良い風景、と思ったのも束の間。
小蓮華山に登るにつれ、これまでにない、風、雨。
あたりももう真っ白でどんな中を歩いているのか分からない。
いつも景色に助けられて登っている私、何も見えないとなんだかしんどさが増すように思える。

山頂付近で雷鳥がぞろぞろと出迎えてくれ、励ましてくれた。
雷鳥のみなさま、ありがとう。
写真ぎらいのようで撮れず非常に残念。

小蓮華山(2769)
視界が悪く山頂なのかどこなのか。
ただ通過。風もまた強くなり、余裕もなくなり、ここより私は写真さえ撮れませんでした。


三国峠より、白馬岳への登り。私の登りペースがさらに遅く、早く着かないとなのに、と焦る。
濃いガスと強い風は気持ちを追いつめてくる。

先頭で、頻繁に振り返り足を止めて気遣ってくれるナシさんと、後ろを重い荷物を持ちながらも変わらず冷静に歩みを進めるスグリン。
2人の変わらない元気さと冷静さと気遣いに本当に助けられました。


14:30 白馬岳(2932)

全く何も見えません…
せっかく登ったのに。ここはどこですか??


これでもかというほど更にガスが強まり、25分程度の頂上宿舎へ下るのも大変。
ストーブもある広いレストハウスで、ほっとする。

が、
私は雨が初めてで。
ザックカバーをしていれば絶対大丈夫と思っていました…シュラフがずぶぬれに。
急遽、私は小屋泊まりすることに(すみません)。


小屋の乾燥室にシュラフ等々干して、夕ごはん準備にテントへ。
強風の中、他には2張りだけ。

今日一日、やっと一段落でご飯の時間はほっと楽しい。と思ったのも一瞬。
とうとう風で鍋転倒。テント内大惨事に。

急いで食べるが、猛烈な風でテントが右に左にと傾く。
せっかくオビワンさんからいただいた大事なエスパースが…このままでは買いたてのフライも飛ばされる、ポールも折れそう。

で、19:00頃、撤収。
小屋へ避難(結局みんな小屋泊)。

小屋のかたも「そのほうがいいよー」と遅くからのおじゃまにも、温かく親切に迎えてくださって。
ありがたいです。


改めて残りのごはん。
小屋泊は、玄関部分のたたきのようなところで、調理・食事可でとても快適。
他のパーティーのかたの食事をチラ見して学習したり。


明日についての話し合い。
今日と同様の天気らしく。
当初の雪倉岳-朝日岳(泊)-五輪尾根-蓮華温泉という計画を、
コースタイムの短い杓子岳-鑓ヶ岳-白馬鑓温泉(泊)-猿倉に変更することに。

(白馬鑓温泉、白馬岳とセットとしてとても行きたいとあたためていた所だったので、
ふたりには言わなかったけれど、実は内心ラッキーと思ってました。)

21時小屋消灯で解散。



7/19 白馬鑓温泉へ!!
(・・・人生ゲームにて)

4:00起床
昨日雨で全滅した装備とテントを、乾燥室より取り込みパッキング、朝食。
今日も雨のたたきつける音と、強風というか暴風の音。
小屋には相談担当のかたもいて、昨夜検討したコースの確認が十分にでき心強かったです、
(が)。

6:00出発。
雨が小康状態になり出発。が、稜線に出るとすぐ暴風。
昨日の風もすごいと思ったけれど、昨日の比ではなくて。

まもなく同室の女性パーティーが戻ってきて。
飛ばされたり、転倒されたとのことでこの先難しいかもとおっしゃって。
周囲に他パーティーの姿もなく、まだ小屋から近い所だったので、ひとまず小屋に戻って検討しようということに。

テレビで、警報(松本地方ですが)、全体的に大荒れの模様が流される。

先に出発した多くのパーティーは栂池自然園のほうに向かったらしく、
私達と同じコースや、天狗山荘に向かったパーティーも少数はいるとのことだが、どんどん悪くなっていく天候と、私の経験不足と登る力不足(すみません)により。

結局…
朝8時にして本日の行程、終了…。

この日、
ナシさんは沢山の山本読破、この後多々お世話になるHさんをはじめ停滞の方々と交流?昼寝。
スグリンはツェルトにて耐風訓練と昼寝。(20分間ののち戻ってきたと思ったら、その後いつのまにか2時間、あの暴風と雨と冷たい空気の中に滞在。プラス移動。相変わらずとてもストイック。)
私は昼寝のち、ひたすら小屋の小説2冊読書(良い本でした)。

山上での贅沢すぎる時間でした。
頂上宿舎は広く、きれいで非常に快適。
(夕食準備時、別室の二人が見つけられず聞いたところ館内アナウンスが流れました!)

17時頃より「停滞」仲間のHさんも一緒に夜ごはん開始。
食後は談話室より懐かしの人生ゲームを拝借。
しかもなんと白馬版!!

ゲームの中で、ようやく念願の白馬鑓温泉に辿り着けました
…複雑。


7/20
すべてはこの日の為?

夜中よりこれまでと違う様子。
風の音は強いものの、格段に穏やか。
目を覚ますと、薄青く薄赤い空、濃くどっしりとした山の稜線、柔らかく幾層にも重なっている雲海が。



4:50頂上小屋発
停滞仲間のHさんも一緒に白馬岳-栂池高原下山へ。

Hさんは、大の花好き。
そのために来たとおっしゃっていたが、想像をはるかに超えていました。
「花目になってるんです」と、見える花は勿論、ハイマツ下の私達には見えない花まで、
あらゆる花や植物の名前の由来や成り立ちや違いなど教えてくださる。
自然解説員をされていたとのことで(納得)、本当に楽しい講座でした。
ありがとうございました!
好天の上、さらに楽しい大充実な時間になりました。

晴れた―!!
こんな景色だったんだ。


3日目にして初めて見る風景に、みんな大感動。
2日間ずっとガスの白、グレー、暗闇の黒ばかりでしたものね。
テンションが非常に上がる。
風景やお花に、しばしば足を止めながら、ゆっくり白馬岳山頂へ。
3日ぶりの好天の中、山頂は幸せなムードに包まれている。

5:20 白馬岳山頂

見えるものは山と空と光と雲海、その中に自分達だけ。
Hさんいわくの「不遇」な二日間は、この瞬間の為にあってくれたのかな。 
大感動と大感謝。


6:15 三国峠

当初の予定で行くはずだった、雪倉岳、朝日岳。

私には往路では何も見えず、先も急がないと、と焦りしんどいと思ってしまった場所。
そんな2日前が信じられない光景。伸びやかに山が続いていた。

途中で出会ったA夫妻。
抜きつ抜かれつでほぼ同行状態、さらに仲間増え楽しく進む。
お花や山の話をいろいろ教えてくださり、Hさんとも花談議が非常に盛り上がる。
(私達にはコアすぎて?でしたが。)
彼女達も朝日岳方面のお花畑は本当に素晴らしいとしきりに。
今度こそ行ってみたい。

いたる所にお花畑が。


好天の穏やかな中、幸せな気持ちでゆっくりと風景や花を楽しんでいたのですが…私は。
スグリンにはそろそろ、この穏やかさに限界が…

噂のダブルザック。


わざわざしんどい思いしなくても…
(後でロープウェイ乗り場で量ったところ23kg +12kg=35kg!)


止めたものの行ってしまいました。
山でザックがないのはとても肩身が狭かったけれど、結局は非常にラク♪。
結局小蓮華山を下りたところより、冗談で言った白馬大池まで。


今度はナシさんが、ダブルザック。
乗鞍岳まで岩場を登っていく。
ザックなくても大変なみちなのに…
みんななぜ…


Hさんに言われ、進行方向から外れた横の空を見ると…
不思議現象が。彩雲というらしい。
刻々と色合いを変えていく。


晴天の絶景の中、もう十分にだったが、自然の美しさやパワーや神秘的な表れに、更にただただ、感動。
緩やかな雪渓を、滑って半ば遊びながら下りる。



湿原でたそがれる男子3人。


ゴンドラより白馬の街。
もうすっかり夏の様相。
昨日までの2日間が幻に思えてくる。


悪天候で初めてのことだらけの山行でしたが、
雨の山のきれいさや嵐?時の強い姿を見れたり、雨の中歩く楽しさ、変更変更のおもしろさ?を知れたり
とても濃い楽しい山行になりました。

(また更に山が好きになりました!!!)

ルビ子

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